「自分は社会の“ゴミ”」と感じたら『こみっくがーるず』かおすの真似を

自分のダメっぷりを徹底すると、むしろ楽しくなってくる。

ついつい「自分はダメだ」と思いこむ。「自分はこの社会に必要のない人間なのだ」などと、どんどんみずからを追いこんでしまう。そんな経験はありませんか?

そんなとき、家族や友人に悩みを吐き出すのも解決法のひとつでしょう。

でも、臭いものにフタ、問題を先送りにしているだけで、ひとりになったときに反動でもっと悩みが大きくなってしまうかもしれません。

また、そもそも悩みを打ち明けられる人がいない、という孤独な人も多いのではないでしょうか。そんな状況そのものが、ますます「自分はダメな人間」だと思いこむ原因になります。

「自分は社会のゴミ」。そう感じてしまったとき、私は『こみっくがーるず』の主人公・かおす先生のふるまいを真似ることにしています。

自分のダメっぷりに〈創造力〉を発揮する

『こみっくがーるず』は、新人マンガ家である高校生の女の子たちが共同生活を送る話。第3話「プニプニポヨンですね」では、主人公の萌田薫子(かおす)がネームをボツにされたことを気に病み、仲間に相談するのですが、追い討ちをかけられるようなことを言われ、ますます落ち込んでしまいます。

かおす先生はこうぼやきます。

「すみません、まさにわたしのネームはゴミ。
わたしはゴミ以下。ゴミのゴの字の点々の片方

声:[萌田薫子(かおす)]赤尾ひかる

『こみっくがーるず』第3話「プニプニポヨンですね」
©はんざわかおり・芳文社/こみっくがーるず製作委員会

このあと、仲間たちに励まされ、かおす先生は元気をとりもどしていきます。

さて、このかおす先生のふるまいから、なにかを学びとりたいのですが、注意点があります。

このシーンの趣旨は仲間の大切さを描くことにあり、そこに注目すると、「悩みを打ち明けられるような人がいない」場合には参考にはならないでしょう。かえってかおす先生をうらやんでしまい、「自分はダメ」とますます落ち込んでしまうかもしれません。

ここで注目したいのは、かおす先生の言葉です。

わたしはゴミ以下。ゴミのゴの字の点々の片方

自分のダメさ加減を表現するのに、マンガ家らしい創造力が発揮されている。ここがポイントなのです。

創造すると楽しくなってくる

元気を失っているときに「元気を出さなければ」と思っても、なかなかうまくいかないものです。そもそもココロが元気なら、「自分はダメ」とは思わないわけです。ココロが疲れているときに「〜しなければならない」と自分自身に行動を強制するのは得策ではありません。風に逆らって進もうとしているようなものだからです。

ということであれば、むしろ風が吹くほうに歩むようにしたらどうでしょう? つまり、あえて徹底的に自分をダメと思い込んでしまうのです。その際、かおす先生を見習って、自分のダメっぷりを表現するのに創造力を発揮してみます。たとえば——。

  • この世のダメな人間をリストアップしていったら私はトップ10入り
  • いまは「自分はダメ人間」というブログ記事を書くための素材集め
  • 私はまわりの人たちの不運を一手に引き受けている闇世界の使者
  • 私は太陽系の惑星に住むのにふさわしくない人間

などといった具合(かおす先生のように創造力あふれる例ではありませんが)

そうこうしているうちに、不思議と楽しい気分になってきます。

私は心理学や脳科学の専門家ではないので、科学的な根拠は示せませんが、個人的な経験からいえば、〈創造力〉を発揮することは〈幸福感〉につながりやすい。モノづくりが楽しいのとおなじです。したがって、自分のダメさを表現する際は、馬鹿馬鹿しいもの、突拍子のないもの、幼稚なものほど効果があります。

もちろん、問題がすべてこの方法で解決するわけではありません。ココロの疲れが深刻なら医師や専門家に相談することも大切です。

ただ、誰もが日常的に経験する軽いココロの落ち込みなら、

わたしはゴミ以下。ゴミのゴの字の点々の片方

と、クリエイティビティあふれる“自己紹介”によって、ココロは本来の姿をとりもどしていくはずです。

「ゴミのゴの字の点々の片方」がなければ、「ゴ」の字は成り立たない。「自分も少しは世のなかの役に立っているかもしれない」と思えて、気分が切り換わっていくかもしれません。

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