人生の目標を立てるなら『みなみけ』南夏奈の思想をお手本に

人生の最終目標は「おもしろい」という感情を持つことかもしれない。

毎週日曜日の午前中は、「人生戦略の時間」にしています。ふだん仕事に使っているデスクではなく、小さなサイドテーブルを窓際に置き、コーヒーをれてお香を焚きます。リラックスした気分でノートに向かい、今後の目標を書き出していきます。

ただ、目標はどうしても「やるべきこと」になってしまいがちです。「それはあまりよろしくないな」という想いがあります。そこで私は、「むむっ!? やるべきことを書いているな」と思ったら、『みなみけ』の南夏奈の思想をお手本にして、人生戦略の立てかたを軌道修正します。

「南夏奈の思想」とはどんなものでしょう?

自分が楽しむことしか考えていない

第6話「マコちゃん誕生」で南夏奈は、妹の千秋のクラスメートである内田ユカと話をしています。内田は、やはりクラスメートのマコトが千秋に嫌われていることを夏奈に相談します。

「マコトって、あのバカな子どもか? 千秋が嫌いそうなタイプだからなあ」と言いながら、夏奈は内田に次のように耳打ちします。

「内田、今度あいつ連れてきて
私がおもしろい方向にコトを運ぶから

声:[南 夏奈]井上麻里奈

『みなみけ』第6話「マコちゃん誕生」
©桜場コハル・講談社/みなみけ製作委員会

「おもしろい方向」とは、具体的にどういうことでしょう? それはマコトを女装させることでした。夏奈によれば、自分の友だちとしてふるまえば、千秋に文句を言われないというのです。

マコトの女装が、マコト・千秋・内田の抱える問題の解決策になっているかは不明です。結果的に女装したマコトは、千秋と良好な関係を築くことができたので、夏奈の行動は正しいと考えることもできます。

しかし、夏奈がマコトを女装させたのは、あくまで「おもしろい方向にコトを運ぶ」ためです。しかも、それはマコトたちではなく夏奈自身にとって「おもしろい方向」なのです。

人生の目標は「おもしろい」感情を定める

私も夏奈を見習って、人生の目標を立てるときは「おもしろい方向にコトを運ぶ」ようにしています。

人生の目標として、つい「どんな〈行動〉をとるべきか」を考えてしまいがちです。たとえば、「今年中に100万円貯める」「体重を10kg落とす」とか。これらはいずれも〈行動〉です。

〈行動〉は、なにか〈目的〉を実現するための〈手段〉にすぎない気がします。

目標として「どんな〈行動〉をとるべきか」ではなく、「どんな〈感情〉を持ちたいか」を考えたほうがよいと思うのです。

つまり、〈感情〉が目的、〈行動〉がそのための手段になるのです。

では、どんな〈感情〉を考えればいいか? それはもちろん、「おもしろい」という〈感情〉です。

「そんなの子どもっぽい」「なんだか単純すぎる」。そんなふうに思うかもしれません。

私には、ある社長さんにインタビューしたときに耳にした言葉が印象に残っています。社長さんいわく「人の〈感情〉にそれほどバリエーションはない」。

究極的には、人の感情は「喜怒哀楽」のたった4種類に分類できてしまいます。意外に単純なのです。

人生の目標として、「怒」「哀」はなるべく避けたい。やはり「喜」「楽」を得られるようにしたいものです。

前述のとおり、そういった〈感情(目的)〉を得るためには〈行動(手段)〉が必要です。「100万円貯める」などと〈行動〉の目標を立てたとして、それを実現するために、たとえば副業をがんばったり、節約に節約を重ねたりしたとします。

その結果どうなるでしょう? 100万円は貯まるかもしれませんが、大きなストレスを抱えて心を病んでしまう可能性もあります。100万円は、「怒」とか「哀」といった〈感情〉に対する“慰謝料”なのかもしれません。

つまり、目標を〈行動〉で考えると、マイナスの〈感情〉を生むことにつながってしまう恐れがあるのです。

もちろん、それでもいいという価値観もあるでしょう。でも、個人的には「人生の目標とは『おもしろい』という〈感情〉を持つこと」だと思います。

人生の目標を立てるときは、

私がおもしろい方向にコトを運ぶから

という思想を大切にし、どうやったら「おもしろい」と感じられるか、試行錯誤を重ねたいと思っています。

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