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キンドル作家の作品を“敵情視察”してみた

ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街』をAmazon KDPやiBooksにおいてセルフ・パブリッシング(自己出版)で販売しようと企んでおります。では同じようにセルフ・パブリッシングをしている作家さんの作品はどんな感じなのか。『天使の街』になんとなく方向性が近い気がする本を3冊選び“敵情視察”してみた。

この記事はぎゃふん工房の作品レビューから移植したものです。

ヘリベマルヲ『Pの刺激 – Punk is UnknowN Kicks -』

若者が主人公で、日常のなかに非現実的な描写が入り込んでくる、という点で『天使の街』と似ている。

 社会の“危ないところ”を綱渡りで渡っていくような、まさしく“刺激”的な文体が魅力。

膨大な情報量が怒濤のように脳に直に流れ込んでくる感覚は電子書籍ならでは。『GeneMaaper』にも通じるものがある。

あえて、自分の好みを言わせてもらうならば、ときどき切り替わる女主人公からの視点は不要だったのではないか、また“特殊能力”がもっと早く(たとえば冒頭)から登場していればよかったのではないか。そうすれば、もう少しわかりやすくなったのかもしれない。「わかりやすい」のがいいことだとすれば、だけど。

日野裕太郎『いつもの夕餉』

日常を舞台にした心霊ホラーという点が『天使の街』と共通する。

最後にどんでん返しが待つ短編。ネタは誰もが思いつかなかった画期的なもの、というわけではないが、短編ホラーならでは語り口であっという間にラストまでもっていかれる。「してやられた」感が心地よい。

いつもの夕餉
日野 裕太郎

皮算積人『魔法中年っ!』

女子校が舞台で、ガールズ・ラブ要素が入り、非現実的なシーンも展開するという意味で、今回読んだ3冊のなかで『天使の街』にもっとも近い作品。

厳密に言えば、主人公は“おっさん”なので、純粋なガールズ・ラブではない。この設定なら、いくらでもトリッキーな方向性にもっていけるのに、きちんと学園モノのフォーマットに落とし込んでいるのが効いている。

娯楽作品としての完成度はきわめて高い。

魔法中年っ!
皮算積人

傑作はまだまだあるよ

今回はあくまで“敵情視察”としてのご紹介となる。もちろん、セルフ・パブリッシングの作品にはまだまだおもしろいものがそろっている。興味がわいたら、ぜひチェックしてみてほしい。このブログでも引き続き紹介していくつもりだ。

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