映画『バイオハザードV』がなぜか傑作に思えてくる3つの着眼点

探してみる。この作品の評価すべきポイントを。

時間がない場合はスルーでOK

[1]ここは作品レビューのブログである[2]「バイオハザード」という名のつく作品は見過ごせない──といった理由で、期待せずに鑑賞してみた。案の定だ。苦しい。さすがの当ブログでも、これはかばいきれない。

ここで、映画の悪口を書き連ねることもできる。しかし、レンタルで観た作品だから、経済的被害は少ない。それに、欠点をあげつらうのは当ブログの方針に反する。文句があっても、わざわざ記事としてアップする必要はないのだ。

どんな作品にも、よい点は必ずある。その方針で当ブログは運営している。だから、探してみる。この作品の評価すべきポイントを。

[着眼点1]アクションシーン(死亡シーン)にひと工夫

アクションや銃撃シーンは、“腐ってもハリウッド”で、それなりに魅せる。アメリカ映画なら当たり前ではあるが、深く考えなければ、そこそこ堪能できる。

とくに終盤あたりのキャラクターの死亡シーンは、ひと工夫してある。これはオリジナリティがあるといえるのではないか。

ラストの格闘シーンにはぜひ注目したい。

[着眼点2]かりそめの幸福という哀愁

この映画の設定では、ウィルスが蔓延し、世界はとっくに崩壊している。

今回のおもな舞台はアンブレラ社の施設内だ。ここで主人公アリスは、“夢”を見せられる。まだ世界が平和だった頃の記憶。夫や娘と幸せに暮らしていた頃の情景が目の前に広がる。

しかし、その生活はゾンビの出現によって一変。かりそめの幸福ははかなくも崩れ去ってしまう。

そんな事態に直面したアリスの心情。どれだけ哀しみが深かったか。

彼女に感情移入することで、少しはこの作品に深みを与えることができるだろう。

[着原点3]「バイオ」のキャラクターが日本語で話す

これは日本語吹き替え版に限定した話だ。ゲームでおなじみのキャラクターが日本語で話す。これは、吹き替え派としては嬉しい。各キャラクターの配役を見てみよう。

ジル=バレンタイン → 湯屋敦子

まったく問題ない。というより、これ以外のキャスティングは考えられない。

エイダ=ウォン → 岡本麻弥

なんか違う。岡本氏は(映画には登場しない)アシュリーやシェリーなど、小娘(じゃじゃ馬)のイメージだ。

アルバート=ウェスカー → 立木文彦

これもイメージが違う。ウェスカーは個人的には小杉十郎太さん、置鮎龍太郎さん、簗田清之さんあたりをキャスティングしたい。立木さんは強いて言えばバリーがいいと思う。

レオン=S=ケネディ → 宮内敦士

バリー=バートン → 金光宣明

この2人はゲームのイメージとまったく違う。だが、今回の映画に限って言えば違和感はない。それは、両者が単なる脇役に成り下がっているからだ。たとえば、レオンは順当にいけば森川智之さんになるが、森川さんは主役級なので、本作にはふさわしくない。

ゲームの『バイオハザード6』には日本語版が搭載されていない。だから、映画の吹き替え版をその代わりとするしかない。しかし、本作のキャスティングはお世辞にも良いとはいえない。

ただし、主人公アリス(ミラ=ジョヴォビッチ)の本田貴子さん、ゲストキャラの朴璐美さんは、すばらしい。だから、この映画の吹き替え版にも魅力はあることを付け加えておきたい。

上の3要素がかみ合っていれば傑作の可能性があった

最初に述べたように、貴重な時間を割いてまで鑑賞する必要はない。上記のように、断片的には魅力的な要素が転がってはいる。けれども、それがうまく絡み合っていない。

たとえば、ジルは前作のラストで敵側にまわってしまっている。それをいつどのように奪還するかが、今作の大きな見せ場になったはずだ。でも、制作者はその重要性に気づいていない。簡単にいえば、脚本の練り込みが足りない。

それでも、当ブログのように「見ざるを得ない」「怖いもの見たさ」「つまらないとわかっているのについ見ちゃうというマゾヒズム」という理由で本作品を観賞する人も、中にはいるだろう。

今回のエントリーはそんなあなたにお贈りする。

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