『荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟』を自称・小説家が読んだ感想

荒木先生の映画に関する本は『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』に続いて2冊目です。

前作と同様に、映画評論家や映画ライターによる作品論と異なるのは、書き手自身が優れた作り手であるという点です。つまり、作品を観る側ではなく作る側の視点から書かれている。

これは、“自称・小説家”として見逃せないポイントなのです。

よい物語には、サスペンスがある

これは前書きで書かれている一文ですが、この本全体のコンセプトでもあります。そして、この「サスペンス」は映画のジャンルとしてのそれではない。恋愛映画にも「サスペンス」はある。あくまで物語を輝かせるエッセンスとしての「サスペンス」なのです。

「よし! 傑作を書いてやる!」と鼻息を荒くした“自称・小説家”の参考になることはまちがいありませんが、その一方で、もちろん、純粋に作品を鑑賞するだけの立場でも、大いに楽しめます(というより、そっちのほうがメインの読者層です)。

ところどころに入ってくるジョジョの名台詞は、荒木先生ではなく、この本のライターさんが書いたもの──というのが“同業者”として想像がついてしまうので、そこは興ざめと言えなくもないのですが、まあ目くじらを立てるものではなく、肩ひじ張らずに気楽に楽しめる内容になっております。

SCANDAL『STANDARD』はやっぱカッケーよな?

映画『キャビン』の感想を〈ネタバレ〉なしで書く

関連記事

  1. make-your-blog

    倉下忠憲『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』…

    セルフ・パブリッシングの本を分析し、おいしいところを頂戴インスピレーションを…

  2. 酒井順子『着ればわかる!』でなにがわかる!?

    酒井順子さんはぼくの好きな書き手のひとりなので、その名を見かけたら、つい手に…

  3. 日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで、と…

    『脱社畜の働き方』に引き続き、日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで…

  4. 〈好き〉を極め〈仕事〉にできる文章術【著者インタ…

    〈好き〉なことを〈仕事〉にする。そうすれば幸せな〈人生〉を送れる——。その…

  5. 納谷悟朗さんのボクしか知らないハマリ役を3つ選び…

    3月5日、納谷悟朗さんが亡くなりました。ご本人は「声優」と呼ばれることを嫌っ…

  6. 黒澤作品の脚本家・橋本忍『複眼の映像』から神映画…

    橋本忍といえば『羅生門』『生きる』『七人の侍』のシナリオを手がけている。そう…

  7. 『映画館のまわし者』で知った映写技師の意外な仕事…

    サブタイトルは「ある映写技術者のつぶやき」。『まわし者』は、映写機を「操作す…

  8. 【敵情視察】初瀬明生『ヴィランズ:悪役たちの物語…

    セルフ・パブリッシングでリリースされた本の魅力を分析し、自分の作品に役立て…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ぎゃふん工房とは……?

Gyahun工房のアイコン

〈ぎゃふん工房〉は、フリーランス ライター ユニット〈Gyahun工房〉のプライベートブランドです。

このサイトは、収益を目的とせず、みなさんといっしょにさまざまなジャンルの作品を楽しむために制作しています。

プロフィール

『天使の街』ミュージックビデオ

最近の記事

PAGE TOP