日本のおすすめホラー映画をお探しの人へ最恐の10選[1/2]

「ホラー映画を観たいけど、どれを選べばいいかわからない」「日本のホラーが一番怖いっていうけど、どんだけのものなの?」。そんなあなたのために、日本のホラー映画を厳選して紹介しよう。

10~15年前の作品が中心だが、どれも国内外で評価の高いものばかり。だから、自信を持っておすすめできる。ぜひ参考にしてほしい。

1.素人・玄人向けの2種類ある〈呪怨〉シリーズ

日本のホラー映画で、世界的にもっとも知られているのがこの〈呪怨〉シリーズだ。

「伽椰子」と「俊雄」という2人の幽霊にまつわる物語が展開していく。

この作品の特徴は、ストーリーの時間軸がバラバラになっていること。たとえば、死体を発見する場面の直後に、その人物がどうやって死んだのかを描写する、といった具合だ(映画『パルプ・フィクション』や、ゲームの『SIREN』をイメージしていただくとわかりやすい)。

このシリーズは、「ビデオオリジナル版」「劇場版」「ハリウッド版」が制作されている。それぞれ「ホラー初心者向け」「ヘビーユーザー向け」の2種類がある点に注意したい。

たとえば、ホラー映画好きの人が「初心者向け」の作品を観ても満足できない恐れがある。逆に、ふだんホラーを観ない人が、いきなり「玄人向け」に手を出しても、ギャグとしか思えず、やはり楽しめない可能性があるのだ。

これは、「恐怖」と「笑い」の感情はつねに隣り合わせであるのが原因だ。ホラー映画は、作品ごとにこの両者の境目を行ったり来たりしているわけだ。

〈呪怨〉シリーズの場合は、以下のように大別できる。

素人向け

  • 『呪怨 劇場版』(邦画版の第1作)
  • 『THE JUON/呪怨』(ハリウッド版の第1作)
  • 『呪怨 パンデミック』(ハリウッド版の第2作)

玄人向け

  • 『呪怨 ビデオオリジナル版』(ビデオ版の前編)
  • 『呪怨2 ビデオオリジナル版』(ビデオ版の後編)
  • 『呪怨2 劇場版』(邦画版の第2作)

幸運なことに、〈呪怨〉シリーズは、各作品でストーリー上のつながりがない(あっても希薄)。したがって、どれから見始めても物語が理解できなくなることはない。

まずは、自分の「ホラー耐性」を見極めたうえで、最初に観るべき作品を判断しよう。

“心霊実話モノ”の原点『呪怨 ビデオオリジナル版』『呪怨2 ビデオオリジナル版』

[1999年/監督・脚本:清水崇/出演:栗山千明・三輪ひとみ・三輪明日美・大家由祐子]

初っぱなから「映画」でなくビデオ作品をご紹介する。ホラー好きには必ず一度は観てほしい作品なので、お許しいただきたい。

(フィルムではなく)ビデオカメラで撮影されているのは大きなポイントだ。ビデオカメラ独特のライブ感が「日常生活のすぐそばにある恐怖」を描き出しているからだ。

注意点がひとつ。2つの作品は、前編・後編として物語がつながっている。ただし、『2』の冒頭の約15分間は、無印の終盤と重複している。元々別の商品だったためだが、非常にわかりにくい構成になっている。

〈呪怨〉の入門編として最適な『呪怨 劇場版』

[2003年/監督・脚本:清水崇/出演:奥菜恵・伊東美咲・上原美佐]

先に述べたように、これは〈呪怨〉を初めて観る人に勧めたい作品。恐怖度はやはりビデオ版には劣ってしまう。

とはいうものの、映像はフィルムならでは貫録を持っている。日本のホラー映画の伝統的な恐怖に立ち戻ったと考えることもできる。そこは評価ポイントといえる。

ジャパニーズ・ホラーの頂点に立つ『呪怨2 劇場版』

[2003年/監督・脚本:清水崇/出演:酒井法子・新山千春・堀江慶]

前作は劇場版という性格上、より多くの人に観てもらう必要があった。ビジネスの方向性がビデオ版とは異なっていた。だから、恐怖演出は控えられていた。

その貯まっていたフラストレーションがこの続編で爆発する。

ホラーを見慣れている人ほど震え上がる。まさに監督の思惑通り。トリッキーな演出法によってまんまと騙される。それが心地よい。

文句なく、ジャパニーズ・ホラーの頂点に立つ作品だ。

ふつうのホラー映画として充分楽しめる『THE JUON/呪怨』

[2004年/監督:清水崇/出演:サラ=ミシェル=ゲラー]

先に、ハリウッド版は「素人向け」に分類した。つまり、恐怖度は劣ると述べた。それは、ビデオ版や劇場版第2作(邦画)と比べた場合の話だ。ひとつのホラー映画として、もちろん上質の恐怖感を楽しめる。

日本のホラーをハリウッドでリメイクすると、怖くなくなってしまう場合がほとんど。しかし、この作品は清水崇監督が自らメガホンを取っている。だから、これも純正な〈呪怨〉であることは間違いないのだ。

いろいろ明らかになる『呪怨 パンデミック』

[2006年/監督:清水崇/出演:アンバー=タンブリン]

この作品では、伽椰子の生い立ちが明らかになる。これは痛しかゆしだ。なぜなら、〈呪怨〉の魅力は、「わけもわからず呪われてしまう」点にあったから。呪いの条件に説明がつくと、興ざめしてしまうのだ。

元々は清水監督の自主制作作品だった〈呪怨〉。それがハリウッド映画のヒット作にまで上りつめた。これだけでも〈呪怨〉のファンは感涙もの。

「素人向け」に分類しているものの、ヘビーなホラーファンにもぜひご覧いただきたい。

※ハリウッド版は第3作目も制作されているが、清水崇は監督していない。

2.個人的にはこれが最恐『女優霊』

 [1996年/監督:中田秀夫/脚本:高橋洋/出演:柳ユーレイ・白島靖代・石橋けい]

映画の撮影所に出没する幽霊にまつわる怪事件。

個人的に30年以上ホラー映画を観てきたが、これより怖い作品を知らない。『呪怨2 劇場版』と双璧をなす恐怖度だ。

中田秀夫&高橋洋コンビの作品は、下で挙げている『リング』のほうが有名。しかし、「不気味」「気持ち悪い」という点で、こちらの作品に軍配を上げる。

また、あまり注目されないが、劇中で撮影している「映画」や、現場の描写がすばらしい。白島靖代、石橋けいといった女優陣の演技も素敵。

ホラーというより一本の娯楽映画として充分に観られるのが特徴だ。

3.有名すぎる貞子が登場する『リング』

[1998年/監督:中田秀夫/脚本:高橋洋/出演:松嶋菜々子・真田広之]

見ると死ぬと言われている「呪いのビデオ」にまつわる物語。

名実ともに日本のホラーの代表作。もはや説明不要だろう。「貞子」を知らない人はいないはずだ。

原作の『リング』はまったく怖くない(というより、怖さの種類がちがう)。でも、この映画版は、原作に忠実でないことで成功している。

ホラー初心者・ホラー好きを問わず恐怖感を覚える傑作だ。

*4番目以降の作品は下のページで紹介しています。

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コメント

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  • コメント (6)

    • 匿名
    • 2015年 5月 24日

    ただの呪怨推しじゃねえか。おまえ監督だろ

  1. 今は〈コワすぎ!〉推しです。

    • 匿名
    • 2016年 4月 28日

    監督ならこんな程度の素人レベルのレビュー書かないだろ。

    • こんな「素人レベルのレビュー」がなぜかアクセス数を稼いでいます。検索でも上位です。

    • 匿名
    • 2016年 10月 19日

    もっと人に知られてない物紹介してください

    • コメントありがとうございます。

      そうですね。そのほうがブログの記事にする意義があるかと思うのですが、なかなかマイナーな作品を観る時間が取れないという事情もありまして(笑)。

      コワすぎ!」「封印映像」「闇動画」あたりは「人に知られていない物」になるかな?とは思うのですが、これもメジャーですかね?

      これからもよろしくお願いします。

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