AKB48「恋するフォーチュンクッキー」を聴くのは今ジャナイでしょ

音楽

AKB48の楽曲を毎回購入するわけではない。前回買ったのは「ギンガムチェック」である。つまり、パキッとした曲。アップテンポの曲。それが彼女たちにはよく似合う。こう考えるわけだ。

「恋するフォーチュンクッキー」は一回聴いた限りではモッサリしている。「80年代ディスコ調」をウリにしているから、このモッサリ感はうなずける。どこか懐かしい曲ではあるが、こちとら「80年代ディスコ調」の洗礼を受けていない。だから、モヤッと感だけが残ってしまう。

──ってことは、この曲はダメってこと?

ちがう。この猛暑で聴くのにふさわしくない。それだけだ。暑さを吹き飛ばすようなガツンッとくる曲。それが今の季節にはぴったりのはず。

つまり、「恋するフォーチュンクッキー」は秋口に聴きたい。だから、「今ジャナイでしょ」というわけだ。

──と、ここまで考えて、ふと思った。

暑さ寒さも彼岸まで。もうすこしだけ我慢すれば秋がやってくる。そんな思いが我々のなかにある。

しかし──。

ここ数年、猛烈に暑い日が続いたあと、突然寒くなったりすることが多くなった。つまり、暑くもなく寒くもない、過ごしやすい「秋」というものがなくなってしまった気がする。

だからこそ──。

〈この「恋するフォーチュンクッキー」で“秋”を感じてほしい〉

それが、この曲を世に贈りだした者たちの想いだったのではないか。

残暑を吹き飛ばしたいなら、SKE48の「美しい稲妻」を聴けばいいしな。

赤根夕樹

赤根夕樹

ミュージックビデオ評論家(自称)。このサイトでは音楽系のレビューを担当。洋楽・邦楽・アニソンと、さまざまなジャンルの音楽をつまみ食いしている。名前の由来は夜見野レイの小説『天使のしるし』の主人公・赤根夕子から。

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ぎゃふん工房(米田政行)

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