酒井順子『着ればわかる!』でなにがわかる!?

酒井順子さんはぼくの好きな書き手のひとりなので、その名を見かけたら、つい手に取ってしまいます。

本作は、酒井さんがセーラー服、自衛隊、宝塚、巫女なんかの格好をするというもの。まあ、とどのつまり「コスプレ」です。

といっても、その“コスプレ”をしたグラビア写真が載っているわけではなく(実際に着たという「証拠写真」は巻末に掲載)、それぞれの衣装の〈真実〉に迫る内容となっています。

そもそも軍服だったというハードな出自を持つ上半身に、ちょっと風が吹けばすぐにめくりあがるプリーツスカートの下半身という、組み合せの妙。胸のスカーフは、女学生の清純さや貞操といったものを守るために結ばれているようなものでありながら、ちょっとひっぱればすぐに解けてしまいそうなものでもある。そしてキリッとした紺と白の配色なのに、胸の部分だけが無防備だったり、腹がチラ見えしたり……と、もしそれがテクニックだとしたら功名すぎると言ってもいいでしょう。

いや〜、こんな露骨なこと、ぼくみたいなオッサンが書いたらただの変態だしキモイだけですが、有名な女性ライターが書いた文だと、「ふむふむ」とうなずきながら、安心して読んでいけるのがポイントです──いや、おっさんだと、そもそもセーラー服を着ることすら難しい(やってやれないことはないけど、意味が違ってしまう)。

もちろん、こんなふうに、ことごとく“エロ”い分析をしているのでなく、それぞれの職業について、衣装の着方のほか、心構えや業務上のテクニックなども語られており、“職業覗き見”的なおもしろさもあるわけです。

酒井さんの著作が好きな人はもちろん、そうでない人もぜひ一度ご覧いただきたい一冊です。

  • コメント: 0

ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街』のオフィシャルサイト開設!

『映画館のまわし者』で知った映写技師の意外な仕事

関連記事

  1. もしも日野瑛太郎『脱社畜の働き方』を自分の部下が…

    日野瑛太郎『脱社畜の働き方〜会社に人生を支配されない34の思考法』 を読んだ…

  2. 近未来を舞台にした藤井太洋『UNDER GROU…

    その名のとおり「地下経済」をテーマとしたSF小説。2018年という近未来を舞…

  3. 『ジョジョ』第4部の名言

    仕事で成果が上がる! 『ジョジョ(第4部)』の名…

    この春、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』(第4部)のアニメが…

  4. 『フェイクドキュメンタリーの教科書』

    『フェイクドキュメンタリーの教科書』で白石晃士監…

    〈コワすぎ!〉シリーズや『ノロイ』『オカルト』『カルト』といったホラー映画の…

  5. 『銀幕の声』

    【敵情視察】水瀬ハルキ『銀幕の声』から正しい娯楽…

    映画を観ていると、スクリーンの端に少女の姿が映る。映画の筋には関係がなく、…

  6. make-your-blog

    倉下忠憲『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』…

    セルフ・パブリッシングの本を分析し、おいしいところを頂戴インスピレーションを…

  7. 鈴木輝一郎『新・何がなんでも作家になりたい!』の…

    セルフ・パブリッシングで小説を書いている者として、勉強のために『新・何がなん…

  8. 『かーそる』

    電子雑誌『かーそる』とは良い名前をつけたもんだ

    『かーそる』は、セルフ・パブリッシングの電子雑誌だ。同誌の「創刊にあたって」…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


このサイトは……?

映画・音楽・ゲーム・本など、いろいろなジャンルの作品をみなさんといっしょに楽しむ〈ネタバレなし〉ブログです。

フリーランス・ライターのユニット〈Gyahun工房〉が趣味を全開にしてお届けしています。

おすすめの記事

  1. クロユリ団地
PAGE TOP