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おすすめ5大ホラーゲームシリーズの最後のひとつが決まらない

ホラー

「ホラーゲームをやってみたいけど、どれから始めればいいのかわからない」「名前だけは聞いたことあるけど、どんなゲームか知りたい」

そんなあなたのために、おすすめホラーゲームを紹介する。

もちろん「ホラーゲーム」といっても星の数ほど存在する。今回は、

  • シリーズ化されている(それだけ人気がある)。
  • ゲームとして良くできている。楽しめる(単に「怖い」「びっくりする」だけではない)。

という観点から選んでみた。

そのため、やや凡庸なラインナップになってしまったかもしれない。逆に言えば、それだけ盤石ということでもある。

今回は、それぞれの概要、魅力、初心者へのアドバイスをざっくりとまとめてみた。各作品への掘り下げは別の機会にしたい。

また、個人的なゲームライフの関係で、取り上げる作品は国内の据え置き機のタイトルが中心となっている。この点もお断りしておきたい。

1.ゲームジャンルの違いに注意したい〈バイオハザード〉

名実ともに、ポピュラーなホラーゲームシリーズのひとつ。最近では酷評されることもあるが、それだけ発売前の期待が大きいということでもある。

ゾンビに代表される「人の形をしたモンスター」を撃退していくゲームだ。

数多くの作品が制作されているが、物語の本流となるナンバリングタイトルに注目してみる。すると、今と昔でゲームジャンルが異なっている。

具体的には

  • 昔 → アドベンチャー → 『バイオハザード(無印)』『2』『3』『ベロニカ』
  • 今 → シューティング → 『4』『5』『6』

となる。

では、「アドベンチャー」と「シューティング」の違いはなんだろうか。

それは、「敵に狙いをつける必要があるかどうか」だ。

昔の〈バイオ〉は「アドベンチャー」だ。銃を構えれば自動的に敵に狙いが定まり、ボタンを押せば確実に弾が命中する。つまり、素早い複雑な操作は要求されない(ただし、敵に遭遇して何もしないとダメージを受ける。だから、遅かれ早かれアクションを起こす必要はある)。

したがって、あまり射撃の爽快感を得ることはない。それよりも、ゲームの核となるのは「探索」だ。

まさに“そこを歩く恐怖”。ゲーム進行に必要なキーアイテムを見つけるため、異形が徘徊するフィールドを探索する。これが昔の〈バイオ〉シリーズの醍醐味だ。

一方、今の〈バイオ〉は「シューティング」となっている。自分で狙いを定め、的確に敵の弱点を射撃しなければならない。もちろん、敵もよろこんで的になってくれるわけではない。巧みに身をかわし、反撃してくる。そのぶん、こちらの攻撃が命中したときの爽快感もひとしおというわけだ。

基本的に「探索」は必要ない。一本道なので迷うことも少ない。道中に現れる敵たちを情熱のおもむくまま撃破していけばいい。

今や〈バイオ〉は、老若男女がプレイするシリーズだ。これが意味するのは、ようするに「誰でも楽しめる」ということ。けっして難しいゲームではない。操作に慣れ、コツをつかんでしまえば、誰でもクリアまでたどり着ける。

2.異様な世界観が心に入り込む〈サイレントヒル〉

『バイオハザード』の第1作目が登場したとき、たくさんのフォロワー的なゲームが発売された。この『サイレントヒル』もそのひとつ。しかし、今でも続く人気シリーズとなっている。ほかの〈バイオ〉の亜流作品に抜きんでていたからだ。

〈バイオ〉と大きく異なる点は、その“異様な世界観”だ。まさに悪夢とか狂気の中に入り込んでしまった感覚。これが〈サイレントヒル〉シリーズの魅力となっている。

ゲームとしては、〈バイオ〉でいうところのアドベンチャーだ。射撃の爽快感より、悪夢の中を徘徊する恐怖を得られる。その闇に飲まれる感覚がいつしか快感に変わっていく。

世界観が独特であるため、「探索」の難易度がやや高い。少し頭をひねらないと、先に進めないようになっている。これも〈バイオ〉にはない特長だ。

早急に答えを求めず、じっくりと考え込む忍耐力があるならば、必ず道は開かれる。困難を突破したときの達成感を味わってほしい。

3.幽霊たちに同情してはいけない〈零〉

かつて恐るべき“秘密の儀式”が執り行われた村。そこに迷い込んでしまった少女たちが幽霊に襲われる──。

言ってしまえば、これも〈バイオ〉の亜流だ。〈バイオ〉のアドベンチャーとシューティング両方の要素を兼ね備えている。

しかしながら、「心霊写真を撮って除霊する」というゲーム性がこのシリーズを魅力的なものにしている。

心霊写真を撮影するカメラ(射影機)を構える。幽霊に狙いを定め、シャッターボタンを押す。これはシューティングの手順そのもの(そもそも英語のshootが「撮影する」という意味だ)。

そして、幽霊がはびこる広大な屋敷を主人公たちが彷徨う。これがアドベンチャーの部分。探索をしていくうちに明らかになる驚愕の真実。このゲームの恐怖のキモだ。

ゲームをプレイしながら、良質な文芸作品を読んでいるのかと錯覚する。無残に殺された人々の恨みが画面の裏側に渦巻いている。それを読み解いたときに心に去来するのは、恐怖というより切なさや哀しさだ。

幽霊たちに(精神的に)引きずりこまれないよう、心に余裕があるときにプレイすることをおすすめする。

4.怖がりながら解くパズルゲーム〈サイレン〉

永遠の命を得た〈屍人(しびと)〉。村人たちがこの〈屍人〉となって主人公たちに襲いかかる。

このゲームには独特のシステムが採用されている。それが〈視界ジャック〉と呼ばれるもの。敵の視界を見る(盗み見る)ことができるのだ。そこから得られる情報をもとに、戦略を組み立て、ゴールをめざす。

武器を手にとり敵と戦って撃退する。それができる場面は限られている。

プレイの中心となるのは、〈視界ジャック〉を駆使して、敵に見つからないように進んでいくことだ。そのために、敵の行動パターンを、じっくり時間をかけて把握する必要がある。敵はフィールド内に複数いるから、一筋縄ではいかない。しかし、制作者によって、必ず穴が作られている。盤石に見える敵の守りも、どこかに隙がある。そこを見極める。

つまり、このゲームはアクションでもシューティングでもなく、パズルゲーム。そのほうが実態に近い。

異様に難易度が高いのも特徴だ。個人的なゲームライフの中でも、3本指に入る難しさだ。

自力で解くことも不可能ではないが、制作者はネットを活用し、プレイヤー同士で謎を解き合うことを想定している。だから、行き詰まったらググっていい(ただし、おもしろさは半減するので、なるべく見ないほうがいい)。

プレイ中に感じる焦燥感と緊張感。それらが恐怖のエッセンスだ。これは病みつきになる。

最後のひとつに迷う

ここまでは、おすすめホラーゲームとして、誰もが納得するラインナップになっていると思う。前回の冒頭に挙げた「人気シリーズである」「怖いだけでなくゲームとして楽しめる」の条件もクリアしているはずだ。

しかし、「5大ホラーゲーム」といったときの、5つめが決まらない。

いくつか候補はある。それを挙げてみよう。

〈バイオショック〉シリーズ

舞台は海底に作られた巨大都市。そこでは科学が発達し、人々は自分の肉体を改造して生活に役立てていた。しかし、法や倫理は働かず、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開する──。

現在、3作目まで制作されており、FPS(シューティング)としてゲームの完成度が高い。しかし、制作者もプレイヤーも「ホラー」だとは思っていない。だから、ラインナップからはずした。

とはいえ、人々が悪意を持って襲いかかってくるのは、恐怖以外の何ものでもない。ホラーに分類していいのではないかと思う。

〈コンデムド〉シリーズ

猟奇殺人の容疑者を追い求めるサスペンスホラー。知られざる名作で、恐怖度はホラーゲームの中でも1位2位を争う。

2つの作品がリリースされているが、2作目は日本版が発売されていない。残虐であるというのが理由らしい。これだけでも傑作ホラーであることを予感させる。

しかし、2作目が日本版ではないので、「シリーズ」とはいえない。そこでラインナップからはずした(2作目は個人的にも未プレイである)。

〈デッドスペース〉シリーズ

宇宙船の中で異形と化した乗組員が襲いかかる。限定空間で、息が詰まるような感覚が持続する。宇宙船の内部という設定を活かしたギミックも素晴らしい。

このシリーズも日本版が発売されていない(3作目は海外版が日本国内でリリースされた)。したがって、個人的にも未プレイだ。

プレイ動画を見る限り、傑作ホラーであることに間違いはないが、上記の理由でラインナップに入れていない。

ホラーゲームは必ず自分でプレイしよう

ニコニコ動画の実況プレイなどで、「ゲームを見る」というのが流行っている。個人的にも観ている。でも、やはりゲームは自分でプレイすることに価値がある。

もちろん、今回挙げたのは「観てるだけでも怖い(楽しい)」ゲームばかりだ。だが、実際にプレイしたときの恐怖度は比較にならない。

自分でコントローラーを握ることで、極上の恐怖体験を得られるだろう。

夜見野レイ

夜見野レイ

このサイトでは、ホラー作品のレビューを担当。幼いころ、テレビで最初に観た映画がホラー作品だったことから無類のホラー好きに。ガールズラブ&心霊学園ホラー小説『天使の街』シリーズをセルフパブリッシングで執筆。ライターとしては、清水崇・鶴田法男・一瀬隆重・落合正幸・木原浩勝の各氏にインタビュー経験を持つ(名義は「米田政行」)。

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〈ぎゃふん工房〉はフリーランス ライター・米田政行のユニット〈Gyahun工房〉のプライベートブランドです。このサイトでは、さまざまなジャンルの作品をレビューしていきます。

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