われらが宿願『バイオハザード6』日本語版でおもしろさが倍増

バイオハザード

『バイオハザード6』の日本語版パックが8月8日に配信を開始した。これは非常に喜ばしいことだ。

当ブログはゲームには日本語版も搭載するべきだと考えている。ところが、これまで『バイオ6』は日本語では遊べなかった。だから、脳内アテレコをするしかなかった

永年の宿願がいま成就したわけだ。

本来なら最初から入れておくべきだった。ほかのゲームはみんなそうしている。でも、文句を言うのはやめよう。遅きに失したとはいえ、とにもかくにも日本語版が実現したのだから。

今回は取り急ぎ、おもなムービーシーンとクリス編の序盤をプレイした感想を述べてみよう。

[日本語版1]キャラクターの織りなす人間ドラマが強化

映画を吹き替えで見る者としては、英語+字幕で観賞するよりも、キャラクターの織りなすドラマや感情がしっかり伝わってくる。

CGで描かれた無機質なキャラクターにまさに命が吹き込まれている。

これがゲームに彩りを添えるのは言うまでもない。

[日本語版2]ゲームの臨場感がさらにアップ

ゲーム中に交わされるさまざまな音声(通信や名前のないモブキャラなども含めて)は、もちろん日本語だ。

これまでは、主人公キャラを動かしながら字幕を追う必要があった。だから、情報を見逃すこともあった。

そうならないよう、『オペレーション・ラクーンシティ』では日本語音声を搭載していたのに、なぜか『6』では見送られた。

環境音のように耳に入っていくる音声がゲームを盛り上げ、プレイヤーのテンションも上がることはまちがいなしだ。

[日本語版3]バランスのとれた声優陣

今回の配役を見てみよう。

  • レオン・S・ケネディ → 森川智之
  • ヘレナ・ハーパー → 佐古真弓
  • クリス・レッドフィールド → 東地宏樹
  • ピアーズ・ニヴァンス → 阪口周平
  • ジェイク・ミラー → 浪川大輔
  • シェリー・バーキン → 坂本真綾
  • エイダ・ウォン → 皆川純子
  • アダム・ベンフォード大統領 → 佐々木勝彦
  • ディレック・C・シモンズ → 菅生隆之
  • イングリッド・ハニガン → 杉本ゆう

レオンの森川氏、クリスの東地氏のような主役級が惜しげもなく投入され、〈バイオ〉シリーズの集大成にふさわしい配役になっている。

ジェイクの浪川氏、シェリーの坂本氏の起用も抜け目ない。今やどちらも押しも押されもせぬアイドル級で、バランスも欠くかなと思わせながらも、実際はぴったりハマっているという不思議。

エイダの皆川氏は、英語版以上の“色気”を加味した演技を見せている。ムービーをちょっとつまみ食いしただけで、それがわかった。これからじっくり本編をプレイしてみることにしよう。

個人的に着目したのはヘレナの佐古氏だ。『フルハウス』のミシェル役でおなじみオルセン姉妹の出演するドラマ『ふたりはお年ごろ(So Little Time)』で、メアリー・ケイト・オルセンを演じている。だから、少女のイメージが強かったのだが、本作品ではオトナの渋い演技を見せている。(ちなみに、その『ふたりはお年ごろ』で、アシュリーを演じているのが坂本真綾氏である。)

今や日本語版搭載は必須の時代

優れたゲームほど、日本語版の搭載にこだわる。それも海外で制作されたゲームでだ。

日本語版の搭載を一般的には「ローカライズ」といい、今や必須の要素であるという。

人類のうち80%は英語を話さない(話せない)

英語とオランダは姉妹のような関係で、スカンジナビア語とは従兄弟のようなものなのだそうだが、ではオランダ人とスカンジナビア人が英語が分かるかというと、答えはNOになるという。

ゲームのローカライズ版の売上というものは、全体の売上の33%~70%にもなるという。

「ゲームの音声は、英語が超クール」みたいな時代は終わった

『バイオ』の続編ではこんなことがないよう、開発者の方々には上記の記事を熟読のうえ、ご検討いただきたい。

夜見野レイ

夜見野レイ

このサイトでは、ホラー作品のレビューを担当。幼いころ、テレビで最初に観た映画がホラー作品だったことから無類のホラー好きに。ガールズラブ&心霊学園ホラー小説『天使の街』シリーズをセルフパブリッシングで執筆。ライターとしては、清水崇・鶴田法男・一瀬隆重・落合正幸・木原浩勝の各氏にインタビュー経験を持つ(名義は「米田政行」)。

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コメント

    • ぜろなみ
    • 2016.09.17 5:25pm

    こぉんにちわー!
    お久しぶりです!!

    ぎゃふん工房さん、未だにサイコブレイクが一番の人気記事ですね!
    それだけ共感、気付きを得られる分析内容だったのでしょう!!
    早くサイコブレイク2の話題を読みたいモノですw

    さて!ぎゃふんさんの記事を見てたら、2013年にこんな素晴らしい記事があったのですね!^^

    日本語版と英語版の吹き替え必須の時代!!これはまさに声優重要論のぎゃふんさんらしい切り口です!!
    ゲームのキャラクターがフルで喋るだけで感動した頃から思考が停止してたボクにも電流が走りました!!

    バイオハザードはそれこそ、1では英語圏俳優陣による実写が組み込まれていただけに
    英語の演技に拘りがあるのかな?と、思っていたのですが、今やその拘りを許さない程の
    社会的地位を築いてしまったのですな バイオハザード・・・!

    さて日本語版声優陣について

    レオンの森川さん、文句なしですね いまやトム・クルーズといえば彼というイケメン声優の地位を確立した
    森川さん、何の違和感もありませんでした あれ?4もこの声じゃなかった??と思う程です!w

    クリスの東地宏樹さん! 実写バイオがまさかのプリズンブレイク主人公起用でしたからね!
    実写ではイメージ通りでしたが
    ゴリラネタまで定着した、マッチョマンクリスは・・・・と思いましたが
    無用の心配でしたね!
    まあ、ベストか!!と言われれば他にも候補は自分の中に居ますが、問題ありません
    むしろ 自分には出来ない意外性と親和性の高い起用でしたお見事です。

    ジェイク・ミラー → 浪川大輔
    シェリー・バーキン → 坂本真綾

    これもピッタリだった!
    ジェイクはもっとゴツイだろ!と、浪川さんに爽やか痩せ型イケメンイメージの強い自分がいましたが
    まあ、ジェイク自体が初登場キャラだったので早くに慣れてしまいましたw

    シェリーの坂本真綾、ボクならそうするやろな・・・10年間 構想していましたが
    その通りになりました。 これはまあ運命ですね。
    懸念は、真綾さんは既に ライトニング パライヴのアヤ エアリス アイギスなど
    若干ゲーム界のメジャーどころをやり過ぎ感があることですが、まあ作品に馴染む声に定評のある
    真綾さんなので流石でした。

    エイダの皆川さん!
    これはなかなかボクの中でのハードル高し、だったのですが 見事に超えられてしまいましたねw
    既に、少年役に強いイメージがある声優さんなので
    バイオのトップクラスのお色気キャラエイダは・・・と思ったのですが無問題でした
    ベストかといえばボクの中で、長い事エイダを務めてくれた伊藤美紀さんがいたのですが無念です・・・(´-ω-`)

    バイオハザード2リメイクの日本語版も楽しみです!
    今より若いということで、レオンやシェリーは変更があるかもですね
    ハンクや新キャラ、武器屋の親父さんなど期待です!!

    予言としましては、ベン君は平田さん
    レベッカ(出れば)日笠さんになることでしょう!(希望)

    クレアはもちろん甲斐田さんですが!!w

    また長く失礼しました!!!!!

    • ぜろなみさん、こんにちは。

      『サイコブレイク』の記事がこれほど多くの人に、それも長期にわたって読んでいただけるとは全く予想していませんでしたね。とくに気合を入れて書いたわけでもなく、ほかの記事と同じように想いを綴っただけなんですけどね(笑)。世の中なにが起こるかわからないものです。

      今回は、この記事にご注目いただきありがとうございます。

      『バイオハザード』1作目は、「英語だけでなくじつは日本語ボイス収録も行なった。カッコ悪かったのでボツに」したと三上真司氏が書いていましたが、『サイコブレイク』では日本語吹き替えがデフォルトなので、どういうお考えの変化があったのか知りたいところです。

      レオンの森川さんは、おっしゃるとおりベストな配役ですね。ただ、『4』『6』は適役だと思うものの、『2』に限っては(すでに『オペレーション・ラクーンシティ』で実際に耳にしていますが)、やや違和感がありますね。

      クリスの東地さんは、私の場合、マイケルというより『アンチャーテッド』のネイトのイメージです。超人ぶりも似ていますし。

      エイダは、ドラマCDで、先日亡くなった水谷優子さんが演じていましたが、全然合っていませんでした。実写映画の『バイオハザードV リトリビューション』では、岡本麻弥さんでしたが、これも違う(笑)。やはり、皆川純子さんが日本で考えうる最高のキャスティングですね(私は未見ですが、テレビ朝日版『バイオハザードV リトリビューション』は皆川さんのようです)。

      伊藤美紀さんも、たしかに『バイオ』に出ていただきたい声優さんですね。でも、『バイオ』に女性キャラって残っていませんね。シェバはイメージと違いますし、アレクシアぐらいですかね。

      ハンクは、『オペレーション・ラクーンシティ』では、てらそままさきさんですが、これは良かったです。シェリーは、金元寿子さんで悪くはないですが、坂本さんの少女声が聞きたくもありますね。

      そういえば、『バイオハザード7』は最初から日本語ですね。こちらも期待です。

      このたびはコメントありがとうございました。またよろしくお願いします。

ぎゃふん工房(米田政行)

ぎゃふん工房(米田政行)

〈ぎゃふん工房〉はフリーランス ライター・米田政行のユニット〈Gyahun工房〉のプライベートブランドです。このサイトでは、さまざまなジャンルの作品をレビューしていきます。

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