AKB48の楽曲を毎回購入するわけではない。前回買ったのは「ギンガムチェック」である。つまり、パキッとした曲。アップテンポの曲。それが彼女たちにはよく似合う。こう考えるわけだ。
「恋するフォーチュンクッキー」は一回聴いた限りではモッサリしている。「80年代ディスコ調」をウリにしているから、このモッサリ感はうなずける。どこか懐かしい曲ではあるが、こちとら「80年代ディスコ調」の洗礼を受けていない。だから、モヤッと感だけが残ってしまう。
──ってことは、この曲はダメってこと?
ちがう。この猛暑で聴くのにふさわしくない。それだけだ。暑さを吹き飛ばすようなガツンッとくる曲。それが今の季節にはぴったりのはず。
つまり、「恋するフォーチュンクッキー」は秋口に聴きたい。だから、「今ジャナイでしょ」というわけだ。
──と、ここまで考えて、ふと思った。
暑さ寒さも彼岸まで。もうすこしだけ我慢すれば秋がやってくる。そんな思いが我々のなかにある。
しかし──。
ここ数年、猛烈に暑い日が続いたあと、突然寒くなったりすることが多くなった。つまり、暑くもなく寒くもない、過ごしやすい「秋」というものがなくなってしまった気がする。
だからこそ──。
〈この「恋するフォーチュンクッキー」で“秋”を感じてほしい〉
それが、この曲を世に贈りだした者たちの想いだったのではないか。
残暑を吹き飛ばしたいなら、SKE48の「美しい稲妻」を聴けばいいしな。
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