『まんが道』はすべての人の〈バイブル〉だ

『まんが道』は藤子不二雄A氏が自身の半生を描いたもの。藤子不二雄A氏を知らない人のために説明……ってそんな人はいませんね。

なぜいま『まんが道』を取り上げるかというと、最近『まんが道10 (GAMANGA BOOKS) 』(小学館)を読んだからです。

じつはウチには『愛蔵版 まんが道』全4巻(中央公論社/現:中央公論新社)があり、この『まんが道10』がちょうどその続きなのです(『愛蔵版 まんが道』全4巻の内容は『まんが道 (GAMANGA BOOKS)』1〜9に収められています)。

『愛蔵版 まんが道』は25年以上前に読んだ作品で、それ以来、私の人生の〈バイブル〉になりました。

「なんとかの〈バイブル〉」という表現はよくありますが、そこでいう〈バイブル〉の意味は、まさしく〈聖書〉、つまり「毎日のように読んで人生の糧にするもの」ということでしょう。さすがに毎日ではありませんが、ときどき思い出したように取り出しては、読み込んでいます。

本作品で描かれているのは、まだ漫画家の卵だったころの藤子不二雄であり、赤塚不二夫であり、石ノ森章太郎。つまりは漫画界の〈神〉がまだ〈人〉だったころの様子を覗き見するおもしろさがあるわけです(そのときすでに〈神〉だった手塚治虫も登場します)。

また、その一方で、作品作りに取り組む若きアーティストたちの喜びと苦悩も描かれており、(馬鹿のひとつ覚えのようで恐縮ですが)“自称・小説家”として、とても興味深く読み進めることができます。

いや、作品づくりをめざしている人だけではありません。プロの漫画家になる前、主人公はサラリーマンをしており、「仕事とはなにか」の“教科書”のような内容も含んでいます。

会社へ勤めるということは
ただ仕事をしているだけではすまない
会社という組織には
いろいろな人がいる
そういう人たちとも
うまく協調していくのも
月給のうちなのだ!

だから、『まんが道』はすべての人の〈バイブル〉なのです。

ちなみに、今回買った第10巻は、「春雷編」と呼ばれる章です。その前までに展開していた“大スペクタクル”と比べると、穏やかな(悪く言えば「退屈」な)印象を受けるのですが、でも「あのあとどうなったの?」を確認できるという意味で、読みごたえは十分です。

映画『キャビン』の感想を〈ネタバレ〉なしで書く

島袋寛子『私のオキナワ』は1日1曲ずつ聴こう

関連記事

  1. キンドル作家の作品を“敵情視察”してみた

    ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街』をAmazon KDPやiBook…

  2. 下流老人

    あなたも私も『下流老人』になる

    「下流老人」という言葉を知っているだろうか? 「普通に暮らすことができない …

  3. 武論尊『原作屋稼業 お前はもう死んでいる?』であ…

    みなさんは著者の武論尊氏をご存知でしょうか? ぼくらの世代なら知らない人はい…

  4. ブログの記事をまとめた本『ぎゃふん5』の電子書籍…

    あけましておめでとうございます。この「ぎゃふん工房の作品レビュー」も今日で1…

  5. 『新黒沢』は男の本能に忠実な最強の男

    チャック・ノリスと同様、僕らのヒーローであり、そして最強の男である黒沢。前作…

  6. 大橋巨泉『「第二の人生」これが正解!』はほんとに…

    大橋巨泉さんは、1990年に「セミリタリア宣言」をし、今は一線から身を引いて…

  7. 『ジョジョ』第4部の名言

    仕事で成果が上がる! 『ジョジョ(第4部)』の名…

    この春、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』(第4部)のアニメが…

  8. 『無責任姉妹』

    【敵情視察】アヲイ『無責任姉妹』は無責任だから誰…

    〈敵情視察〉は、セルフ・パブリッシングの本を読み、「なぜ面白いのか」を考察…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

このサイトは……?

映画・音楽・ゲーム・本など、いろいろなジャンルの作品をみなさんといっしょに楽しむ〈ネタバレなし〉ブログです。

フリーランス・ライターのユニット〈Gyahun工房〉が趣味を全開にしてお届けしています。

おすすめの記事

  1. ジョジョの奇妙な冒険の名言のイメージ
  2. 『ぎゃふん9』パート4
PAGE TOP