まるで短編映画!何度も観たくなるオススメのミュージックビデオ12選

クォリティの高いミュージックビデオ(MV)は、もちろんこの世にあふれている。今回はストーリー性があったり、最後にあっと驚く結末が用意されていたり、心に強く残ったりと、「なにこれ映画?」と思わず感心してしまうものを選んでみた。

邦楽も洋楽も区別せず、ジャンルもバラバラ。楽曲そのものは評価の対象にせずビデオの内容のみでピックアップした。

ただ、メジャーなヒット曲を中心に挙げているので、みなさんの好きなもの、これから気に入るものが見つかるはずだ。

ランキング形式にはしてあるが、もちろんビデオの出来栄えに優劣はない。上から順に視聴していただくのが理想だが、気になったものから再生していただいてOKだ。

しばしの間、すばらしきMVの世界に浸ってほしい。

【12】Michael Jackson「Thriller」

あらゆる“映画のようなMV”の原点

暗い夜道を歩く男女。男が立ち止まり、女に言う。「ぼくはふつうの男と違うんだ」。やがて男の顔がみるみる変貌していく……。

[ゾンビレベル:★★★ ダンスレベル:★★★]

中高年の人は「なぜいまさらこれを?」、若い人は「なんでこんな古いのを?」と、首をかしげるかもしれない。しかし、「映画のようなMV」ということになれば、このビデオをはずすわけにはいかない。なぜなら、古今東西、世にはびこるMVはすべて、この「Thriller」の亜流。そう言っても過言ではないからだ。個人的にはこれを超えるMVに出会ったことがない。今回紹介しているMVは、いずれもこの「Thriller」を原点としている。

あまりに有名な作品だが、最初から最後まできちんと鑑賞したことのある人は意外に少ないかもしれない。初見の人も、そうでない人も、この機会にじっくりとご堪能あれ。

【11】AKB48「ギンガムチェック」

刑事モノ、怪獣モノ、幽霊モノ、暴走族モノのごった煮感

近未来の警察署。ひとりの女性警官が署長の机に近づくと、警察手帳を叩きつけ、辞意を告げる。彼女はこの署のナンバーワンだった。入れ替わるようにして別の警官がやってきて……。

[ハチャメチャレベル:★★★ 楽しそうで何よりレベル:★★★]

この警察の物語、学園ホラー、特撮怪獣モノ、暴走族の抗争の話が同時並行的に展開していく。いずれも手が込んでいて完成度が高い。さすが、トップアイドルのMVといった風格。メンバーもじつに楽しそう。楽曲のスピード感もあいまって、心が踊らされる逸品だ。

ゾンビのようにも見える女子高生がダンスを踊るシーンは、もちろんMichael Jackson「Thriller」へのオマージュである(たぶん)。

【10】MACKLEMORE & RYAN LEWIS「CAN’T HOLD US FEAT. RAY DALTON」

世界を股にかける、あまりに豪快な世界観

とある雪山。老人が雪の中から何かを掘り出す。それは旗のようだった。この旗が各地をめぐっていく様を壮大なスケールで描く。

[圧倒されるレベル:★★★ ノリノリレベル:★★★]

「短編映画」というより超大作のたたずまいを持った重厚なビデオ。小耳にはさんだところでは、制作に半年を要したとか。ただ、楽曲自体はヒップホップなので、肩ひじ張る必要はない。マシンガンのようなラップに心を委ねてしまおう。

【9】Maroon 5「Maps」

ほんの小さな誤解が生み出す悲劇

男が病院に駆け込んでくると、誰かの居場所を必死に聞き出そうとする。彼が向かった先は集中治療室。ひとりの女性が瀕死の状態で横たわっている。どうやら彼女は男の恋人らしい。いったい何があったのか? ここで時間が逆転し、事の真相が次第に明らかになっていく……。

[手法に感心レベル:★★★ 悲しみレベル:★★★]

映画『メメント』のように、シークエンスごとに時間を遡っていく。ビデオの冒頭では彼女は無残な姿。少し時間がもどると、顔を泣きはらしながら道を歩く様子。さらに遡ると、パーティーに出席する場面。結末はすでに知っているわけだから、彼女が味わう心情を逆順にたどるという、ちょっと変わった体験ができる。

ただし、ほんとうの結末は、曲が終わるまで明かされない。

【8】Carly Rae Jepsen「Call Me Maybe」

気になるオトコのお目当ては……

気になるのは、隣の家に住むオトコ。どうやってアプローチする? 彼が近づいてきた。さあ、いまがチャンス!

[衝撃のラストレベル:★★★ ラブコメレベル:★★★]

Carly Rae Jepsenのように、ミドルネームが入るのは、古風な名前らしい(日本人でいえば「花子さん」みたいな感じかしら?)。それと関係あるのかないのか、ポップな曲調なのに、画面の色調が時代がかっているのが印象的。

歌詞のとおり、「これが私の電話番号だから電話して……くれたりする?」っていう展開になるわけだが……。衝撃のラストはビデオで確認せよ。

【7】Taylor Swift「You Belong With Me」

窓から眺める憧れの彼にはライバルが……

窓の外を見ると、隣の家に住む男の子の姿。紙にメッセージを書いてやりとりをしているけど、とある言葉を書いた紙だけは見せられない。その言葉は「I love you」。

[言い出せないレベル:★★★ 一件落着レベル:★★★]

上のCarly Rae Jepsen「Call Me Maybe」とシチュエーションが似ている。まあ、だいたい若い娘さんの考えることは同じようなものだ。

ただ、Carly Rae Jepsenが積極的な女を表現しているのに対し、こちらは地味な女の子(黒縁メガネ)が主人公だ……といっても、演じているのがTaylor Swiftなので、あふれる可憐さは隠しきれない。この隠しきれないっていうのが見どころで、なおかつ、終盤の伏線になっているのだった。

【6】AAA「風に薫る夏の記憶」

恋人たちを見つめていたのは誰?

夏の縁日。浴衣を着た少女と少年が出店の建ち並ぶ中を歩いている。少女は、少年と手をつなごうとするが、いま一歩、勇気が出ない。その様子を温かい眼差しで見つめる女性がいた。そして、少女たちに奇跡が起こる。

[謎が一気に氷解レベル:★★★ 胸がキュンレベル:★★★]

提灯や風車、金魚、りんごあめ、着物の柄など、赤の色彩が印象に残る。情感たっぷりの楽曲とともに味わえば、至福のひとときが過ごせるだろう。

そして、少女たちを見守る女性は誰なのか? その正体がわかったとき、ちょっとした感動も生まれるはずだ(目元のほくろに要注目)。

【5】Aimer(エメ)「あなたに出会わなければ~夏雪冬花~」

放課後の学校で繰り広げられる女の子たちの絡みあい

とある女子高の放課後。少女たちは、みずからの欲望に身を委ね、心と体を通わせる。

[ガールズ・ラブレベル:★★★ ねっとりレベル:★★★]

ガールズ・ラブの世界を魅力的に描き出すビデオ。もちろん、MVなので過激な描写はないが*1、だからこそよけいに観る者の想像力をかきたてる。少女たちの情念を、登場人物の視線や手の動き、相手を見つめる表情で表現している。

歌だけを聞くと、切なくてしかたがない。しかし、映像をセットにすることで、少女たちのたくましさに、生きる希望がわいてくる。

これは余談だが、私の書いたガールズ・ラブ小説は、正式なものが出来るまで、この曲をイメージソングにしていた。本の表紙もこのビデオの画面をキャプチャーし、資料としてイラストレーターにわたしている。

*1:上のオフィシャル・ビデオでは、全体の90%ほどしか視聴できませんが、世界観には十分に浸れると思います。もしかしたら、YouTubeの規制にひっかかったのかもしれません。全編は下記の商品に収録されていますので、続きが気になる方はぜひ。

【4】ケラケラ「さよなら大好きだったよ」

卒業式の学校であふれる想い

とある高校の卒業式。女友達と一緒に校内をめぐり、 高校生活の想い出を記憶に焼きつけていく。やがて、少女の表情が曇っていく……。

[女の友情レベル:★★★ せつなさレベル:★★★]

卒業式の学校は、友達と別れなければいけないさびしさと、新しい生活の待つ期待感が入り混じる。社会人になってしまえば味わえない特別な感覚。それをこのビデオでは疑似体験できる。

少女が泣き出したのはなぜか? 理由は歌のタイトルが語っている。

【3】ARIANA GRANDE「One Last Time」

世界の終わりはこうして始まる

車に乗る恋人ふたり。渋滞に巻き込まれ、女は苛立つ。でも、ただの渋滞ではなさそうだ。不審に思った女が車外に出ると、空から隕石が……。

[絶望感レベル:★★★ ラブレベル:★★★★★]

全編が男の構えるビデオカメラの映像という体裁になっている。P.O.V(point of view =主観視点)であり、なおかつワンカットの映像が展開。

世界の終わりがあるとすれば、それはこうして始まるのかもしれない。そんな寂寞感が漂う雰囲気の中で歌われるラブ・ソングが哀しい。

【2】TAYLOR SWIFT 「Bad Blood ft. Kendrick Lamar」

女スパイ軍団の壮絶な戦い

女スパイがとあるビルに潜入。敵に見つかり戦いの火蓋が切って落とされた。

[派手派手レベル:★★★ 女軍団レベル:★★★★★]

まさにハリウッド映画の予告編を観てるようなド派手かつゴージャスな映像が魅力だ。

上で紹介したAKB48「ギンガムチェック」になんとなく似ている。「あれ? パクリ?」と思ったが、ディレクターが同じなのであった。

いわば〈洋楽ポップスの女王〉vs〈邦楽のトップアイドル〉の戦いとして楽しむのも一興だ。

【1】Katy Perry「Firework」

大切な一歩を踏み出すために打ち上がる“花火”

塔のような建物から街を見下ろすひとりの女性。視線の先には、どうしても前に進むことができない人たちがいた。体型を気にして人前で水着姿になれない女の子。病魔に冒され病室に閉じこもる子ども。意中の人に想いを伝えられないゲイの青年……。やがて彼女たちの体から花火が上がり始める。

[鳥肌レベル:★★★ 涙腺崩壊レベル:★★★]

Firework(花火)というタイトルだから、ビデオでも花火が上がる。安直なようだが、もちろんただの花火ではなく、ひとひねりしてある。

目の前に立ちはだかる壁に尻込みをしてい人たちが一歩を踏み出す。その姿には、Katy Perryの歌声もあいまって、とても勇気づけられる。

いままで何かをためらっていた人。やろうと思ってなかなか始められなかった人。達成したい目標がある人。そんな人は、このMVを観て、一歩を踏み出すきっかけにしてみてはいかがだろう?

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