【ほんとにあった!呪いのビデオ】おわかりいただける全巻レビュー[1〜50]

「ほんとにあった!呪いのビデオ』パート1からパート50までの全巻をレビュー

心霊・投稿系ドキュメンタリーの元祖『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズ。ここではそのすべての作品をレビューしていく。とくに優れている作品は「最恐映像42選」として別途あつかっているので、ご覧いただきたい。

それぞれ恐怖度に応じて★印を付している。作品選びの参考にしてほしい。

なお、本シリーズは初期と現在とでは“心霊現象”の内容がかなり変わっている。現在の価値基準にてらすと、初期の心霊現象はどうしても恐怖度が低いため★の数も少なくなりがちだが、必ずしも作品の質が低いわけではない。

さらには、ニセモノっぽい作品については、その原因を追求し、いくつかのタイプに分類している。くわしくはこちらをご覧いただきたい

 icon-arrow-circle-down パート51以降、『Special』『ver.X』などのレビューはこちら。

 icon-arrow-circle-down 当ブログのオススメ作品を紹介する「最恐映像42選」はこちら。

もくじ

すべての映像の恐怖度がわかる〈全巻レビュー〉

パート1〜50に収録されたすべての作品を見ていこう。リリース時期は1999年から2012年。本シリーズの歴史、すなわち心霊ビデオの変遷を学べる機会にもなろう。

『ほんとにあった!呪いのビデオ』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』白い着物の女

「白い着物の女」©1999 NSW/パル企画

  • 「白い着物の女」★★★★
  • 「トンネルにて」★
  • 「墓参りの記録」★
  • 「劇団の稽古風景」★
  • 「続・白い着物の女」★★★★
  • 「結婚パーティーにて」★
  • 「事故現場にて」★
  • 「監視カメラ」★★
  • 「続々・白い着物の女」★★★★
  • 「生中継番組」★★
  • 「大学校舎にて」★★
  • 「盗撮・試着室」★
  • 「千駄ヶ谷トンネル」★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:高橋眞三樹/1999年8月22日発売]

最恐映像42選」で紹介している「白い着物の女」(★★★★)のような“本格派”から、「なにかのまちがいでは?」と思えるニセモノっぽい作品まで、パート1はバラエティに富んでいて楽しい。本シリーズは、それらを含めて“心霊映像”なのだ。

トンネルにて」(★)は、走行する車からトンネルを撮影したもの。「言われて見れば、そう見えなくもない」というシロモノだが、それはそれで興味深い映像ではある。

墓参りの記録」(★)は、墓参りの様子を映した8ミリフィルム。はっきりと〈それ〉が映る。8ミリフィルムであることを考えると、二重写しの可能性もありそうだ。

劇団の稽古風景」(★)は、演劇のリハーサルの模様を撮影した映像。はっきりとしたモノは出てこないため、心霊現象かどうかはわからない。

結婚パーティーにて」(★)は、結婚式の二次会の様子をとらえたもの。たしかに異様なモノが映るが、「なぜよりにもよってそんな場所に?」という疑念のほうが強く、恐怖を感じるまでにはいたらない。

事故現場にて」(★)は、たまたま事故現場を通りかかった投稿者が撮影した映像。たしかに〈それ〉らしきものが見てとれる。これが心霊現象だとすると、やはり「なぜそんなピンポイントなところに?」という疑問がわく。心霊現象でないとすると、光の反射が偶然そう見えるだけなのかもしれない。

監視カメラ」(★★)は、カラオケボックスにそなえられた監視カメラの記録。異界のモノの映りこみかたが味わい深く、初期の佳作のひとつ。

生中継番組」(★★)は、ローカル番組の放送中に起こった怪異。往年のジャパニーズ・ホラーの典型的な恐怖表現である。その意味ではニセモノっぽさが残るが、映像は不気味に仕上がっている。

大学校舎にて」(★★)は、深夜の大学の校舎で肝試しをしているときに異変に遭遇する。このパート1がリリースされた当時、本作をはじめて観たときは非常に驚いた覚えがある。異界のモノはあきらかにそこにいる実在感があり、撮影者たちが異変に気づき悲鳴をあげる。いまでこそありふれたパターンだが、当時は画期的だった。

とはいえ、いまあらためて観直すと、画像を壁に映写しているだけのように見える。「そう。ホンモノの霊とは、そういうものなのです」という考えも成りたつが、映写しているように見えるものは、実際に「映写している」と考えるのが合理的だろう。

盗撮・試着室」(★)は、マニアが盗撮した映像。いまいちはっきりしないうえ、これも「なぜそんなところに?」という疑問のほうが強い。

千駄ヶ谷トンネル」(★)は、心霊スポットとして知られる千駄ヶ谷トンネルで撮影したもの。スタッフが心霊スポットに足を運び、霊の姿をとらえる。「そんな、狙いどおりに撮れるわけがない」というツッコミが頭に浮かんでしまう。

パート1の最後に、おまけのような“心霊映像”が収録されているが、とくにナレーションで説明はされない。雰囲気づくりのための映像で、つまりは作りものだろう。

『ほんとにあった!呪いのビデオ2』

  • 「作業服の男」★★★
  • 「窓の外を落下する光」★★
  • 「サイドミラーに映る女の顔」★
  • 「自主映画に映った男の影」★
  • 「神社の木に浮かぶ顔」★
  • 「壁からのぞく白い影」★
  • 「踏切りに現われた足」★
  • 「事故を予知した警告の映像か…」★
  • 「子供を呼ぶ声」★
  • 「続・作業服の男」★★★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:高橋眞三樹/1999年10月22日発売]

パート2のメインとなるのが作業服の男」(★★★)だ。旅行をしているカップルが電車のなかで撮影した映像に〈それ〉は映る。

映像そのものはたいしたことない(はっきり言って、まったく怖くない)が、観た者がことごとく災難に見舞われているという恐るべきシロモノ。投稿者のまわりの人たちだけでなく、(のちにあきらかになるように)本作の視聴者にまで怪異が拡散する。そのため、怪談として凄みがある。まさしく「呪いのビデオ」というわけだ。

「もしかしたら自分も呪われるかも」と素直に怖がっておくのが本作の正しい楽しみかただが、あえて野暮なツッコミを入れるなら――。

体調を崩す、怪我をするなど、映像を観たあとになんらかの異変が生じる人は、確率的に必ず存在するだろう(存在しなければ、むしろ不自然)。たとえそれが本作の影響でなかったとしても、関連がないことを科学的に証明できない以上、映像と結びつけて考えてしまうはずだ。そういう人たちの事例を集めていけば、あたかも「呪い」が存在するように見えるわけだ。

たとえるなら、インターネットで検索機能を使って、都合のよい情報を集めているようなものだ。

本作に映る不可解な人物の素性は、『Special』の「続・作業服の男」であきらかになる。それをふまえると、これほどまで多くの人に影響を与えるとは考えにくいのだが……。

「もしかしたらこじつけかもしれない」と考える余地が本作に残されているのは、もちろん制作者の意図だろう。そうすることで、「ほどよいリアリティー」が生まれる。なかなか凝ったつくりの一編といえる。

窓の外を落下する光」(★★)は、修学旅行で泊まった旅館で撮られた映像。確実になにかが落ちているように見える現実感がよい。その場所のも合わせて考えると、少しだけ寒気がする。

サイドミラーに映る女の顔」(★)は、ビデオカメラの試し撮りをしているときにとらえられたモノ。絵に描いたような心霊映像といった趣で、可もなく不可もなくといったところ。

自主映画に映った男の影」(★)は、青春モノの映画を撮影しているときに異変が起こる。これもしっかりと〈影〉が映っている。あまりに自然で、合理的に説明のつくものなのではないかとすら思える。投稿者が映画サークルの学生であることを考えると、じつはトリックだったのではないかとも邪推してしまう。

かりに心霊現象だとして、現われたモノは〈霊〉の影なのか、それとも〈影〉そのものが本体なのか。

また、本題と別に大学の校舎の雰囲気もいい味を出しており、そこも見どころかもしれない。

神社の木に浮かぶ顔」(★)は、犬の散歩をしているときに立ち寄った神社で撮影されたもの。ただ林を映したとしか思えない映像の一部を切りとって、「ここに奇妙なモノがっ!」と言われても観る側は困惑するしかない。

壁からのぞく白い影」(★)は、道を歩く友人たちを映した映像。パート1の「大学校舎にて」に現われたモノに似ている。おなじ〈霊〉がまったく別の場所に出現した――ということなら怖いが、実際は素材を使いまわしているのだろう。

踏切りに現われた足」(★)は、自殺が相次ぐ踏切に設置された監視カメラがとらえた現象。投稿映像そのものは怖くないが、スタッフの取材によってあきらかになる怪異の背景が凝っている。

事故を予知した警告の映像か…」(★)は、河原でバーベキューを楽しむ様子がとらえられている。被写体の体の一部が消えるが、消えかたが微妙。「警告」というのも後づけで、結局は事故を起こしているのだから、「警告」になっていなかったことになる。

子供を呼ぶ声」(★)は、妻と子どもが遊んでいる光景を撮影。はっきりと〈声〉が聴こえる。ということは、やはり実際にその場にいた人が発したものなのでは?(だれもいなかったというのは、投稿者の証言しかない)

『ほんとにあった!呪いのビデオ3』

  • 「野球場に現われる少年」★
  • 「車の窓にはりついた手」★
  • 「運動会の8ミリフィルムに…」★
  • 「闇に浮かぶ男の顔」★
  • 「心霊写真が撮られた現場にて」★
  • 「屋根裏にうごめく人の顔」★★
  • 「カップルを見つめる女の横顔」★
  • 「いるはずのない男の声」★
  • 「ビデオレターから見つめる目」★
  • 「4人いる」★★
  • 「仏壇の遺影の顔が…」★★
  • 「襲いかかるラップ音」★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:中村義洋/1999年12月22日発売]

パート3は、「おや?」と思わせる作品は2〜3つほどあるものの、全体的には小粒な印象。早くもシリーズの低迷期に入った観もある。

野球場に現われる少年」(★)は、野球の試合を撮影した映像に不可解なモノが映る。たしかに〈人影〉らしきモノが見えるが、特別なものには思えない。むしろ、なぜこれを心霊現象だと考えたのか、そちらのほうが気になる。

車の窓にはりついた手」(★)は、夜道を走る車内を映した映像に奇妙な現象が起こるが、後部座席の窓をフレームに入れようとするのは不自然。〈出現域制御〉の問題がある。

運動会の8ミリフィルムに…」(★)は、運動会の様子をとらえた8ミリフィルムの映像。フィルムであれば二重写しの可能性もありそうだが、あとから合成したようにも見える。

闇に浮かぶ男の顔」(★)は、肝試しの最中に異形が現われる。まわりの状況がわからないだけに、ホンモノともニセモノともいいがたい。

心霊写真が撮られた現場にて」(★)は、東京郊外にある城跡で起こった異変。映像に紛れこんだとされる〈顔〉が顔に見えない。途中で紹介される心霊写真も合成のよう。

屋根裏にうごめく人の顔」(★★)は、害虫駆除の業者が撮影した屋根裏の様子。例によって画像を投影しているように見えるが、かりに本当に〈霊〉かなにかだったとして、厚みを持たない二次元の存在としか思えない。これ以降、しばしばこんな“二次元の霊”が登場する。

カップルを見つめる女の横顔」(★)は、ラブホテルで撮影された映像。これも“二次元の霊”。また、出現する部分が直前に隠される〈出現域制御〉も気になる。

いるはずのない男の声」(★)は、ラジオドラマの収録中に録音されたもの。奇怪な出来事としてあつかっているが、ただの技術的なトラブルでは?

ビデオレターから見つめる目」(★)は、遠距離恋愛をしている恋人に送るために撮影されたビデオレター。おあつらえ向きに異界のモノが出現しやすそうな隙間が空いている。さらに、出現予定の部分が直前に隠される(出現域制御)。

4人いる」(★★)は、キャンプの様子を撮影したもので、ありえない映像がおさまっている。これは面白い現象。知らない間にカメラのスイッチが入っていたとも考えられるが、そうだとすると、カメラワークが不自然で、やはり不思議な出来事としか言いようがない。

仏壇の遺影の顔が…」(★★)は、部屋のなかにある仏壇の写真に異変が起こる。少しビクッとなる映像。ただ、その現象がなにを意味しているかは不明。うがった見かたをすれば、写真をすり替えようと思えばできなくもない。

襲いかかるラップ音」(★)は、若者が談笑する様子を撮影したもの。謎のラップ音が鳴るが、そんなものではとくに恐怖を感じない。さらに、映像に映る人物が直前に音の鳴るほうを見ているようにも思え、ニセモノらしさが漂う(なにが起こるかあらかじめ知っていた?)。

『ほんとにあった!呪いのビデオ4』

  • 「待合室」★
  • 「診察室」★
  • 「レントゲン写真」★
  • 「リハビリ室」★★
  • 「ナースコール」
  • 「病室」★★
  • 「病棟の窓に…」★
  • 「手術室」★
  • 「霊安室」★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:中村義洋/2000年4月22日発売]

パート4は、映像と映像の間に怪談話が挟みこまれる。ちょっと変わった趣向。問題は映像とお話があまり怖くないこと。マンネリ化を防ごうとする創作姿勢は買うが、全体的に中途半端な出来栄えになってしまった。

待合室」(★)は、病院の待合室にそなえられた監視カメラがとらえた怪異だが、現われるモノの位置が不自然。またしても“二次元”で厚みがないのも気になる。ナレーションで語られる怪異の背景を聞くと、現われるのは体のほうでなければいけないのでは? さらにイチャモンをつけるなら、パート2の「踏切りに現われた足」とおなじ素材を使っているのではないか。

診察室」(★)は、大学病院の回診の様子をおさめた映像。ナレーションで説明されるようなモノに見えなくもないが、ただの錯覚という気もする。

レントゲン写真」(★)は、病死した患者のレントゲン写真に表われた奇妙な現象。写真に点を足すと文字になるという。なぜ足さなければいけないのか。カメラの傷か汚れのように思える。

リハビリ室」(★★)は、歩行訓練を行なう患者を映したもの。異変は不気味ではあるが、フレームの端に映るのは都合が良すぎる。

ナースコール」は、怪談のみで投稿映像はなし。

病室」(★★)は、入院中の同僚の様子を映したビデオ。このパート4のリリース当時に観たときは興味をそそられた覚えがあるが、あらためて鑑賞すると作りものっぽい。カメラワークが微妙にアングルを調整していて、鏡が見えたわずかな間にだけ現われるのは話がうますぎると思う。

病棟の窓に…」(★)は、カラオケビデオを制作するため撮影された映像。ナレーションの言うようなモノには見えない。いまでもその場所は使われているそうだから、合理的な説明ができるなにかがそこにあったのではないか。

手術室」(★)は、手術の様子を記録したもの。手術を受けている真っ最中の人が“霊”のように映るのはあまりに不合理ではなかろうか。医師が怪異を訴えているが、医療に携わる人がそんな非科学的なことを言いだしていいのだろうか。病院の信頼に関わるのでは? ……などといらぬ心配をしてしまう。

これも人が動き、元の位置に戻るまでのわずかの間に現われる。つまり〈出現域制御〉の問題がある。

霊安室」(★)は、不可解な現象が絶えないという病院の霊安室。そこにスタッフがカメラを設置すると奇妙な音がとらえられる。その場の状況がわからないだけに、どんな音がしても不思議ではない。空耳ではないだろうか。

『ほんとにあった!呪いのビデオ5』

  • 「卒園式」★
  • 「音楽室」★
  • 「焼却炉」★
  • 「カルチャーセンター」★
  • 「放送室」★
  • 「入学式」★
  • 「窓」★
  • 「校庭」★
  • 「学芸会」★
  • 「タイムカプセル」★★★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:中村義洋/2000年6月22日発売]

パート4が“病院編”とするなら、このパート5は“学校編”。さまざまな怪談の舞台となる場所だが、心霊映像としてはたいしたことのない作品が集まってしまった。それだけに「タイムカプセル」(★★★)の出来栄えが光る。

卒園式」(★)は、投稿者自身の卒園式の様子を記録した映像。フラッシュの光のなかに不可解なモノが映るが、それをどうやって発見したのか。確実にそこに映っているという確信がなければ、映像を停止してたしかめたりはしないだろう。典型定期な〈刹那像〉である。

音楽室」(★)は、音楽室に飾られた音楽家の肖像画が動くという噂がある学校で、真相をたしかめるべく投稿者がカメラを設置する。夜間に撮影されたものだが、やけに明るい気がする(ほんとうに夜だろうか)。投稿者は心霊現象を撮影するためにカメラをまわしており、証言を鵜呑みにしてよいのか疑問が残る(まんまとスタッフはかつがれた可能性も)。

焼却炉」(★)は、不気味な噂のある焼却炉を撮影し異変が映ったとされるものだが、なにかの光が反射しているだけのように見える。つまり、不可解な現象ではない。ホンモノはこのようには映らないのではないか。

カルチャーセンター」(★)は、とあるカルチャーセンターで開講された講座の模様をとらえたもの。ナレーションの言うようなモノには見えないが、かといってなにかと問われれば、不可解なモノとしか言えないのも事実。ただ、講師が動いたわずかな間にだけそこに映っている(出現域制御)のはいかにも怪しい。

放送室」(★)は、中学校の校内放送に不可解な声が紛れこむ。ほんとうに不可思議な現象だったとしても、あまり恐怖を感じない。それよりも、舞台となる学校のそばに、いわくありげな祠があり、その立地のほうに興味を覚える。

入学式」(★)は、入学式のあとに仲間たちが体育館で集まって談笑する様子をとらえたもの。たしかに〈それ〉を確認できる。だが、出現する場所があまりに都合がよすぎでは? 少しでもタイミングがズレていれば映らなかったはず。

」(★)は、だれもいないはずの窓に人影が見えるという学校で、スタッフがカメラを設置する。たしかに映っているが、動きが人工的すぎる。また、証言と形がちがっているが、よいのだろうか。

校庭」(★)は、小学校の校庭で遊ぶ子どもを映したホームビデオ。不可解な〈声〉が聞こえるが、空耳かもしれない。撮影者自身の声の可能性もある。当人はそのとき言葉を発したのを忘れているのではないだろうか。

学芸会」(★)は、小学校で行なわれた学芸会の様子を記録した映像。現われるモノは非常にわかりづらい。微妙に振動もしており、〈異形像微動〉の問題がある。

タイムカプセル」(★★★)は、10年前に埋められたタイムカプセルを掘りおこす。このパート5のリリース当時、恐怖を覚えた映像である。最近の作品のように“あからさま”でないだけに、ホンモノらしさが漂う。被写体の現状も語られ、雰囲気を盛りあげている。

『ほんとにあった!呪いのビデオ6』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』廃病院

「廃病院」©2000 NSW/パル企画

  • 「続・ニュース映像の怪」★
  • 「再生出来ないビデオテープ」★
  • 「廃病院」★★★★
  • 「花火」★
  • 「ビデオレター」★
  • 「除霊」★
  • 「オーディションビデオ」★★
  • 「レインコート」★
  • 「パート3より」★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:中村義洋/2000年10月22日発売]

パート6で注目したいのは「廃病院」(★★★★)で、初めて観たときは戦慄した作品である。もちろん、「最恐映像42選」にも加えている。対照的に、ほかの作品が奮わないのが残念。

続・ニュース映像の怪」(★)は、『Special』に収録されている「ニュース映像の怪」の後日談。

再生出来ないビデオテープ」(★)は、交通事故を起こした車から発見されたビデオ。ほんとうに再生ができなければ商品化はできないわけだから、まあおどしだ。

事故の瞬間を映したもの、という趣向は面白い。ただ、死亡者が出るような大事故には見えないのだが。

花火」(★)は、ビルの屋上から花火大会の様子を映したもの。「不可解な人影」というが、そのようには見えない。なぜそう認識したのか、そちらのほうが気になる。

ビデオレター」(★)は、両親に見せるために子どもを撮った映像。猫の霊とおぼしきモノが現われる。猫は必ず天国に行くので、霊にはならないとする考えかたがある。猫はこの世に未練を残したり、だれかを恨んだりして死ぬわけではないからだ。

本作の〈猫〉には〈異形像微動〉の問題があり、どうにも作りものっぽい。

除霊」(★)は、霊媒師の中田氏が除霊を行なう様子を撮影したもの。中田氏は、なかなか面白いキャラクターである。見かたによっては、コミック・リリーフ的な役割を担っている。

本作では数多くの“心霊現象”が起こるが、それはつまり除霊ができていない、もしくは中田氏が霊を呼びよせているということなのでは?

オーディションビデオ」(★★)は、オーディションに応募するためにカラオケボックスで撮影された映像。撮影中に異様な気配を感じとっているのがよい。ただ、異界のモノがフレームを意識して出現する(出現域制御)のは解せない。

レインコート」(★)は、盆踊り会場で怪異に遭遇する。現われる〈霊〉は黄色のレインコートを着ているとおぼしいが、やけに鮮やかな色合いである。黄色い霊というのは珍しいかもしれない。

パート3より」(★)は、パート3「いるはずのない男の声」の続き。設定は凝っているが、映像そのものは怖くない。とはいえ、本作に限った話ではないが、人が亡くなるのはただごとではない。あの世のモノにそこまでの力があるというのか。

本作は、カメラを振りすぎる、カメラワークが不自然である点が気になる。

『ほんとにあった!呪いのビデオ7』

  • 「死者から返却されたビデオ」★★
  • 「火事」★
  • 「浴室に浮かぶ髪」★★
  • 「留守電に残された声」★★
  • 「初日の出」★
  • 「魚釣り」★
  • 「現像された8ミリフィルム」★★
  • 「浴室から覗く顔」★
  • 「誕生日」★★
  • 「動物霊」★★★

[構成:中村義洋・鈴木謙一/ナレーション:中村義洋/2001年3月23日発売]

パート7は、パート5~6に比べて全体的な質は少し上がっているものの、やはりシリーズの低迷期と言わざるをえないだろう。

死者から返却されたビデオ」(★★)は、レンタルビデオ店に返却されたテープに重ね撮りされた映像。設定が面白い。映像は一見すると怖くないのだが、意味を考えると少しゾッとする。

火事」(★)は、火災現場を撮った映像。現われたモノがほんとうに投稿者の言うような存在だとして、なぜこのように映りこむのかが解せない。

浴室に浮かぶ髪」(★★)は、親子がお風呂に入っている様子をとらえたもの。投稿映像を観る前に投稿者の証言を聞くことになるが、これがうまく恐怖を煽っている。カメラワークがやや不自然なのは気になるところだが。

留守電に残された声」(★★)は、留守番電話に奇妙な声が入っている。起こっている事象の意味がわからないだけに、そこはかとなく不気味さが漂う。

初日の出」(★)は、初日の出を撮った映像に異変が生じる。何度リプレイされても、その「異変」が見つけられなかった。静止画になったところでようやくわかるのだが、故意に入れたものではないかと疑ってしまう。

魚釣り」(★)は、川へ釣りにいった際に撮られたもの。面白い映像といえるが、実際は「そう見える」だけで、合理的な説明がつけられるのかもしれない。

現像された8ミリフィルム」(★★)は、現像せずお祓いに出されたという8ミリフィルム。映像そのものは恐怖心を呼びおこすものではないが、エピソードとしては薄ら寒いものを感じる。

浴室から覗く顔」(★)は、投稿者が友人たちと悪ふざけをしている映像に奇異なモノが映る。実際はなにかが反射しているだけのように見える。スタッフがその場所を訪れているのだから、検証してもよかったのでは? 投稿者たちが映像で悪ふざけをしていることを考えると、もしかしたら投稿者が仕組んだのかもしれない。

誕生日」(★★)は、娘の誕生会の様子をとらえたもの。珍しい現象である。このように異界のモノが姿を現わすことがある。そんな貴重な資料といえるかも。

動物霊」(★★★)は、大学のオカルト研究会に封印されていたビデオ。「こっくりさん」を行なう様子が記録されている。本作は問題の映像を流すまでの前置きが秀逸。展開や設定がいろいろと手が込んでいる力作だ。観る側は襟を正して臨むことになる。

ただ、映像そのものは、覚悟を決めるほどではない(あまり突飛なことができないシリーズ初期の限界ともいえる)。

『ほんとにあった!呪いのビデオ8』

  • 「ダビングテープ」★
  • 「地下鉄」★
  • 「テレビ」★
  • 「遊園地」★
  • 「運動会」★
  • 「ラブホテル」★
  • 「動物園」★
  • 「団地」★
  • 「鏡」★★
  • 「河原」★
  • 「映画館」★
  • 「続・テレビ」★★

[演出:松江哲明/構成:松江哲明/ナレーション:中村義洋/2001年9月21日発売]

このパートから、演出家が中村義洋・鈴木謙一コンビから、松江哲明氏に交代する。松江氏だけの責任ではないかとは思うが、ここからしばらく低レベルの作品が大量生産される。当ブログが本シリーズの視聴をやめるきっかけをつくってしまった。

ダビングテープ」(★)は、交通事故を起こした車に残っていたビデオ。面白い発想ではあるが、パート7の「死者から返却されたビデオ」とネタが被っている。

地下鉄」(★)は、デート中のカップルが地下鉄のホームで撮影したもの。もし〈霊〉がこの世に存在し映像に映るとすれば、こんな感じになるのではないか。本作はそんな絵に描いたような心霊映像。ただ、電車が通過したあとに姿が消えるのは、いささか都合がよすぎる。

テレビ」(★)は、子どもの遊ぶ様子を映していると、突然テレビが異常をきたし、子どもが倒れる。うがった見かたをすれば、倒れた子どもが笑いをこらえているようにも思える。このあとの「続」の展開も加味すると、じつはこの父子が仕組んだいたずらなのではないか、などと想像してしまう。

その続編「続・テレビ」(★★)では、投稿映像より投稿者の妻とスタッフのやりとりに焦点があてられる。そこで一悶着あるのだが、結局は商品化されているのだから、妻は納得したのだろう。あるいは、家族ぐるみのヤラセだったのか……。

遊園地」(★)は、廃墟となった遊園地で撮影された8ミリフィルムの映像。こういうことはふつうに起こりそうではあるのだが。

運動会」(★)は、いまは亡き娘の姿を撮ったもの。ナレーションの言うようには見えず、こじつけとしか思えない。そもそもどうやって発見したのかも謎。

ラブホテル」(★)は、とあるカップルが撮影した映像。小道具の使いかたがよい。いろいろ想像させる余地があり効果をあげている。小道具の内容を考えると、もっとすごいことが起こってもよさそうなのだが。

動物園」(★)は、動物園の駐車場で撮影されたもの。奇妙な「人影」と説明されるが、そのようには見えない。子どもの思い出を映した映像で、なぜまったく無関係の場所に着目したのか。その点も解せない。

団地」(★)は、引っ越しの際に記念に撮られたもの。その場に異界のモノがいたとして、なぜそんなふうに映りこむのかが不可解。パート7の「火事」に映ったモノにも似ている気がする。

」(★★)は、ビデオの試し撮りをしているときに起きた怪異。ビデオカメラで起こりがちのようにも思えるが、やはり不可解な映像なのであろう。ナレーションの解説は、冷静に考えればスタッフのただの想像だが、絶妙に恐怖心を駆りたてる。

河原」(★)は、家族がキャンプをしている様子を映したもの。これもナレーションの語るようなモノに見えない。そこに霊が存在するはずだという強い確信を持たなければ、このようなものを“発見”することはできないはずだ。

映画館」(★)は、映画館のロビーに設置された監視カメラの映像。現われかたが人工的である。ただ、「最恐映像42選」にラインナップした「雨の死者」と似ており、ホンモノはこういうふうに現われ、そして消えるのかもしれない。そんな想像をして楽しめる。

『ほんとにあった!呪いのビデオ9』

  • 「屋敷」★★
  • 「足」★
  • 「瞳」★
  • 「白煙」★
  • 「大学校舎」★
  • 「廃村」★
  • 「影」★
  • 「学芸会」★
  • 「女の声」★
  • 「アパート」★

[演出:松江哲明/構成:松江哲明/ナレーション:中村義洋/2002年2月22日発売]

このパート9がリリースされたころ、当ブログは本シリーズから途中下車。“こじつけ”があまりに多く、シリーズの低迷期が続いていく。

屋敷」(★★)は、「博士の家」と呼ばれる廃屋で撮られた映像。本シリーズとしては珍しい展開となる。本作に限ってスタッフが心霊現象に懐疑的な態度をとるのはなぜだろう?

」(★)は、高校時代の友人を映したもの。例のごとく「そう見えなくもない」映像。なぜカメラをまわしていたのか、カメラワークが不自然ではないか、といった疑問が残る。

」(★)は、部屋に友人たちが集まり酒盛りをしている様子をとらえたもの。こちらは「そう見えない」パターン。ふつうに見ているとわからないので、投稿者たちはどうやって発見したのだろう? むしろ部屋にあった映りの悪いテレビのほうが気になる。

白煙」(★)は、花火大会を撮影した映像。スローにしなければわからないシロモノである。点滅しているように映りこんでいるのも解せない。

大学校舎」(★)は、8ミリフィルムの映写機を購入したときに付いてきたというフィルムの映像。奇妙な人物が映っているそうだが、いかんせん映りの悪い8ミリフィルムなので、なんともいえない。ガラスに反射していただけでは? ナレーションでは、このフィルムの存在自体を不可解なものとしているが、記録を目的として撮影したのだろう。とくにおかしいとも思えないのだが。

廃村」(★)は、カップルが廃村を訪れた際に撮られたもの。なぜかスタッフが投稿者とともに現場をまわる様子が長々と映し出される。そこではとくに怪異は起こらない。さぞかし恐ろしい映像が待ちうけているのだろうと、ハードルがいたずらに上がってしまい、いざ投稿映像を観てもまったく恐怖を感じなかった。ナレーションの言うような「声」だったのかも微妙なところだ。

」(★)は、投稿者が公園でトランプを飛ばしてまとにあてる練習をしている様子をおさめたビデオ。これも「そう見えなくもない」のだが、現われるモノのカタチは面白い。ただ、まわりで鳥やらなにやらがワシャワシャ動いていて、そのうちのどれかなのではないかという気もする。

学芸会」(★)は、学芸会の様子を映した映像に不可解な存在が映りこむ。リプレイしても拡大してもわからなかった。これまたよくぞ見つけたというシロモノ。

女の声」(★)は、若者たちが作業をしている様子をとらえた映像に〈声〉が紛れこむ。かなり自然に入っているので、まわりにだれもいなかったという証言は眉唾もの。

アパート」(★)は、アパートの浴室のドアに不可解なものが映ったとされているが、特別なモノには見えない。もっとも不気味なのは投稿者の描いた絵だった(ただ、これは制作者の意図どおりなのだろう)。

『ほんとにあった!呪いのビデオ10』

  • 「祖父」★
  • 「煙に浮かぶ顔」★
  • 「続 白い足」★
  • 「下水道」★★★
  • 「叔父の呪い」★
  • 「落下する霊」★★★
  • 「海水浴」★★
  • 「声に取り憑かれた男」★

[演出:松江哲明/構成:松江哲明/ナレーション:中村義洋/2002年5月24日発売]

パート10は、マンネリを打ちやぶろうとしているのか、映像より投稿者のキャラクター性に焦点をあてた作品が印象に残る。これは人によって好みが分かれそうだが、ホラーとしてはひとつのやりかたではあろう。問題は、それが必ずしも成功しているとはいえない点だ。

祖父」(★)は、子どもの成長記録として撮った映像。〈霊〉の出現のしかたが人工的で、サイズも不自然だ。もっとも「霊ってそういうもんだよ」と言われれば返す言葉はないのだが。

煙に浮かぶ顔」(★)は、花火を楽しむ様子をとらえたもの。映像を静止してもあまり「顔」には見えない。ほかの作品とおなじように、投稿者はどうやってこれを発見したのか疑問。「なにかの予兆」などとナレーションで語られるが、実際の出来事はたいしたことのない話である。

続 白い足」(★)は『Special 2』の「白い足」の続編。子どもがおかしいというが、「子どもってそういうものじゃないの?」というツッコミが頭に浮かぶ。つまり、とくに奇異な現象とも思えない。因縁を無理矢理こじつけているようだ。

下水道」(★★★)は、下水道に落とした指輪を探すために撮った映像。なかなかインパクトがある。〈それ〉はなぜ突如して現われ、そして消えたのか。映りこんだモノをどう解釈すればいいかわからずモヤモヤが残る。ホラーとして良い意味で後味が悪い。

叔父の呪い」(★)は、部屋で話し合いをしている映像に死んだ投稿者の叔父の姿が映る。投稿者が胡散臭いというか挙動不審である。ただ、それはこのエピソードの制作意図なのだと思う。投稿映像はまったく怖くないし、心霊現象でもない。それ自体は良いのだが、構成がかなり支離滅裂であるため、いまいち楽しめない仕上がりになっている。

落下する霊」(★★★)は、消防団員の訓練の様子をおさめたビデオ。なかなか異様な現象をとらえたものだと評価できる。ほんとうに人のようなモノが落ちているように見えるのだ。

海水浴」(★★)は、とある家族が海水浴に行った際に撮られたホームビデオ。恐怖度はそれほど高くないのだが、不可思議さが楽しめる。地味なだけに、何気ない日常に忍びよる怪異といった趣だ。

声に取り憑かれた男」(★)は、キャンプを楽しむ様子をとらえた映像。これも投稿者が胡散臭いが、やはりそこに焦点をあてたエピソードなのだろう。投稿映像に入っている〈声〉は空耳のように思える。その場にいたもうひとりの女性の声では?




『ほんとにあった!呪いのビデオ11』

  • 「線路に佇む人影」★
  • 「公衆トイレ」★
  • 「エレベーター」★★
  • 「曰くの物件」★★★
  • 「謎の影」★
  • 「ランドセルの少女」★
  • 「夜に現れる手」★
  • 「廃線トンネル」★

[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪/ナレーション:中村義洋/2003年6月21日発売]

このパート11から演出家が坂本一雪氏にバトンタッチ。ちらほら良作が現われはじめる。とくにパート11は「曰くの物件」(★★★)が秀逸。のちに類似した作品が登場し、そちらのほうが出来がいいので相対的に本作の評価を下げざるをえないのだが、シリーズ低迷期において“救世主”のような傑作といえる。

線路に佇む人影」(★)は、電車の最前部から撮った映像。異形の現われかたがあまりに稚拙である。パート8の「地下鉄」とネタがおなじだが、あちらのほうがまだ洗練されていた。

公衆トイレ」(★)は、ホームレスが焼け死んだという噂のある公衆トイレで撮られたもの。記録された怪異は、光の加減のようにも見える。こういうのはもう少しはっきり出てきても良いのではないか。

エレベーター」(★★)は、マンションのエレベーターで起こった怪現象。地味ではあるが、自分の身にふりかかったら、なかなかの恐怖だ。ただ、「ほかにだれもいなかった」という投稿者の言葉を鵜呑みにしてもいいものかどうか……。

曰くの物件」(★★★)は、不動産屋と部屋探しをしながら撮った映像。あきらかにその場にいたモノを映している。その意味でホンモノらしさがある。フレームからはずれると姿が消えてしまうが(出現域制御)、そのまま残っていても怖かった気がする。ちょっとカメラを振りすぎなのは気になるが。

謎の影」(★)は、友人たちとわんこそばを食べる競争をしている様子をとらえたもの。本人の〈影〉だと思ったが、リプレイ&アップにしてみるとあきらかにちがった。

カメラの微妙な揺れとは無関係に影が細かく動いており(異形像微動)、その場にいたモノではなく、あとから合成した像と考えるのが自然だ。

ランドセルの少女」(★)は、ドライブの途中で立ちよった河原で撮られたもの。投稿映像がやたら長いが、会話の内容が洗練されており、まるで台本があるかのよう。投稿映像のなかの会話と、その前のインタビューは内容がかなり被っており、インタビューのほうは適当に刈りこむべきだったのではないか。投稿映像の異変はそこそこ楽しめるが、もう少し動いたりしても良かったと思う。

夜に現れる手」(★)は、いびきの治療のために自分の眠る姿を映したもの。現象として地味であり、あまり怖くない。それに、怪異が画質を変えなければ見えないのはいかがなものだろう?

廃線トンネル」(★)は、廃線のトンネル跡で撮影された映像。奇妙な〈声〉がたしかに聞こえるが、空耳のようでもある。

『ほんとにあった!呪いのビデオ12』

  • 「謎の廃墟」★
  • 「コンビニの噂」★
  • 「シリーズ監視カメラNo.1」★
  • 「初詣」★★
  • 「憑りつかれた車 前編」★★
  • 「シリーズ監視カメラNo.2」★
  • 「赤子の霊」★
  • 「カラオケBOX」★
  • 「夜の散歩」★★★★
  • 「サバイバル」★★
  • 「家に宿る怨念」★
  • 「シリーズ監視カメラNo.3」★
  • 「続・憑りつかれた車」★★

[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪/ナレーション:中村義洋/2004年4月2日発売]

パート12は「夜の散歩」(★★★★)が良作で、「最恐映像42選」にもランクイン。ほかにもインパクトのある映像が見受けられるパートとなっている。

謎の廃墟」(★)は、廃墟とおぼしき場所を探索している様子を映したもの。「差出人不明のテープ」という滑り出しはいい。だが、肝心の映像に映る〈影〉は、動きが人工的で、合成と疑われてもしかたのないシロモノ。いずれにしても怖くないのは致命的だ。

コンビニの噂」(★)は、『Special 3』で紹介された「コンビニの噂」に奇妙なモノが映っているという。ナレーションで「霊が横切る」と言うが、「霊」と断定している点に注目。じつは本シリーズでは「奇妙なモノ」とか「異界のモノ」などと表現されることはあるが、「霊」という言葉はほぼ使われない。本作はきわめて異例といえる。

その「霊」と呼ばれたモノだが、横切るというよりただ横にスライドしているだけである。しかもカメラのブレと無関係に霊が細かく動いており(異形像微動)、もしその場にほんとうに「霊」がいたのなら、こんな動きはありえないのではないか。

シリーズ監視カメラNo.1」(★)は、集合住宅の一角を映した映像。映りこんだモノは、はたしてナレーションの言うような存在なのか? ピクリともしないので判断しかねる。

初詣」(★★)は、大晦日に友人を撮った映像で、なかなかのインパクトのある事象が起こる。素人目にはカメラやテープの不具合という気もするが、こんな故障はないのだろう。なぜこんなことが起こるのか意味がわからないだけに、不気味さもひとしおだ。

憑りつかれた車」(★★)は、バイトの仲間と遊びに行った際、車内で撮られた映像。現われたモノは、それらしくも、そうでないようにも見える。カタチが定まらない〈霊〉は珍しい。

一方の「続・憑りつかれた車」(★★)の映像には、〈なにか〉が映っており、撮影者も気づくのも良い。ただ、それがなにかよくわからないのはマイナスだ。投稿者の事故の原因とされる「人影」のほうが映像におさめられていれば……。

本題とは関係ないが、インタビューに答えている女の子の雰囲気が女優の佐藤仁美さんに似ている。

シリーズ監視カメラNo.2」(★)は、地下鉄のホームに設置された監視カメラの映像。怪異は光の加減かと思ったが、じわじわと現われるのでちがうらしい。ただ、ナレーションで言う存在には見えない。

赤子の霊」(★)は、とある家庭で映されたもの。〈霊〉とおぼしきモノは最初はお母さんの顔が反射しているのかと思ったが、よく見るとそれは不自然であることがわかった。誤解するくらいタイミングが絶妙だったのはなぜだろう?

カラオケBOX」(★)は、終電を逃した投稿者たちがカラオケボックスで時間をつぶす様子をとらえたもの。例によって異形の登場のしかたがあまりに人工的である。かりに霊の類いだったとして、意思のあるものがこのような動きをしないのでは?

サバイバル」(★★)は、サバイバルゲームを楽しむ様子を撮影した映像に奇妙なモノが映りこむ。メンバーが災難に見舞われる様子もおさめられており、緊迫感あふれるものになっている。不自然な人影が映っているのだが、偶然ではなく、「そこにいる」とわかってるカメラワークのようにも思えた。

家に宿る怨念」(★)は、建築中の我が家を撮影したビデオ。「奇妙なモノが映っている」とされる部分を見ていたはずなのに、初見では異変に気づかなかった。ただの黒い煙だとも思ったが、カメラのブレと連動せずに動いており(異形像微動)、合成されたものではないだろうか。

シリーズ監視カメラNo.3」(★)は、マンションの出入り口を撮った映像。映るのは人の姿にはちがいないが、なんだが平べったい。久しぶりに二次元の〈霊〉が出現している。柱に投影されている映像のようにも見え、ホンモノだとしたらこんなふうに現われないのでは?

『ほんとにあった!呪いのビデオ13』

  • 「反戦デモ」★
  • 「呪いの女」★★★★
  • 「あるオフィスで…」★
  • 「シリーズ監視カメラ いないはずの…」★★
  • 「前触れ…」★
  • 「自主映画」★
  • 「合宿」★★★
  • 「焦げ痕…」★
  • 「…とある住人」★★

[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪/ナレーション:中村義洋/2004年9月3日発売]

パート13は「呪いの女」(★★★★)が良作。「最恐映像42選」からは漏れているが、入れても良かったかも。これくらいの質のものが1~2本入ってくるようなら、シリーズも安定するのだが。

反戦デモ」(★)は、タイトルのとおり反戦デモの様子を記録したもの。怪異の起こる場所がいかにも不自然。現われかたも人工的で、作りものっぽさがある。

呪いの女」(★★★★)は、姉弟がふざけあっていると奇妙な〈女〉が現われる。この異形の怖さもさることながら、投稿者たちのあわてふためく様子が緊迫感をもたらしている。もし自分がこの現場に居合わせたら? などと想像するだけで身震いしてしまう。

あるオフィスで…」(★)は、残業で飲み会に参加できなかった投稿者が、様子を知らせるために撮った映像。怪異はそれほど怖くはないが、撮影している状況がいまいち不可解で、そこに不気味さが漂う。

シリーズ監視カメラ いないはずの…」(★★)は、街の大通りを映した監視カメラの映像。これは画期的な作品といえる。これまで〈霊〉といえば、半透明だったりカタチが曖昧だったりしたが、これははっきりとその姿が映っている。

前触れ…」(★)は、高層マンションの部屋から宙に浮かぶ奇妙な物体をとらえたもの。映像に映るモノと、投稿者の近所で起こったという不幸との関係が不明。じつは無関係かもしれない。物体は、カメラとの距離感がわからないため、ナレーションの言うような存在かどうかは怪しい。

自主映画」(★)は、自主映画のリハーサル風景をおさめたビデオ。役者のひとりに奇妙な現象が起こっているとされるが、とくに不可解な現象とも思えない。

合宿」(★★★)は、ある大学のサークルが合宿に行った際に撮影された映像。かなりインパクトがある。ずっとそこに映っているのにしばらく気づかず、〈それ〉がわかった瞬間に背筋が凍る。良作といえる。

焦げ痕…」(★)は、とある夫婦の家で異変が相次ぎ、それを記録するために撮影されたもの。「謎の粘液」とやらが登場するが、それの成分を調べるべきでは? 映像に映る〈火の玉〉もどこか不自然さが残る。

…とある住人」(★★)は、帰宅途中にケータイで友人を撮った映像。たしかに奇妙な人影を確認できるが、ポスターかなにかの可能性もありそうだ。ただ、異変の背景も考えあわせると、それなりに不気味さが漂う良作と評価できる。

『ほんとにあった!呪いのビデオ14』

  • 「事故現場」★
  • 「スタッフルーム」★
  • 「マーゴン—MA-ON」★
  • 「安普請」★★★★
  • 「酔払い」★
  • 「頭のおかしい老人」★★★★
  • 「続・スタッフルーム」★
  • 「手首」★
  • 「続・安普請」★★★★
  • 「シリーズ監視カメラ 産女(うぶめ)」★
  • 「続々・スタッフルーム」★
  • 「ふたり…」★
  • 「焼肉屋」★

[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪/ナレーション:中村義洋/2004年12月3日発売]

パート14は、「スタッフルーム」(★)において、スタッフ自身に怪異が起こるという新機軸を盛りこんでいる。取材中に奇妙なモノが出てきたり、エピソードのつなぎかたも凝っていたりと、マンネリを打破しようとする工夫が見られる。

また、「頭のおかしい老人」(★★★★)「安普請」(★★★★)と、「最恐映像42選」に入れるべきか最後まで迷った作品も収録されている。さらには、初めて「次巻につづく」というおわりかたをするのも特徴だ。

事故現場」(★)は、交通事故の現場に遭遇した投稿者が撮影した映像。たしかに不可解なモノが映っている。しかし映りかたが平面的で、古いタイプの〈霊〉のようだ。事故現場と言いながら、問題の映像は運転席を映したもので、なぜここを撮影していたのか疑問が残る。

白い影」(★)は『Special 5』に収録されている「日本人形」の続編。なるほど不気味な〈顔〉が映っているが、やはり平面的な動きで、あとから合成したとしか思えない仕上がり。またナレーションの言う存在とはまたちがうようにも思える。

マーゴン─MA-ON」(★)は、台風のさなかに撮られたもの。インパクトがある映像だが、なぜこのような映りかたをするのかが不可解。

安普請」(★★★★)は、投稿者たちが友人宅で飲み会をしたときに撮影された映像。確実にそこにあったものを映しており、恐怖度はなかなか高い。

ただ、これは心霊現象だろうか。心霊現象だとするとかなり不気味だが、撮影者たちは酒に酔っており、その場の状況を完全には把握していなかったかもしれない。ふつうならその場で気づきそうなものだ。そのように見える〈なにか〉が偶然そこにあったとも考えられる。部屋の隅にも、別の黒いものが置いてあるのが確認できる。

後日談も語られるが、映像とは無関係なのでは? ただ、後日談そのものは不気味である。

酔払い」(★)は、路上で泥酔した若者をとらえた映像。異変の部分が小刻みに揺れている(異形像微動)。

頭のおかしい老人」(★★★★)は、部屋の隅にいた奇妙な老人の姿をとらえる。ここまで異界のモノがはっきりと映りこむのはきわめて珍しい。そこに人がいると勘違いした投稿者の証言も説得力がある。

ただ、そのとき姿が見えていたのなら、なにも反応しないのはおかしい。心霊現象ではなかったと解することもできそうだが、どちらにしても奇妙な映像にはちがいない。

手首」(★)は、ひとり暮らしの投稿者が何気なく部屋の様子を撮影したビデオ。奇怪な現象が起こるが、やはり「そう見えるだけ(実際には起こっていない)」という可能性も。

シリーズ監視カメラ 産女(うぶめ)」(★)は、とある田舎の道路に設置された監視カメラがとらえた怪異。「言われてみればたしかに見える」パターン。面白いカタチだが、ただの光の加減のようにも思える。

ふたり」(★)は、遊び半分で廃墟に潜入した投稿者が映した映像。なるほど不気味なモノが映りこんでいる。それより、投稿者の言動のほうが気になるのだが。

焼き肉屋」(★)は、焼肉屋で一服するスタッフの姿をとらえたもの。いわば小ネタ。本気で怖がらせるつもりは制作陣にはないのだろう。

『ほんとにあった!呪いのビデオ15』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』責任

「責任」©2005 NSW/パル企画

  • 「事故」★
  • 「責任…」★★★★
  • 「夜の買い物」★
  • 「新年鍋」★★★★
  • 「夜釣り」★★
  • 「続・責任…」★★★★
  • 「自転車置き場」★
  • 「豪雪」★
  • 「トンネル」★
  • 「ニューロシス」★★★★★

[演出:坂本一雪/構成:坂本一雪/ナレーション:中村義洋/2005年3月4日発売]

このパートあたりから、近年の作品に負けるとも劣らない良作が登場しはじめる。「新年鍋」(★★★★)「ニューロシス」(★★★★★)といった傑作のほか、「責任」(★★★★)も「最恐映像42選」に入れることを検討した作品。

事故」(★)は、友人が交通事故に遭う瞬間をとらえたもので、緊迫感があって良い。ただ、映像そのものは怖くない。

責任…」「続・責任…」(★★★★)は、廃墟を探検する様子をとらえたもの。その場に確実に存在していたモノを映しており、恐怖度は高い。撮影者の謎めいたふるまいも雰囲気を盛りあげる。惜しいのは、うまい具合に異形がフレームアウトしてしまうこと。そのまま映りつづけていればなお良かったのだが。

夜の買い物」(★)は、深夜のアダルト雑誌の自販機を撮った映像。これまた奇妙なところに奇妙なモノが現われたものである。カタチがかなりデフォルメされていて、ホンモノらしくない。滑稽さすら感じる。

夜釣り」(★★)は、夜間の釣りを楽しんでいた親子が異変に気づき撮影されたもの。現象がユニークである。投稿者が驚いているのも良い。ただ一部分しか映さないのはなぜだろうか? どういう状況なのかがイマイチわからない。

自転車置き場」(★)は、薄暗い自転車置き場に自転車を止めようとしている投稿者の映像に異変が映っている。ナレーションの言うようなモノに見えないのだが。

豪雪」(★)は、雪のなかを走る車から撮影されたもの。たしかに奇妙な〈影〉は見えるのだが、わずかに振動している(異形像微動)。

トンネル」(★)は、心霊スポットのトンネルで撮られた映像。現われるモノは光の加減のようにも見えるが、静止画にするとたしかに不可解。ただ、静止画にしないとわからないのは、はたしてホンモノだろうか?

『ほんとにあった!呪いのビデオ16』

  • 「卒業旅行」★★
  • 「引越し先に…」★★★
  • 「死の予告」★★
  • 「体育館に唸る音」★
  • 「ライブハウス」★★
  • 「背に佇む少女」★★
  • 「叫び」★
  • 「シリーズ監視カメラ 誘い」★
  • 「続・死の予告」★★

[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2005年6月3日発売]

パート16から、演出家が福田陽平氏に変わる。坂本氏の時代と比較するとややパワーダウンしているのは否めないが、そこそこ満足できる作品がおさめられている。

また、このパートには、ある仕掛けがほどこされており、そこに気づくことができれば、いくつかの作品はより楽しめるだろう。残念ながら当ブログは気づけなかったので、上記の★マークはその場合の評価ということになる。

卒業旅行」(★★)は、投稿者が卒業の記念に友人と沖縄を訪れた際、異様な現象を撮影してしまう。うまい具合にフレームイン・アウトするタイミングで〈それ〉が現われるのは、話ができすぎている気がする。

引越し先に…」(★★★)は、引っ越しの光景をおさめたもの。ほどよく不気味に仕上がっている。ただ、本作もフレームインのしかたが絶妙で、かえって作為を感じてしまう。投稿者の証言もなんだか要領を得ないのも気になる。

死の予告」(★★)は、差出人不明の人物から突如送られてきた大量の謎のビデオ。映像そのものに険呑な雰囲気が漂っている。問題の部分は不自然だが、かえってそれが不気味さを高めている。

体育館に唸る音」(★★)は、卒業前に思い出を残そうと体育の授業を撮影したもの。怪異の背景にひとひねりしてあるのは良いが、〈音〉を加工しないとそのように聞こえないのはいかがなものか(加工する必然性がない)。姿がブレるのも問題としているが、とくに不可解といえないのでは?

ライブハウス」(★★)は、スタジオでバンドが練習する風景をおさめた映像。なかなか不気味である。その後の展開もベタではあるが、悪くない。

背に佇む少女」(★)は、駐車場でサッカーボールで遊ぶ友人を映していると異形が出現。あまりに自然に現われたので、最初は異変に気づかなかった。初見で気づいていれば、もっと不気味さを感じられたと思う。

叫び」(★)は、公園で恋人を撮影した映像。これも怪異の背景が凝っている。ほんとうにナレーションの言うような存在だったとして、なぜこのタイミングで? という疑問は残るが。

シリーズ監視カメラ 誘い」(★)は、事故が多発する電車の踏み切りに設置された監視カメラがとらえたもの。映像そのものはたいしたことはないが、そのあとに起こる出来事との合わせ技で、まずまずの作品に仕上がっている。

『ほんとにあった!呪いのビデオ17』

  • 「樹霊」★
  • 「湖の底から」★
  • 「死神の告知」★
  • 「防空壕の奥から…」★
  • 「叫ぶ手」★
  • 「振り返る地蔵」★
  • 「彼女の背後に…」★
  • 「呪われた病院」★
  • 「仲間に入れて…」★

[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2005年8月5日発売]

パート17に収録されている作品のほとんどが、1回見ただけではわからないうえ、リプレイしてもそのように見えない。シリーズの失速を感じさせてしまうパート。

樹霊」(★)は、正月に実家に帰った投稿者が甥っ子を撮ったもの。ナレーションの説明のようには見えず、こじつけの観が強い。

湖の底から」(★)は、夜の湖で勝手にボートをこぎだす様子をとらえたもの。「もしかしてこれ……?」と初見で問題の部分に気づいたが、錯覚のようにも思う。それよりも、なぜか投稿者の女性がどこか剣呑な雰囲気を漂わせており、そちらのほうに不気味さを感じた(もともとそういう意図の作品なのかもしれない)。

死神の告知」(★)は、夜間に若者たちがスケボーで遊んでいるところを撮影したビデオ。これも、やはりリプレイしても、ナレーションで説明されるモノには見えない。ふつうに見ているとまったく気づかず、静止してもそうだとは思えない。これをそうだと言いはる投稿者の精神状態のほうが気になる。

防空壕の奥から…」(★)は、地質調査のために撮られた資料映像。めずらしく1回目でわかったのだが、カメラのブレと動きが連動しておらず(異形像微動)、あとから合成したと言われても弁解のできない仕上がり。しかもナレーションの言うような存在には見えない。

叫ぶ手」(★)は、観光客やサーファーでにぎわう美しい湘南の海の映像。現われたモノは「手」には見えない。ただのゴミではないだろうか? なぜこれを手だと思ったのか、そっちのほうが奇怪である。

振り返る地蔵」(★)は、地蔵がたくさん並ぶ観光名所で撮った映像。あらかじめ異変の内容を説明されていたのにもかかわらず、1回目ではわからなかった。そもそもおなじ地蔵だったのか? ちがうようにも見えるのだが(だとしたら、「異変」があっても不思議ではない)。

彼女の背後に…」(★)は、大晦日に部屋で恋人を撮っていると異変が起こる。これも1回目ではわからず。リプレイで初めてそう見えたわけだが、いかにも合成っぽい。

呪われた病院」(★)は、大学の部室を改装したときにロッカールームから出てきたビデオ。廃病院とおぼしき場所が映っている。映像は、もっともらしく「だれが何のために撮ったのだろうか」などとナレーションされるが、発見された経緯を考えるとだいたい想像できるのでは? しかも肝心の部分はまったくそのようには見えない。

仲間に入れて…」は、中学校時代のクラスメイトが母校で催した小さな同窓会の様子をとらえたもの。これもカメラのブレと連動せずに〈霊〉が動いており(異形像微動)、合成の可能性が高い。また、人物を特定できるほど鮮明には映っていないので、なぜその人だと思ったのかが不思議。

まったく関係ないが、中学を卒業してバラバラの高校に行ったと説明されていたが、投稿者たちはおなじ学校の制服を着ているようにも見える。

『ほんとにあった!呪いのビデオ18』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』ビデオレター

「ビデオレター」©2005 NSW/パル企画

  • 「黒狐の終末 第一章 止まらない脅迫の手紙」★
  • 「98話目に現れた霊」★★
  • 「シリーズ監視カメラ 最上階に向かう霊」★
  • 「取り残された座敷わらし」★
  • 「黒狐の終末 第二章 手紙に記された場所」★
  • 「ビデオレター」★★★★
  • 「エコー映像」★
  • 「黒狐の終末 第三章 対面」★
  • 「覗く瞳」★
  • 「呪われた家」★★
  • 「黒狐の終末 第四章 黒狐の隠された過去」★
  • 「黒狐の終末 最終章 呪い」★

[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2005年11月4日発売]

パート18は、黒狐の終末」(★)がメインのコンテンツ。スタッフに執拗に脅迫文を送りつづけていた「黒狐」と名乗る人物と対面する。前パートでも予告されており、もったいぶったわりには、どうということのない話である。怖い映像も出てこない。スタッフの女性が異様に怯えるが、本シリーズのスタッフなら、呪いなど存在しないことを知っているはずだ、と愚痴のひとつも言いたくなる。

このパートには「ビデオレター」(★★★★)という良作が収録されているので、観る価値がないとまではいえない。ただ、これは有名な作品であり、すでにどこかで観ている可能性も高いため、このパートを視聴するモチベーションを保つのは大変だ。

98話目に現れた霊」(★★)は、怪談話をしている最中に異形が現われる映像で、それなりに緊迫感はある。撮影者が驚いているのも良い。ただ、怪異がそこで起こることを知っているような微妙なカメラワークは少し気になる。異形は98話目に出てくるが、なぜ100話のあとではなかったのだろう?

シリーズ監視カメラ 最上階に向かう霊」(★)は、マンションのエレベーターに設置された監視カメラの映像。奇妙な〈人影〉を確認できるのだが、ホンモノだとしたら、こんなふうに現われないという気もする。

取り残された座敷わらし」(★)は、家が取り壊される様子を記録した映像に異形が映る。光の加減でそういうふうに見えるだけでは? よしんば、ほんとうに「座敷わらし」だとして、よくぞ見つけたというシロモノ。

エコー映像」(★)は、エコー映像に人の顔のような像が映ったという。かりにそれらしいモノが映りこんだとしても、特殊な映像なのだから、やはり錯覚なのでは? むしろ、投稿者である母親の精神状態のほうが心配だ。必要なのはお祓いではなくカウンセリングであろう。

覗く瞳」(★)は、中学時代に友人たちと温泉に旅行に泊まりに行ったときに撮影したもの。たしかに奇妙な〈瞳〉が出現している。ホンモノだとして、やはりこういうふうに現われるものだろうか? 向きが逆さまなのも気になる。

呪われた家」(★★)は、有名な心霊スポットで肝試しをした際に撮られた映像。スローで再生するとアラが目立ってしまうのだが、状況はなかなか不気味である。この廃墟は雰囲気があるので、もっと探索してもよかったのでは? 投稿者たちが逃げ出してしまうのはしかたないとして、スタッフも現地に検証しに行ったのなら、もっといろんな場所を映してほしかった。

『ほんとにあった!呪いのビデオ19』

  • 「日曜日の公園」★
  • 「シリーズ監視カメラ レンタルビデオ」★
  • 「御盆の夜」★
  • 「子供の日」★
  • 「着信」★
  • 「学生映画に映り込んだ怨念」★
  • 「パレード」★
  • 「シリーズ監視カメラ 人身事故」★
  • 「続・着信」★

[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2006年3月3日発売]

このパートも不作が続く。興味をひかれる現象が見られる作品もあるのだが、ニセモノっぽさも漂い、全体的なクォリティーは低いと評価せざるをえまい。

日曜日の公園」(★)は、公園で娘を撮影している映像。そこに映っているモノは、たしかに異様。でも、ナレーションや証言にあるような存在には見えない。

シリーズ監視カメラ レンタルビデオ」(★)は、レンタルビデオ店の防犯カメラがとらえた怪異。リプレイで拡大して初めてその存在がわかる。これもナレーションや証言にあるようなモノには見えない。本題と関係ないが、店内にやけに壮大な音楽が流れているのが気になった。

御盆の夜」(★)は、お盆休みに帰郷した際に撮影されたビデオ。面白い現象ではあるが、動きが人工的。奇妙な音も後づけのように思う。

子供の日」(★)は、子どもの日に家族や近所の人々が集まって祝っている様子を映したもの。怪異は偶然そのように見えるのか、合成なのか、いまいちわからない。なんとも中途半端な作品といえる。

着信」(★)は、留守番電話に霊らしき存在の声が録音されているという。不可思議な現象のようにあつかっているが、ただの間違い電話ではなかろうか? 経緯がよくわからないのだが、テレビで放映されなかったもののDVD化はされたということだろうか? 細かいことだが、投稿者の女優さんの本名と顔が出ているのに、所属しているプロダクションの名前が匿名なのは不自然では?

学生映画に映りこんだ霊」(★)は、大学の映画サークルで撮影された映像に不可解なモノが映る。2つのカメラの映像を見比べる趣向は評価したい。だが、どこに異変が映っていたのかまったく気づかなかった。リプレイの映像を見る限りは、合成のように見える。しかも証言とは微妙にちがっている気がする。

パレード」(★)は、商店街でパレードが行なわれている様子をおさめたビデオ。リプレイの静止画でしかわからないモノが出現する。ニセモノっぽさもホンモノっぽさもない。

シリーズ監視カメラ 人身事故」(★)は、事故防止のために駅のホームに設置された監視カメラの映像。非常に珍しいタイプの作品で、初めからこれは心霊現象でないと言っている。でも、不可思議な現象にはちがいない。なお、問題の男性には影がない。これがなにを意味するのか……。

『ほんとにあった!呪いのビデオ20』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』焼け残った怨霊

「焼け残った怨霊」©2006 NSW/パル企画

  • 「焼け残った怨霊」★★★★
  • 「スタント」★
  • 「私がもう一人…」★★★
  • 「暴力の理由」★
  • 「お料理会」★
  • 「教育ビデオ」★
  • 「シリーズ監視カメラ 誰もいない会社に」★
  • 「添付された呪い」★★

[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2006年6月2日発売]

パート20は「焼け残った怨霊」(★★★★)「私がもう一人…」(★★★)が見どころ。こうした良作が入っているので全体的に盛りかえしてきた印象はあるが、シリーズのクォリティーを取りもどすところまでには至っていない感じだ。

スタント」(★)は、テレビ番組の戦隊ヒーローの撮影中にとらえられた怪異。あまりにピンポイントな場所に異形が現われる。こういうのは怖さを感じないし、ホンモノらしさもない。

私がもう一人…」(★★★)は、投稿者が友だちと遊びに行った際、受験勉強のため参加できなかった友人に向けて撮影されたメッセージビデオ。そこに奇妙な人物が映る。合理的に考えれば、似ている人だと思われる。そうだとしても、映りかたが不気味で、なかなかの良作。

暴力の理由」(★)は、夫の暴力に悩まされている女性が証拠に残すために撮影したもの。たしかに不気味な異変が起こるが、この怪奇現象と暴力の間に因果関係があるのだろうか。あると言いたいのだろうが、いたずらに関連づけていいものか……。

お料理会」(★)は、高齢者たちによる料理会の映像。ピンポイントすぎる場所に奇妙なモノが現われる。異形はこんなところに現われて、なにを訴えたかったのか?

教育ビデオ」(★)は、教育ビデオに不可解なものが現われる。問題の人物が死ぬ前につくられた映像にその人物が映りこんでいる。これは不自然。時間を超越したということだろうか?

シリーズ監視カメラ 誰もいない会社に」(★)は、ビルに設置された監視カメラの映像。怪異がずっと映っているのは珍しい。ただ、懐中電灯とは別の灯りでできた影のようにも見える。どういう理屈でこのように映るのかが謎。

添付された呪い」(★★)は、投稿者の学校で流行っていたチェーンメールに添付された映像。いろいろがつくお話。外堀を埋めるように盛りあげていく。肝心の部分はまるっきり人形だが、だからこそ不気味さがあるともいえる。

それにしても、送り主がわからず、しかも文章が文字化けしているメールに添付されたファイルを開くなど、心霊現象とは無関係にやってはならないことである。

『ほんとにあった!呪いのビデオ21』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』鏡の中

「鏡の中」©2006 NSW/パル企画

  • 「駅のホーム」★★
  • 「ヘリコプター」★
  • 「余命」★★★
  • 「誘拐」★★
  • 「消費者金融」★
  • 「オーディション」★
  • 「鏡の中」★★★★
  • 「文化祭の噂」★★
  • 「続・誘拐」★★

[演出:福田陽平/構成:福田陽平/ナレーション:中村義洋/2006年8月4日発売]

パート21は、インパクトのある映像というより、じわじわと恐怖が忍びよるような作品が多い印象。例外は「鏡の中」(★★★★)で「最恐映像42選」の一作に加えている。

駅のホーム」(★★)は、投稿者が飲み会の帰りに撮った映像。駅のホームと電車の間に奇妙なモノが映る。ここまではっきりとしているのは珍しい。合成した感じも受けない。なかなかクオリティーの高い一作。

ヘリコプター」(★)は、観光でヘリコプターに乗ったときの映像。こちらは打って変わって合成っぽい仕上がり。カメラのブレと無関係に動く(異形像微動)のは不自然だろう。

余命」(★★★)は、入院している友人を見舞った際の映像。けっこう不気味で悪くないが、冷静に観ると、画面との調和に違和感があり合成の疑いは拭えない。ただ、怪奇現象とは別に、物悲しいエピソードで、本作はそこを見るべきかも。

誘拐」(★★)は、娘の誕生日会の様子をおさめたビデオ。これも不気味な映像といえる。やはり本題は投稿映像より、それにまつわるお話のほうだろう。

続・誘拐」(★★)のほうは、話が作りこまれ、ダメ押しの映像もあったりしてなかなかの力作。のちの取材モノのプロトタイプといえる。一方で、よくできすぎているぶん、嘘っぽさも漂ってしまっているので、匙加減が非常に難しいタイプの作品でもある。

消費者金融」(★)は、金融業者の取り立てに悩まされる投稿者が記録した映像。リプレイでも奇妙な〈声〉は聞こえなかった。ただのノイズでは?

オーディション」(★)は、映画のオーディションの様子を撮ったものだが、心霊現象に見えない。投稿者はなぜこれを異様だと思ったのか。ただ、この場所でたびたび心霊現象が起こっているそうなので、それはそれで検証する必要はありそうだ。

文化祭の噂」(★★)は、とある高校で「絶対見てはいけない」と言われているビデオ。映像にはたしかに不可解なモノが映っているし、はっきりもしているのだが、ナレーションの説明とは少し異なるように思う。でも、なにかはわからないので、そこに不気味さがある。

『ほんとにあった!呪いのビデオ22』

  • 「シリーズ監視カメラ 夜のオフィスビル」★★
  • 「監禁」★
  • 「不倫カップル」★
  • 「キャッチセールス」★
  • 「マンション紹介ビデオ」★
  • 「通り魔」★
  • 「フットサル」★★
  • 「続・監禁」★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2006年12月8日発売]

このパート22から演出が児玉和土氏に交代。児玉氏は本シリーズを今日まで存続させた功労者だと当ブログは評価しているが、その本領はまだ発揮されていない。注目すべき映像もあるが、手放しで評価できる良作もない感じだ。

シリーズ監視カメラ 夜のオフィスビル」(★★)は、とある会社のビルのなかを映した映像。異変が起こるまできわめてふつうなだけに、インパクトがある。なお、問題の女性には影がない。

監禁」(★)は、他人の出したゴミを拾って見るのが趣味という投稿者から送られてきたビデオ。設定は手が込んでいるが、投稿映像にはなにが映っているのかわからない。タイトルにあるように監禁が疑われるわけだが、投稿者とスタッフの思いこみに過ぎない。ただ、それはそれでリアリティーをもたらしてはいるが。

続・監禁」のほうでは、取材時に異様なモノが映ったと紹介されるのだが、まったくもってそうは見えない。パート22でもっともこじつけの強い映像である。

ただ、その「異様なモノ」が映る瞬間、DVDが停止したので驚いてしまった。ホンモノだからか……?

不倫カップル」(★)は、男性と不倫の関係にあった投稿者の女性が遊園地で撮影した映像。異形がはっきりと映っているが、カタチと動きが書き割りみたいだ。

キャッチセールス」(★)は、化粧品のキャッチセールスの様子を盗撮したもの。問題の部分は、テーブルの染みではないだろうか? キャッチセールスの女性の喋りかたが味わい深い。本作はむしろそっちを楽しむべきだろう。

マンション紹介ビデオ」(★)は、ウィークリーマンションを紹介するインターネットの映像のためにつくられたビデオ。ナレーションの言うような存在が映っているようには見えない。例のごとく、どうやってそれを発見したのか。そっちのほうが気になる。

通り魔」(★)は、殺人事件の現場を撮影しサイトで発表するという変わった趣味を持つ投稿者から送られてきた映像。なにかが映っているのはたしかだが、ナレーションの説明が的確かどうかは不明。スタッフが現地に行ったのであれば、そこを確認すべきだったのでは?

フットサル」(★★)は、フットサルの試合を記録したビデオ。そこに映ったモノは、かなり異様ないでたち。それにしても、これだけ多くの人が映っているなかでよく見つけたなと思う。

『ほんとにあった!呪いのビデオ23』

  • 「パリ旅行」★
  • 「シリーズ監視カメラ コインランドリー」★
  • 「カラオケボックス」★
  • 「ボクシングジム」★
  • 「廃神社」★★
  • 「文化祭」★
  • 「鉄棒」★
  • 「花火族」★
  • 「続・廃神社」★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2007年3月2日発売]

パート22は、全体的に現われるモノがいかにも画像を貼りつけたような仕上がり(平面像密着)。映像のインパクトよりも怪異の背景にこだわっている観がある。心霊映像としてはネタ切れだろうか。

パリ旅行」(★)は、新婚旅行でパリを訪れたときに撮られた映像。異形は例によって動きが人工的すぎる。心霊現象という感じを受けない。

シリーズ監視カメラ コインランドリー」(★)は、コインランドリーを経営する人物から投稿されたもの。「ここに現われるのでは?」と思った場所に出現。つまり、いかにもおあつらえ向きだったということ。

カラオケボックス」(★)は、カラオケボックスで盛りあがる様子をケータイで撮影した映像。異形はナレーションの説明どおりに見えるものの、ただ画像を貼りつけただけのようでもある(平面像密着)。

ボクシングジム」(★)は、投稿者の友人のプロボクサーが練習している風景を撮ったもの。奇妙なモノが映っているが、なぜその向きなのか? 〈それ〉に見えるなにかだったのでは?

廃神社」「続・廃神社」(★★★)は、若いカップルがドライブの途中で廃墟と化した神社に立ちより、怪異に遭遇する。映像に映るモノは、やはり画像を貼りつけたような印象(平面像密着)。ただ、その造形が不気味なのと、がつくりこまれているため、それなりに楽しめる。

文化祭」(★)は、投稿者がかつて通っていた学校の文化祭を撮影したもの。本作も画像を貼りつけたような感じ(平面像密着)。この世のモノでない存在だったとしても、そこにいるという実在感がほしい。

鉄棒」(★)は、公園で遊ぶ自分の息子を映した映像。謎の〈首〉が映りこむが、そう見える別のなにかという気もする。怪異の背景が凝っているので作品として悪くはないが、投稿映像はカメラワークがやや不自然。スタッフが現地に取材に行ったのであれば、その場所を少し調べてもよかったのではないか。死者が訴えていたのかもしれない。

花火族」(★)は、河原で花火に興じる若者たちをとらえたもの。現われるのは、映像を一時停止しなければわからない存在。そういうのはどうにも胡散臭い。

『ほんとにあった!呪いのビデオ24』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』ダビング

「ダビング」©2007 NSW/パル企画

  • 「キャンプ」★
  • 「新婚家庭」★
  • 「少年野球」★
  • 「ダビング」★★★★★
  • 「洞窟」★★
  • 「深夜の路上」★★
  • 「シリーズ監視カメラ 漫画喫茶」★★
  • 「ギリシア留学」★
  • 「続・ダビング」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2007年6月8日発売]

このパート24には、傑作「ダビング」(★★★★★)が収録されており、それだけでも観る価値はあるだろう。そのほかは、全体的に合成感のある作品が多い印象だが、造形が不気味なので、それなりに恐怖度は高いといえる。

続・ダビング」(★★)のほうは、スタッフによる取材が中心。ダビングした張本人とおぼしき人物から送られてきたという手紙の内容が良い。この小道具の使いかたはお見事。ほんとうに怖いのは心霊ではないという落としどころも評価したい。

キャンプ」(★)は、大学生がキャンプを楽しむ映像。やはり異形が平面的すぎる(平面像密着)。いかにも合成という感じだ。

新婚家庭」(★)は、投稿者が友人の夫婦の家を訪れた際に不可思議な現象に遭遇する。この現象がなにを意味するのかわからない。人知を超えたモノの働きかけで起こったのだとしても、その仕組みが不明。作為的に写真を加工する以外の方法が思いうかばない。となると、実際は写真をすり替えたと考えるのが合理的なのだが。

少年野球」(★)は、子どもが野球の試合をしている様子をおさめたもの。言われればたしかに〈それ〉に見えるが、初見では、騒ぐほどでもないなにかがあるとしか思えない。〈それ〉だとすると、サイズも不自然だ。

洞窟」(★★)は、カップルが観光スポットの洞窟を訪れたときの映像。異形はうまく背景になじんでおり、違和感のないのが良い。

深夜の路上」(★★)は、投稿者が寮で見つけたビデオテープの映像。若者たちが心霊番組ごっこをしている様子がおさめられている。現われるモノは、なかなか不気味な造形。ただ、よく見ると小刻みに動いている(異形像微動)。ごっこ遊びをしていることを考えると、彼らが仕組んだのかもしれない。

シリーズ監視カメラ 漫画喫茶」(★★)は、漫画喫茶に設置された監視カメラに異様な人物が映る。この異形の造形は不気味。ただ、都合の良いタイミングと場所に出現している観がないでもない。

ギリシア留学」(★)は、投稿者がギリシアに留学した際に撮った映像。異形のサイズが常軌を逸している(過剰規模像)。その場の状況はよくわからないが、像を投影するものがあったのではなかろうか?

『ほんとにあった!呪いのビデオ25』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』不気味な女

「不気味な女」©2007 NSW/パル企画

  • 「半面の男」★★
  • 「不気味な女」★★★★★★
  • 「ロッククライミング」★
  • 「僕の恋人」★
  • 「サファリパーク」★
  • 「シリーズ監視カメラ 家庭用監視カメラ」★★
  • 「熊野観光」★
  • 「続・僕の恋人」★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2007年8月3日発売]

パート25には、当ブログが「最恐のなかの最恐」と評価する「不気味な女」(★★★★★★)が収録されている。この一作があるだけで、このパート25に収録されたほかの作品も呪われてしまっているかのような凄みを感じる。児玉和土氏の手腕がいかんなく発揮された大傑作だ。「不気味な女」のためだけにこのパートを観る価値は十分にある。

半面の男」(★★)は、大学生が廃墟を訪れた際に遭遇した恐怖。映像は迫力があるが、いかにも作りものっぽいところがマイナスだ。

ロッククライミング」(★)は、ロッククライミングをしていた投稿者が怪異を撮影する。異変がはっきりと見えるので不気味。だが、カメラのパンに合わせて現われ消える(出現域制御)のは、いささか都合がよすぎるだろう。

僕の恋人」(★)は、若い女性が夜道を歩いている映像。撮影された経緯に焦点をあてた一編といえる。映像そのものは、いかにも合成という感じだ。「続・僕の恋人」(★)の映像のほうが、まだ不気味さがある。

サファリパーク」(★)は、投稿者の家族がサファリパークに遊びに行ったときに撮られたもの。最初は〈それ〉がどこに出現しているのか、まったくわからなかった。何回目かのリプレイでやっと発見。なにもこんなところに出てこなくてもいいのに、というのが正直な感想。

シリーズ監視カメラ 家庭用監視カメラ」(★★)は、とある一軒家に設置された防犯カメラの映像に、奇怪な現象が映し出される。いろいろ怪異の背景が語られるが、理屈が合いすぎて、かえって恐怖心を削いでいる気もする。

熊野観光」(★)は、カップルが観光旅行の様子をおさめたもの。いかにも映像のトリックという印象を受ける。その場で起こった怪奇現象とは思えない。映像はそれなりに不気味だが。

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『ほんとにあった!呪いのビデオ26』

  • 「バンコク観光」★
  • 「セミナー・キャンプ」★★★
  • 「湯灌(ゆかん)」★★★
  • 「廃屋の住人」★
  • 「オークション」★
  • 「合唱」★
  • 「シーソー」★
  • 「続・オークション」★
  • 「シリーズ監視カメラ 製作委員会スタッフルーム」★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・菊池宣秀/ナレーション:中村義洋/2007年11月2日発売]

パート26は「セミナー・キャンプ」(★★★)「湯潅(ゆかん)」(★★★)が良作なので、一定のクォリティーは保っているといえる。これくらいの作品がもう2〜3つほしいところだが……。

バンコク観光」(★)は、投稿者がタイのバンコクにツアー旅行へ行った際に撮ったもの。なぜよりにもよってこんな場所に? という場所に異形が現われる。やはり小刻みに揺れていて(異形像微動)、合成の疑いがある。

セミナー・キャンプ」(★★★)は、バンガローで開催されたセミナーの様子を撮影した映像。あとで振りかえると「ビデオレター」の二番煎じとわかるのだが、初見ではそれなりにインパクトがある。現われたモノがやや平面的なところが惜しい。

湯灌(ゆかん)」(★★★)は、メイクごっこをしながらふざけている様子をとらえた映像。合成ではなく、そこに確実に存在した実在感があるので不気味。ただ、被写体がうまく出現ポイントを隠しているし(出現域制御)、マネキンの首がたまたま(あるいは意図的に)そこに置いてあった可能性もある。メイクの練習用のマネキンだったのでは?

廃屋の住人」(★)は、廃墟探検を趣味とする投稿者が撮影したもの。新しいパターンの怪異といえる。2つ目のモノは合成が粗い感じも。

オークション」(★)は、卒業を控えた大学生が、親しい友人と自宅でお別れ会を催したときに撮ったもの。映像より怪異の背景が凝っている。それだけに作りものっぽくなってしまったのは残念。投稿映像は、ほかの作品とおなじように合成感が漂う。撮影者が異変に気づきながら、フレームアウトさせてしまったのはなぜか? 肉眼でたしかめようとしたのだろうか。

合唱」(★)は、中学生の合唱コンクールの模様をおさめた映像。これも珍しい現象といえる。これがなにを意味するのかが不明で、ほんのり不気味さが漂う。

シーソー」(★)は、高校生の投稿者が恋人と深夜の公園でデートをしている様子を携帯電話で撮影した映像。得体の知れない〈なにか〉が映っているのはたしかで、そこはよくできている。ただ、ナレーションで言うような存在に見えない。本作もが作りこみすぎている観がある。

シリーズ監視カメラ 製作委員会スタッフルーム」(★)は、スタッフルームで起こった怪異の数々をとらえる。スタッフのフィールドだから、いかようにもできそうだが……。奇妙な〈影〉は、スタッフ・菊池さんがよそ見をしているときに現われたり消えたりするので、往年のドリフのコントを見ているかのようだ。

『ほんとにあった!呪いのビデオ27』

  • 「誕生会」★★
  • 「シリーズ監視カメラ 製作委員会スタッフルーム」★★
  • 「NPO」★
  • 「ビデオ・チャット」★★
  • 「シリーズ監視カメラ2 製作委員会スタッフルーム」★★
  • 「フリスビー」★★
  • 「ボーリング」★
  • 「シリーズ監視カメラ3 製作委員会スタッフルーム」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2008年2月8日発売]

パート27は、全体的には地味ながら、映っているモノがそれなりに不気味なのは評価できる。

このパートでメインとなるのが「シリーズ監視カメラ 製作委員会スタッフルーム」(★★)。パート26に引き続きスタッフルームで起こった怪異の謎を追う。設定が作りこまれ、サスペンス作品として見れば、なかなか楽しめる。

とはいえ、スタッフ・岩澤さんの身に起こったことは心霊現象ではなく、過労が原因ではないだろうか。それも専門家の手助けを必要としているようにも見える。深夜オフィスの床で寝袋にくるまって寝なければいけないのは、まともな労働環境とは言いがたい。

本題である1つめの映像に記録された怪現象は、ノイズかなにかでは? 奇妙な夢についてもっともらしく語られるが、なんの意味があるのかは定かではない。こういう仕事をしているのだから、怖い夢も見よう。

2つめの映像は興味深いが、これがなにを意味するのか、ナレーションにもあるように不明だ。一連のストーリーのなかで登場する映像だから、それなりの意味はあるのかもしれないが。3つめの映像は光の加減にしか見えない。ただ全体的に不気味な雰囲気が漂っているのは良い。

結局のところ、本作は映像は本題ではないのだろう。

誕生会」(★★)は、投稿者が仕事先の仲間と誕生会を祝ったときの映像。それなりに不気味だが、カメラワークが怪しい。まるでそこに映るということをあらかじめ知っていたかのような動きである(出現域制御)。

NPO」(★)は、体育館で行なわれたNPO団体の会合を記録したもの。異様なモノが浮かんでいるが、ディスプレイの一種のようにも見える。

ビデオチャット」(★★)は、ビデオチャットの会話を記録した映像。なかなか不気味だが、やはり〈出現域制御〉の問題がある。

フリスビー」(★★)は、夜の大学構内でフリスビーで遊んでいるときに異形が現われる。本作もそれなりに不気味さを漂わせるが、フレームギリギリに映るところに怪しさが残る。

ボーリング」(★)は、ボーリング場に現われる異形をとらえたもの。光の加減のようにしか見えないのだが。

『ほんとにあった!呪いのビデオ28』

  • 「戦争遺跡」★
  • 「シリーズ 監視カメラ 駐輪場」★
  • 「ITバブル」★
  • 「渓谷」★
  • 「霊の通り道」★
  • 「地震」★
  • 「面接」★★★
  • 「合格祝賀会」★
  • 「続・渓谷」★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2008年6月6日発売]

パート28は全体的にパッとしない。「面接」(★★★)に現われるモノだけはズバ抜けて不気味だが……。

戦争遺跡」(★)は、太平洋戦争の遺跡がある公園で撮影された映像。不気味な音だけが聞こえるのはパート15「ニューロシス」にも似ている。投稿映像からはわからないが、当人たちにはどんなふうに聞こえていたのだろうか? 観光スポットであることから、なにかのアトラクションだったとか……。

シリーズ監視カメラ 駐輪場」(★)は、駐輪場に設置された監視カメラが異変を映し出す。モノが不自然に動くが、〈霊〉の物理的な働きかけだとしたら、画期的な映像ということになるのだが。

ITバブル」(★)は、IT企業の社長がインタビューに答えている映像。現われる異形はカメラのフレームを理解していて(出現域制御)、ベテラン俳優であるかのよう。

渓谷」(★)は、ドライブを楽しんでいる映像。奇妙な〈声〉が聞こえる。「その場にいただれかのものではない」という投稿者の証言を信じてよいものか……。

続・渓谷」(★)のほうは、たしかに不自然なものが映っているが、なんだかよくわからない見た目である。投稿者の友人たちが不幸な目に遭っているのは、映像に映る異形があまりに強い力を持っている、ということなのか……。本作に限った話ではないが、異界のモノにそんな能力があるのだろうか?

霊の通り道」(★)は、大学生が部屋で酒盛りをしている映像。その部屋は「霊の通り道」と言いたいらしいが、それほど奇怪な現象には見えない。部屋にいた人物が映っているだけでは? テレビのほうにやたらカメラを向けているのもなんだか不自然。

地震」(★)は、車のなかから夕焼けを撮影していると、不気味な顔が大空に浮かぶ。実際にこういうふうに見える雲が出ていたのかもしれない。

面接」(★★★)は、アダルトビデオの出演者に面接をしている様子を記録したもの。現われるモノは不気味で、怪異の背景となる話も手が込んでいる。その話がほんとうだとすると、映像にずっと映っている女性は幽霊ということになるが、投稿者は女性に触れている。ふつうの人間が幽霊に直に接触する様子がとらえられているわけだ。映像がホンモノなら、これまでの科学の常識が覆るのだが。

合格祝賀会」(★)は、予備校の合格祝賀会に不可解なモノが現われる。書き割りみたいなシロモノである。

『ほんとにあった!呪いのビデオ29』

  • 「白面の女」★★★
  • 「占い師1」★★★
  • 「お正月」★
  • 「送別会」★
  • 「占い師2」★★★
  • 「シリーズ監視カメラ 市街地」★★
  • 「ダンス」★★
  • 「サマーキャンプ」★
  • 「占い師3」★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2008年8月8日発売]

パート29は三作に分かれた「占い師」(★★★)がメインとなる。本シリーズを特徴づける長編取材モノの始まりである。心霊現象の裏に深い背景が浮かびあがってくるのが長編の醍醐味だ。本作はいまから振りかえると、無難にまとまっている印象を受けるが、ほどよいリアリティーで悪くはない。

占い師1」(★★★)で紹介されるのは、アダルトサイトで配信されていた映像で、女性の部屋の様子を中継したもの。現象そのものがあまり怖くないのが惜しい。

占い師2」(★★★)は、一年前に投稿された映像に「占い師1」とおなじような異変が映っているというもの。出現のしかたがパート18「ビデオレター」と似ているので、どうしても二番煎じの印象をまぬがれない。また、カメラワークが不自然なのが恐怖感を削いでいる。おあつらえ向きの場所に異形が出現し、どういう状況で撮っているのか、不審感が募る。

占い師3」(★★★)では、スタッフが仮説を立てる。異界のモノが映像に映るくらいならともかく、人を消してしまうほど力を持っているのは信じがたい。心霊現象ではなく別の原因の可能性もありそうだが……。

白面の女」(★★★)は、投稿者が温泉旅行に行った際、旅館の裏にあった廃墟を探索しながら撮影したもの。カメラワークが不自然な気がする。異変に気づいて逃げ出すタイミングも早すぎないだろうか。とはいえ、現われるモノの造形が不気味なので恐怖度はそれなりに高い。

お正月」(★)は、新年を迎えた家族の団欒を映したもの。異形が突然フレームインしてくるのでびっくりするが、異形は静止画である。

送別会」(★)は、居酒屋で行われたアルバイトの送別会で異変が映りこむ。不気味な造形だが、やはり「なぜそんなところを撮っているのか」と、カメラワークの不自然さが気になる。

シリーズ監視カメラ 市街地」(★★)には、交差点を歩く人々の様子がとらえられている。一見すると地味な現象であり恐怖感は高くないが、人知れず街の片隅でこのようなことが起こっていると考えると不気味さが際立つ。

ダンス」(★★)は、振付け師の投稿者が深夜の公園で踊っている様子を撮影したもの。現われるモノは不気味なのだが、典型的な〈出現域制御〉である。怪異のも語られるが、なにもわからないほうが怖かったのでは?

サマーキャンプ」(★)は、海で行なわれたサマーキャンプで異変が起こる。過去作にも似たようなネタがあったが(パート25「ロッククライミング」)、こちらはちょっとデフォルメされている。ゴミかなにかだと思ったが、直後に消えており、そこが不可解といったところか。

『ほんとにあった!呪いのビデオ30』

『ほんとにあった!呪いのビデオ30』不気味な女後日談

「『不気味な女』後日談 後編」©2008 NSW/パル企画

  • 「山スキー」★
  • 「シリーズ監視カメラ 専門学校」★
  • 「観覧車」★
  • 「川遊び」★
  • 「『不気味な女』後日談 前編」★★
  • 「テーマパーク」★
  • 「夢遊病」★★
  • 「人形を見つめる眼」★
  • 「『不気味な女』後日談 後編」★★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2008年11月7日発売]

パート30は「『不気味な女』後日談」(★★★★)が良い。ただそれは正編の「不気味な女」が怖すぎるせいもあるだろう。ほかの作品は全体的に評価が低いが、観る側の期待値が高いせいもあるかもしれない。

山スキー」(★)は、大学の山岳部に所属する投稿者が冬山で撮った映像。異変は初見ではわからず、リプレイでも見つけられなかった。やはり、そう見えるなにかだったのでは?

シリーズ監視カメラ 専門学校」(★)は、専門学校の監視カメラに不可解な影が映る。非常に微妙な現われかたでシリーズの初期のような趣。かえってホンモノらしいともいえるかもしれないが。

観覧車」(★)は、遊園地の観覧車に乗り、結婚式の2次会で流すための映像を撮影していると、奇妙なモノが現われる。不気味な造形で悪くはないが、撮影者の驚くタイミングが早すぎないだろうか? なにが起こっているかわかるまでにしばらく時間がかかりそうなのだが。も語られすぎの観がある。異形が平面っぽい(平面像密着)のも気になる。

川遊び」(★)は、大学生たちが川で水遊びをする様子をおさめたもの。異様なモノが映っているのはたしかだが、フレームギリギリに現われるので、これもそう見えるなにかだった可能性がある。

テーマパーク」(★)は、テーマパークに家族旅行に行った際に撮られた映像。上の「観覧車」とおなじパターン。こちらは撮影者は異変に気づかない。しかもやはり平面的。

夢遊病」(★★)は、投稿者が自分の寝室を映したもの。本作は新しいパターンの怪現象。ただ、背景にあるエピソードがくわしく語られると、恐怖が和らいでしまう。それに〈霊〉の類でもなんでもないモノをズームアップしても怖くないのだが。

人形を見つめる眼」(★)は、「心霊博士」と名乗る人物から届いたビデオテープ。廃墟のホテルを探索する様子がとらえられている。「心霊博士」は大前を切るが、そのわりにたいしたことのない映像である。

『ほんとにあった!呪いのビデオ31』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』冥界へとつながる森

「続・冥界へとつながる森」©2009 NSW/パル企画

  • 「ストリートミュージシャン」★
  • 「バスケットボール」★
  • 「障害者マラソン」★
  • 「冥界へとつながる森」★★★
  • 「日暮れる動物園」★
  • 「心霊スポット トンネル」★
  • 「シリーズ監視カメラ アダルトビデオショップ」★
  • 「サンバ」★
  • 「続・冥界へとつながる森」★★★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2009年3月6日発売]

パート31は、「冥界へとつながる森」(★★★★★)が秀逸。いよいよ本シリーズの真価が発揮されてくる。怖い映像は巻末の「続・冥界へとつながる森」まで待たねばならぬが、そこに至るまでにうまく雰囲気を盛りあげている。そのぶん、ほかの作品の不作ぶりが目立ってしまうのが残念ところだが……。

ストリートミュージシャン」(★)は、ストリートミュージシャンが歌う映像に異界のモノが映りこむ。典型的な〈出現域制御〉の問題がある作品。

バスケットボール」(★)は、体育館で行なわれた練習風景をおさめた映像に不気味な存在が映っている。異形の色が珍しい。ただ、〈出現域制御〉は気になる。

障害者マラソン」(★)は、障害者マラソンが行なわれている路上に奇妙なモノが浮かびあがる。撮影しているときに気づいても良さそうなのだが。〈異形像微動〉〈過剰規模像〉の問題もある。

日暮れる動物園」(★)は、閉園直前のひとのない動物園を撮影した映像。〈出現域制御〉が気になる。異形は珍しいパターンの現われかただが、どんな意味があるのだろう?

心霊スポット トンネル」(★)は、カップルが心霊スポットを訪れたときに撮られたもの。はっきりと異形は確認できるが、〈平面像密着〉の問題がある。角度も不自然である。

シリーズ監視カメラ アダルトビデオショップ」(★)は、深夜のアダルトショップで奇怪なモノが現われる。いかにも合成という印象。それも粗い仕上がり。

サンバ」(★)は、サンバのパレードの群衆に紛れて異界のモノが映りこむ。なぜよりにもよってその位置に? という素朴な疑問がわく。よく見つけたなともいえるシロモノ。

『ほんとにあった!呪いのビデオ32』

  • 「運動会」★
  • 「犬の散歩」★★
  • 「クラブ・イベント」★
  • 「不在」★
  • 「シリーズ監視カメラ ネットカフェ難民」★
  • 「タクシー」★★★
  • 「赤い人」★
  • 「Twenty Seven 前編」★★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2009年6月5日発売]

パート32は、「夏の三部作」の第1弾で、3巻にわたって展開する「Twenty Seven」(★★★★)がメイン。作品が巻をまたぐのは初の試みだ。投稿映像は「最恐映像42選」にランク入りしているし、取材部分もうまく雰囲気を盛りあげている。

運動会」(★)は、小学校の運動会を記録した映像。現われるモノがとってつけたような感じできわめて不自然。造形も雑すぎると思う。

犬の散歩」(★★)は、投稿者が愛犬を連れて公園をしていたときにとらえた怪異。それなりに不気味で悪くはないのだが、パート12「夜の散歩」とネタが被っていて、そのぶんがマイナス。

クラブ・イベント」(★)は、クラブで催されたイベントの様子をおさめた映像に異様なモノが映りこむ。投稿映像の序盤になにかをスクリーンか壁に投影しているシーンがある。現われた異形の像もじつはイベントの演出だったのでは?

不在」(★)は、大学の同窓会を撮影したもの。参加者のひとりに異変が起こる。不思議な映像であることはたしかで、いわゆる警告のような意味合いを読みとりたいところだが、結局はこじつけになってしまう。

シリーズ監視カメラ ネットカフェ難民」(★)は、ネットカフェで不可解な人影が映る。きわめてオーソドックスな心霊現象。かえってホンモノらしいともいえるが、恐怖度は低い。

タクシー」(★★★)は、タクシーの防犯カメラがとらえた怪現象。実際にこの光景を目にしていたらかなりの恐怖だったろう。本題と関係ないが、窓から見える車外の風景も合成のように見える。

赤い人」(★)は、ドライブをしているときに偶然撮られた映像。典型的な〈出現域制御〉だが、異形が「赤い」のが珍しい(もっとも前のパートに似たようなモノがあるが)。

『ほんとにあった!呪いのビデオ33』

  • 「ドライブレコーダー」★
  • 「奇妙な客」★★★
  • 「植物園」★
  • 「祭り」★
  • 「シリーズ監視カメラ 女子寮」★★
  • 「お見合いビデオ」★★★
  • 「Twenty Seven 中編」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2009年7月3日発売]

「夏の三部作」の第2弾。前巻から引きつづき長編「Twenty Seven」(★★)がメインとなる。取材部分はサスペンス調の展開で盛りあがるが、紹介される映像があまり怖くないのが惜しい。

ドライブレコーダー」(★)は、夜道を走る車のドライブレコーダーが奇怪な存在をとらえる。異形の出現する位置がカメラに近すぎる。これでは車のなかに入っている。そこが奇妙ということかもしれないが。

奇妙な客」(★★★)は、韓国風居酒屋に奇妙な人物が現われる。パート18「ビデオレター」と似たような出現のしかたで驚かされる。ただ本作はいずれも静止画なのが残念。

植物園」(★)は、差出人不明の投稿映像で、植物園をめぐる女性たちの姿が映っている。異様な存在が現われるのだが、いまいちわかりづらい。

祭り」(★)は、神社で行なわれていた祭の様子を映したもの。よりにもよってなぜこんなところに、という場所に異形が現われる。「そのように見えるもの」がそこにあったのかもしれない。

シリーズ監視カメラ 女子寮」(★★)は、女子大の学生寮のエレベーターに設置された監視カメラがとらえた映像。心霊現象が起こってからおさまるまでの一部始終が映っている点で画期的かもしれない。

お見合いビデオ」(★★★)は、結婚相談所に登録した男性のプロフィールビデオ。そこで起こる異変はなかなか不気味な現象といえる。なぜよりにもよってそんな場所に現われたのか。そこが不可解であり、面白くもある。

『ほんとにあった!呪いのビデオ34』

  • 「シリーズ監視カメラ 団地」★★
  • 「動画サイト」★★★
  • 「雪祭り」★
  • 「念写」★
  • 「バーベキュー」★★★
  • 「出てはいけない」★★
  • 「悪酔い」★
  • 「Twenty Seven 後編」★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2009年8月7日発売]

「夏の三部作」の第3弾。3巻にわたって展開してきた「Twenty Seven」(★★★)が完結。全体的にストーリー展開と設定にこだわった力作で、その創作姿勢は評価したい。いろいろ明らかになっていくのだが、だからなに? と疑問もわく。理屈で説明がつくことにより恐怖感が和らいでしまうのだ。ここで紹介される心霊映像も「前編」の映像ほど不気味さがないのが惜しまれる。

また、このパートあたりから、〈霊〉の姿が小刻みに震える〈異形像微動〉は見られなくなる。映像技術の発達によるものだろうか。

シリーズ監視カメラ 団地」(★)は、団地の入り口に設置された監視カメラに映った異変。不可解な映像が紛れこみ、さらに異形が現われるという二段構えの構成が面白い。ふたつの映像になにか因縁があれば、さらに不気味さが増したのだが。

動画サイト」(★★★)は、部屋で怪談の百物語をしている様子をとらえたもの。心霊現象そのものはたいしたことないが、シチュエーションが不気味で、緊迫感が漂っている。異形はもう少しわかりやすく出てほしかった。

雪祭り」(★)は、札幌で開催された雪祭りを車のなかから撮影したもの。初見では異変に気づかなかったが、指摘されると、はっきり映っているのがわかる。残念ながらあまり怖くない。

念写」(★)は、投稿者の夫婦が水族館で撮影したもの。不可思議な現象がとらえられているが、これも最初は異形に気づかず、リプレイではっきりと映っているのがわかった。

バーベキュー」(★★★)は、河原でバーベキューを楽しむ様子を撮影した映像。異形にはその場にいたような実在感があり不気味だ。なぜそんな場所に、そんなふうに現われたのかは不可解だが。

出てはいけない」(★★)は、公園で演劇の練習をしているとき、近くの公衆電話が鳴る。異変が起こるシチュエーションは面白いが、異形の出現のしかたが作為的な気がする。

悪酔い」(★)は、居酒屋で宴会をしている様子を映したもの。不可解な存在が現われるが、光と影による錯覚ではなかろうか。

『ほんとにあった!呪いのビデオ35』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』肝試し

「肝試し 後編」©2009 NSW/パル企画

  • 「中古ビデオカメラ」★★★
  • 「海岸」★
  • 「シリーズ監視カメラ 河川」★
  • 「肝試し 前編」★
  • 「家族旅行」★★★
  • 「黒い物体」★★★
  • 「暗闇から」★★
  • 「バナナの叩き売り」★
  • 「肝試し 後編」★★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・猪原健太/ナレーション:中村義洋/2009年12月4日発売]

パート35は、「肝試し」(★★★★)が秀逸で、「後編」の映像は「最恐映像42選」にも入れている。そのほかのラインナップもクォリティーが高い。

また、このパートでは、さりげなく画面に映る小道具にも注目したい。棚に置かれた演出補・菊池さんの写真、インタビュアー・長田さんのTシャツに書かれた「呪い」の文字など。制作者の意図によるものか、そうでないのかは不明。

中古ビデオカメラ」(★★★)は、フリーマーケットで買ったビデオカメラにおまけで付いてきたテープの映像。異変は二段構えになっており、ひとつはデジタルビデオならではの事象で心霊現象ではないのかも。だが、もうひとつとの合わせ技で不気味さを醸し出している。

海岸」(★)は、真夏の海岸で遊ぶ若い男女の姿をとらえたもの。不気味のモノが映るが、その時間が短すぎてわかりにくい。

シリーズ監視カメラ 河川」(★)は、河川にそなえられた監視カメラの映像。橋を自転車で通過する男性の背中に不可解なモノが見えるが、リュックなどの見間違いかもしれない。

家族旅行」(★★★)は、家族旅行で訪れた旅館の窓に恐ろしい存在が映りこむ。かなりはっきりと見えるので、撮影者がそこで気づいても良さそうなのだが。異形が静止画ではなく動画である点を評価したい。

黒い物体」(★★★)は、ラブホテルの部屋で携帯電話で撮影した映像。異様なモノの挙動に意表を突かれる。かなりはっきりと映っているが、肉眼ではどのように見えていたのだろう?

暗闇から」(★★)は、母親が子どもと花火を楽しむ様子を撮影したもの。異変がはっきりと見えるので、かなり不気味である。これなら撮影しているときに気づいても良さそうなのだが。

バナナの叩き売り」(★)は、バナナの叩き売りをしているテーブルに異様なモノが映ると説明されたが、まったくわからなかった。実際なにもなかったのでは?

『ほんとにあった!呪いのビデオ36』

  • 「シリーズ監視カメラ マンションの屋上」★
  • 「恨眼」★★
  • 「深夜のドライブ」★★★
  • 「体験入学」★★
  • 「呪いの携帯メール」★
  • 「騒音」★
  • 「テニス・サークル」★
  • 「続・呪いの携帯メール」★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2010年3月5日発売]

パート36は、2作に分けられた「呪いの携帯メール」(★★★)がメインのあつかい。友人の誕生日に携帯電話で撮ったお祝いのメッセージに異変が起こる。投稿映像やその後の展開、怪異の背景になかなかこだわりを見せる。

シリーズ監視カメラ マンションの屋上」(★)は、飛び降り自殺が多発するマンションの屋上に設置された監視カメラの映像。心霊現象としてはかなり地味。〈霊〉そのものの姿は見えないのだが、映っていても良かったのでは? そこが不合理ということで、ホンモノらしさはあるかもしれない。

恨眼」(★★)は、「心霊博士」と名乗る謎の人物(パート30にも登場)から送られてきた映像。初見ではなにが映っているのかわからなかったが、リプレイで確認するとなかなか不気味。前回はイマイチだったが、「心霊博士」の面目躍如といったところか。ただ、異形は〈非霊生者〉の観もある。

深夜のドライブ」(★★★)は、交通事故の模様を撮影していると奇怪な出来事が起こる。異形は静止画ではなく動いているのでインパクトがある。ただカメラワークがやや不自然な気も。

ところで、これが交通事故の被害者の〈霊〉だったとして、なぜ投稿者のところに現われたのだろう? 現場を撮影していたことをとがめる意図があったのか。死者はそこまで気にするのか……と疑問を抱くのは野暮なのかもしれないが。

体験入学」(★★)は、映像専門学校の体験入学で、参加者が街の一角を撮影したもの。映りこんだモノは不気味だが、〈出現域制御〉の問題が気になる。

騒音」(★)は、階上の騒音に悩む投稿者の友人が抗議に行く様子をとらえたもの。霊とおぼしきモノが映るが、もうちょっと濃く出てきても良いのでは? 〈霊〉より住人のほうが不気味なのが本作のポイント。

テニス・サークル」(★)は、大学のサークルの練習風景を映したもの。ピンポイントな場所に異形が現われる。〈出現域制御〉とは別の意味でアングルが不自然な点にも注目したい。

『ほんとにあった!呪いのビデオ37』

  • 「呪いのわら人形」★★★★
  • 「隣人の声」★★
  • 「二つの眼」★★
  • 「狂死のビデオテープ 胎動」★
  • 「海岸の洞窟」★
  • 「シリーズ監視カメラ 自動車」★★
  • 「誕生日ケーキ」★
  • 「狂死のビデオテープ 続・胎動」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・猪原健太/ナレーション:中村義洋/2010年6月4日発売]

パート37から3巻にわたり、長い取材モノ「狂死のビデオテープ」(★★)が始まる。心霊映像らしきものも紹介されるが、このパート37に収録されているのはあまり怖くない。

呪いのわら人形」(★★★★)は、深夜の神社を訪れた投稿者たちが恐るべき体験をする。テレビの心霊番組でも紹介されたもので、かなりインパクトのある映像だ。自分がその場に居合わせたことを想像すると背筋が凍る。

隣人の声」(★★)は、隣室から聞こえてくる女性のあえぎ声を録ろうとすると異変をとらえてしまう。なかなか興味深いシチュエーション。本題の心霊現象より、投稿者の友人の目が光っている(ように見える)ほうが気になった。

二つの眼」(★★)は、投稿者が友人夫婦の家を訪れた際に撮られたもの。デジタルビデオにノイズが走り映像が紛れこむ。ややマンネリ気味のパターン。異形はあまりにはっきりしており、まばたきもするので、〈この世のモノでない〉という感じがしない(非霊生者)。

海岸の洞窟」(★)は、海岸のキャンプ地の近くにあった洞窟で撮影されたもの。不可解なモノがはっきりと見てとれるが、撮影しているときは気づかなかったのだろうか?

シリーズ監視カメラ 自動車」(★★)は、車に取りつけられた監視カメラの映像。イタズラ対策のために設置したという。いくつかの心霊現象が記録されているが、なんともバカ丁寧な現われかたという印象。

誕生日ケーキ」(★)は、バイト仲間同士で誕生会を開いた際の様子を撮影したもの。不可解なモノが映っているらしいが、わかりづらい。背後に不自然に映っている女性のことだと思ったが、ちがったようだ。

『ほんとにあった!呪いのビデオ38』

  • 「シリーズ監視カメラ 雑居ビルの廊下」★
  • 「夜景」★★★★
  • 「大学ゼミ」★★★
  • 「狂死のビデオテープ 暗躍」★★
  • 「焼身自殺」★
  • 「吹奏楽」★★
  • 「黒死女」★★★★
  • 「狂死のビデオテープ 続・暗躍」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・猪原健太/ナレーション:中村義洋/2010年7月2日発売]

パート38は前巻から引き続き「狂死のビデオテープ」(★★)が展開するわけだが、なかなかサスペンスを盛りあげ悪くない出来栄え。ただ、過去作(パート18「黒狐の終末」)に似ている気がしないでもない。

また、このパートには「最恐映像42選」に選んだ「夜景」(★★★★)「黒死女」(★★★★)といった佳作がおさめられている。

シリーズ監視カメラ 雑居ビルの廊下」(★)は、古いオフィスビルに設置された監視カメラの映像。不可解な人物が廊下を歩く様子が映っている。歩きかたが幽霊っぽくない(非霊生者)のが気になる。

大学ゼミ」(★★★)は、大学のゼミで行なわれた研究発表の様子を映したもの。これまでにない画期的な異変が起こる。後日談と合わせるとなかなかの恐怖といえる。

焼身自殺」(★)は、公園でバーベキューをしていると、奇怪なモノが現われる。微妙な現われかたで、過去作(パート29「送別会」)にも似ている。

吹奏楽」(★★)は、中学の吹奏楽部の演奏会を記録した映像に不可解なモノが映る。ピンポイントな出現のしかただが、存在感があるので不気味。

『ほんとにあった!呪いのビデオ39』

『ほんとにあった!呪いのビデオ』狂死のビデオテープ

「狂死のビデオテープ 続・蛮行」©2010 NSW/パル企画

  • 「廃 アパート探検」★
  • 「放火」★★★
  • 「仏像」★
  • 「赤子」★★
  • 「狂死のビデオテープ 蛮行」★★
  • 「残された動画」★★★
  • 「シリーズ監視カメラ 留守番モニター」★
  • 「狂死のビデオテープ 続・蛮行」★★★★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土・猪原健太/ナレーション:中村義洋/2010年8月6日発売]

3巻にわたり展開してきた「狂死のビデオテープ」(★★★★★)が完結。「続」で登場する心霊映像はなかなかの恐怖度で「最恐映像42選」にもラインナップしている。

廃 アパート探検」(★)は、だれも住んでいないアパートを深夜に探検している映像。ここで亡くなったとおぼしき人物の姿が映りこむが、かなり不自然。平べったい(平面像密着)のも気になる。

放火」(★★★)は、アパートの部屋をケータイのカメラで撮影していると、不可解なモノが映る。オーソドックスではあるが、それだけに良い現われかたともいえる。

仏像」(★)は、有名な仏像を撮影していると、不可思議な現象が起こる。フラッシュに照らされた一瞬だけ、異形が映る(刹那像)のはいかにも不自然である。

赤子」(★★)は、生まれたばかりの赤ん坊を撮影したもの。不気味な現象が起こるが、これがなにを意味するのか不明である。この赤ん坊が投稿者自身であることを考えると、不吉なことの前触れというわけでもなさそうだ。

残された動画」(★★★)は、投稿者のケータイに撮影した覚えのない映像が残っていたというもの。その事実も異様だが、映像もなかなか不気味なシロモノだ。

シリーズ監視カメラ 留守番モニター」(★)は、一人暮らしの父親の様子を記録したウェブカメラの映像。異界のモノがどこに出現しているかわからなかった。

『ほんとにあった!呪いのビデオ40』

  • 「社員旅行」★★
  • 「硫化水素」★
  • 「うつりこむ眼」★
  • 「自然発火」★
  • 「夏の川原」★
  • 「ハウススタジオ」★★
  • 「シリーズ監視カメラ レンタルオフィス」★
  • 「夜の池」★
  • 「続・自然発火」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2010年12月3日発売]

パート40は、2編に分かれた「自然発火」(★★)がメインといったところか。単純な心霊現象とも異なる珍しい展開で悪くない。ただ、投稿映像はいろいろ粗い部分があり、やや興がそがれる。

社員旅行」(★★)は、社員旅行の様子を映した映像。窓の外に不気味な存在が立っている。原点回帰のような姿の〈霊〉。実在感があり良い仕上がりといえる。撮影しているときには気づかなかったのだろうか?

硫化水素」(★)は、引っ越したばかりの友人の家をケータイで撮ったもの。現われるモノがわかりづらい。見間違いかと思ったが、リプレイで見ると確かに〈霊〉のようにも見えるが。

うつりこむ眼」(★)は、祭の様子を撮影していると、不可解な現象が起こる。〈それ〉は、きわめてピンポイントなところに出現する。これを発見したのもすごい。

夏の川原」(★)は、真夏の夜に河原で遊んでいる様子をとらえたもの。不可解なモノが映るが、若者がふざけ合っているシチュエーションを考えると、いたずらの可能性もありそうだ。なお現われるモノは静止画。

ハウススタジオ」(★★)は、大学の映画サークルが撮影した映像。奇妙な人影が映るが、雰囲気のある良い出現のしかた。ただ、この映画の出演者の可能性はないのだろうか。

シリーズ監視カメラ レンタルオフィス」(★)は、レンタルオフィスに設置された監視カメラに、異様なモノが映りこむ。異形はフィルムのネガのようで、見た目が新しい。出現するタイミングがピンポイントすぎるのはやや不自然。

夜の池」(★)は、夜の公園の池で撮影されたもの。あるトラブルが起こるが、それに紛れて不気味なモノが映りこむ。〈それ〉の動きが人工的すぎるように思うし、もう少しはっきり現われても良さそうなのだが……。

『ほんとにあった!呪いのビデオ41』

  • 「クラシックバレエ」★★★
  • 「ひとりかくれんぼ」★
  • 「霊域」★
  • 「巨女」★★★
  • 「アメリカの友人」★★★
  • 「シリーズ監視カメラ 残像霊」★★
  • 「出生祝い」★★
  • 「パントマイム」★★

[演出:児玉和土/構成:児玉和土/ナレーション:中村義洋/2011年3月4日発売]

パート41は突出した傑作はないものの、全体的に良い仕上がり。恐怖度がそれほど高くない作品も、珍しい怪奇現象がとらえられている。

クラシックバレエ」(★★★)は、バレエの練習をしている女性に異界のモノが襲いかかる。さまざまな怪異が同時多発的に起こっている。それぞれなにを意味するかが不明なので不気味。

ひとりかくれんぼ」(★)は、投稿者が「ひとりかくれんぼ」を試みていると、怪異が映りこむ。シチュエーションが剣呑なので不気味さが漂うが、肝心の怪異はたいしたことがない。

霊域」(★)は、大学のサークルの合宿で撮影されたもの。異形の現われかたが、いままでありそうでなかったパターン。あまり恐怖を覚えないのは残念だが。

巨女」(★★★)は、とある温泉宿で撮られた映像。出現するモノはかなり不気味で、しっかり動いている点も評価できる。

アメリカの友人」(★★★)は、ビデオチャットの会話を記録したもの。そこで起こる異変はかなり珍しくインパクトも大きい。ホンモノだとすると世紀の大発見なのだが。

シリーズ監視カメラ 残像霊」(★★)は、キャバクラの店内に設置された監視カメラの映像。本作もきわめて珍しい現象といえる。〈出現域制御〉の問題があると見せかけて、じつはそうではない展開も良い。

出生祝い」(★★)は、神主が祝詞を読む様子をとらえたもの。不可解な存在が現われるが、これが絵に描いたような心霊現象で、それがかえって潔い。祝詞をあげているシチュエーションもあいまって不気味さを醸している。

パントマイム」(★★)は、公園でパントマイムをする様子を映したもの。異変の起こる部分は雑なつくりだが、設定がなかなか凝っている。

『ほんとにあった!呪いのビデオ42』

  • 「大震災」★
  • 「母の思い」★★★
  • 「沈める者」★★
  • 「霊園」★★
  • 「腹切りやぐら」★★
  • 「シリーズ監視カメラ 病院」★★
  • 「邪願」★★★★
  • 「追跡録 前編」★★
  • 「続追跡録 前編」★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2011年6月3日発売]

このパートから岩澤宏樹氏が演出補から演出へ昇格。いよいよ真打ちが登場といった感じで、最高潮の盛りあがりを見せていく。本シリーズが今日まで存続しているのは、前任の児玉氏とこの岩澤氏の功績だろう。

このパートでは早速、軽いジャブを打ちこむように、「邪願」(★★★★)という傑作が登場している。

一方で、長編の取材モノとなる「追跡録」(★★)は、箸にも棒にもかからないことはないが、そろそろ冗長さを感じてしまうのは否めない。

大震災」(★)は、2011年3月11日に起こった大震災の日に撮影された映像。空に異様なモノが浮かんでいるが、どう考えても地震のほうが怖い出来事で、怪奇現象などどうでもよくなってしまう(東日本大震災が起こったのは、この巻がリリースされる3か月前)。

母の思い」(★★★)は、投稿者が母親とともに観光する様子を撮影したもの。母親の姿が不気味に変わるが、映像の不具合と思えなくもない。

沈める者」(★★)は、家族が海で遊ぶ様子をとらえた映像。不気味な〈女〉の姿が映りこむのだが、よく見るとセクシーである。異界のモノが持つ悪意が感じられない。イメージビデオの映像かなにかが紛れこんだようにも思えるのだが。

霊園」(★★)は、墓地で肝試しをしているところへ、不気味なモノが映りこむ。いかにもなにかが出そうな不自然なカメラワークではあったが、良い出現のしかたと評価できる。

腹切りやぐら」(★★)は、鎌倉を観光しているときに撮られたもの。本作も異形の出現のしかたが良い。途中で映像が乱れるのはややマンネリな気もするが。

シリーズ監視カメラ 病院」(★★)は、病院に設置された監視カメラに不可解な現象が起こる。これまでにないパターンの出来事が起こる点に注目したい。

『ほんとにあった!呪いのビデオ43』

  • 「シリーズ監視カメラ 自動販売機」★
  • 「アルバム」★★
  • 「証拠ビデオ」★★
  • 「展望台」★★
  • 「アユタユ」★
  • 「獣」★
  • 「玉突き衝突」★
  • 「追跡録 中編」★
  • 「続追跡録 中編」★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2011年7月2日発売]

パート42から続く「追跡録」(★)は、サスペンスとしてそこそこ盛りあがるが、やはり間延びしている印象。紹介される映像も怖くない(ただ、映像は本題ではないだろうが)。

シリーズ監視カメラ 自動販売機」(★)は、自動販売機に備えられたカメラに異界のモノとおぼしき存在が映る。絵に描いたような〈出現域制御〉の問題がある作品。

アルバム」(★★)は、アルバムをめくっていると、写真に異変が起こる。もっとわかりやすくしてほしかったと思う。

証拠ビデオ」(★★)は、興信所のスタッフが素行調査のために撮影した映像。不可解な人物が映りこんでいる。本作も〈出現域制御〉の問題があり、〈それ〉が一瞬だけ見えるのは不自然。ずっと映っていても良さそうなのだが。

展望台」(★★)は、展望台から下を見下ろしたとき、奇妙なモノが映りこむ。やはり〈出現域制御〉の問題がある作品といえる。

アユタユ」(★)は、タイのアユタユ遺跡を映した映像。仏像に異変が起こるが、あまりに一瞬の出来事であり、偶然の産物かもしれない。かりに不可思議な現象がほんとうに起こったとして、なにを意味するのだろうか?

」(★)は、大学生たちが山でキャンプをしていると、テントに不可解な現象が起こる。現場に居合わせたら恐ろしいだろうが、映像を観ているぶんには怖くない。

玉突き衝突」(★)は、旅行中に遭遇した事故の様子を撮影したもの。あの世のモノとおぼしき存在が映るが、久しぶりに静止画である。向きが変なのも気になる。

『ほんとにあった!呪いのビデオ44』

  • 「閃光」★
  • 「シリーズ監視カメラ 自動追尾型カメラ」★★
  • 「スカイツリー」★★
  • 「峠の怪」★★
  • 「富士登山」★
  • 「ピアノ」★
  • 「屋上遊園地」★
  • 「追跡録 後編」★★
  • 「続追跡録 後編」★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2011年8月5日発売]

このパート44で「追跡録」(★★)が完結。なんとも煮えきらない結末ではあるが、本格ドキュメンタリーであれば、良い匙加減なのかもしれない。それなりに不気味さを醸し出している点を評価したい。

ほかの作品も、ややパワーダウンしている気がする。アイディアは良いのだが、それが恐怖につながっていないのが惜しい。

閃光」(★)は、入院している友人のお見舞いに訪れた際に撮られたもの。奇妙な現象が起こるが、機器の故障だと解釈する余地がある。かりに心霊現象だとして、なにを意味しているのかは不明。また、〈刹那像〉の問題も。

シリーズ監視カメラ 自動追尾型カメラ」(★★)は、とある会社に設置された監視カメラの映像。人物を追尾する機能がある。カメラが人ではないなにかを探知して動きだすが、具体的になにをとらえたのだろう? それがわかれば〈霊〉という存在の正体がつかめそうだが。

スカイツリー」(★★)は、建設途中のスカイツリーを見にいった際に撮られたもの。異変が起こるのが意外な場所で、なぜこんなところに? という疑問が残る。

峠の怪」(★★)は、ドライブの途中で怪異に遭遇する。珍しい異形が現われるが、なぜカメラをそちらに向けたのかは気になる。

富士登山」(★)は、富士山で登山をしているとき、奇妙な現象がとらえられる。「ブロッケン現象」にも見えるのだが。

ピアノ」(★)は、娘がピアノの練習をしている様子を撮ったもの。奇妙な〈手〉が映りこむが、かなりわかりづらい。

屋上遊園地」(★)は、デパートの屋上の遊園地をケータイで撮影したもの。〈霊〉とおぼしきモノが出現するが、シリーズ初期のように地味である。

『ほんとにあった!呪いのビデオ45』

  • 「逢魔時の怪」★★★★
  • 「ブランコ」★
  • 「秋祭り」★★
  • 「鬼子母神」★
  • 「シリーズ監視カメラ セレクトショップ」★
  • 「お別れ会の練習」★★
  • 「茅の輪くぐり」★
  • 「首の家」★★★★
  • 「続・鬼子母神」★★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2011年12月2日発売]

このパート45あたりから、演出・岩澤氏の本領が発揮され始める。「逢魔時の怪」(★★★★)「首の家」(★★★★)といった「最恐映像42選」に入れた佳作が含まれているほか、良作がそろっている。

2編に分かれた「鬼子母神」(★★★)がこのパートのメインといったところ。設定が凝っていてエピソードとして悪くない。怖いというより、もの哀しいお話でもある。

ブランコ」(★)は、不思議な現象が起こると噂されるブランコを撮影したもの。久しぶりに〈出現域制御〉の案件。現われるモノは、かの有名な映画の有名な〈霊〉に見える。

秋祭り」(★★)は、祭りで救急車が出動する様子を偶然に撮影した映像。怪異が二段構えで発生する。カメラワークがやや不自然なのは気になるところだが。

シリーズ監視カメラ セレクトショップ」(★)は、店内の監視カメラに不可解な人物が映りこむ。不思議な出現のしかただが、死んでいる人の動きに見えない(非霊生者)のが残念。

お別れ会の練習」(★★)は、小学校の担任が転任する際に催されたお別れ会の練習風景をとらえたもの。地味ながら不気味な現象が起こる。現われたモノが“遺影”に見えるのはなぜなのか?

茅の輪くぐり」(★)は、とある神社で行なわれた茅の輪くぐりの様子を映したもの。異様なモノが現われるが、初見ではわからず。もう少しわかりやすく出てきてもいいのではないか。

『ほんとにあった!呪いのビデオ46』

  • 「シリーズ監視カメラ 漂流する写真」★★
  • 「クラクション」★★
  • 「タロット占い」★
  • 「嫉妬」★★
  • 「ビジネスホテル」★★★
  • 「ホームレスの遺品」★★
  • 「生き人形遊び」★
  • 「続・嫉妬」★★★★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2012年3月2日発売]

パート46のメインとなるのが「嫉妬」で、「続・嫉妬」(★★★★★)の映像はとてつもなく恐ろしいものになっている。「最恐映像42選」では上位の第4位だ。

シリーズ監視カメラ 漂流する写真」(★★)は、マンションの自室に設置した監視カメラの映像。ホラーゲームの『零』に出てくるような、絵に描いたような〈霊〉という感じで、かえって珍しいパターンといえる。

クラクション」(★★)は、ドライブに行った際に撮られた映像。異変が二段構えで起こるのは良いが、異形の現われかたや造形がやや古臭い気がする。

タロット占い」(★)は、投稿者の友人がタロット占いをしている様子を撮ったもの。なかなか珍しい現象。ただ、タロットカードってこういうものだったか? という疑問は残る。タロットカードはこの怪奇現象とは無関係なのでは?

ビジネスホテル」(★★★)は、投稿者が観光で訪れたホテルの一室で撮影したもの。いままでありそうでなかったタイプの異形が現われる。そこにいたるまでの段取りもいい。たしかに部屋にこんなモノがいたら戦慄する。

ホームレスの遺品」(★★)は、凍死したホームレスの老人が持っていたビデオ。エピソードも相まって、心霊映像に凄みが出ている。ただ、アナログのビデオに、デジタルのノイズが走っているのは解せないが。

生き人形遊び」(★)が、投稿者が降霊術を試みている様子をとらえたもの。異変そのものはたいしたことないが、シチュエーションの雰囲気は良い。

『ほんとにあった!呪いのビデオ47』

  • 「泥人形」★★★
  • 「マヨヒガ」★★
  • 「シリーズ監視カメラ 公衆トイレ」★
  • 「漫才の練習」★★
  • 「心の闇」★★★
  • 「廃墟の演奏会」★★★★
  • 「死返(まかるがえし) 前編」★★★★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2012年6月2日発売]

パート47は長編取材モノ「死返(まかるがえし)」(★★★★★)がメインとなる。なかなか手が込んだ構成で、映像もインパクトがある。このパートに収録されている投稿映像は、「最恐映像42選」にも入れていて、長編の滑り出しとして評価できる。

ほかに「廃墟の演奏会」(★★★★)も「最恐映像42選」にランクインしている。

泥人形」(★★★)は、旅館へ遊びに行った際に室内で撮った映像。不気味なモノが現われるが、カメラワークが不自然な気がする(出現域制御)。

マヨヒガ」(★★)は、とある温泉地で廃墟を探検している様子がおさめられている。不可解な人物が映りこむが、実在感があって良い。ただ、その場にいた友人ではないのだろうか?

シリーズ監視カメラ 公衆トイレ」(★)は、公園の公衆トイレで怪異が起こるが、現象が人工的でニセモノっぽさが漂う。

漫才の練習」(★★)は、大学生が学園祭で披露する漫才の練習風景を撮影したもの。不気味な現象が起こるが、過去作(パート41「パントマイム」)に少しネタが似ている気がする。

心の闇」(★★★)は、ゴルフの打ちっぱなしに行った際に撮られたもの。なかなかインパクトのある現象が起こる。カメラの向きが不自然なのも不気味さを醸している。

『ほんとにあった!呪いのビデオ48』

  • 「雨女」★★★
  • 「シリーズ監視カメラ マンションロビー」★★
  • 「続・首の家 憑いてくる怨霊」★
  • 「ワカサギ釣り」★
  • 「歩道橋の怪」★★★
  • 「友達」★★
  • 「闇鍋」★★★
  • 「死返(まかるがえし) 中編」★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2012年7月6日発売]

パート48の目玉は前巻より続く「死返(まかるがえし)」(★)となるが、心霊映像の恐怖度は前作よりも劣る。この物語がどのように着地するのか、思わせぶりで終わるのは評価できる。

雨女」(★★★)は、高速道路のサービスエリアで撮影した映像に奇妙な〈女〉が映りこむ。けっこう不気味な現象ではあるが、〈出現域制御〉の問題があると思う。その場で異形の存在に気づかないのも解せない。

シリーズ監視カメラ マンションロビー」(★★)は、マンションの住人の女性がポストから郵便物を取り出していると、奇妙な存在が現われる。異様な現象に興味を覚えるが、映像のトリックという感じも強い。実際その場に居合わせたら、どのように見えるのだろうか?

続・首の家 憑いてくる怨霊」(★)は、パート45「首の家」の続編。正編は「最恐映像42選」に選出したが、本作の恐怖度はそれに劣る。異形がピンポイントすぎる場所に現われるのが気になる。

ワカサギ釣り」(★)は、雪の積もる湖面に奇妙なモノが現われる。ずっとそこにいなかったのに、カメラが向いたときだけ出てくるのは、〈出現域制御〉の問題がある。

歩道橋の怪」(★★★)は、車で走行中に怪異に遭遇する。展開がやや理屈めいているが、そこで起こることはなかなか恐ろしい。細かいことだが、異形の姿が撮影者に見えていないのに、音は聞こえたのはなぜだろうか。

友達」(★★)は、バーベキューを楽しむ映像に別の不可解な映像が紛れこむ。なかなか不気味な現象である。後日談も語られるが、これはなかったほうがよかったかもしれない。

闇鍋」(★★★)は、闇鍋を楽しむ暗闇に不気味なモノが現われる。たしかに暗いなかにこんなモノがいたら、びっくりする。撮影者がひどく驚いているのも無理はない。

『ほんとにあった!呪いのビデオ49』

  • 「樹海のテープ」★
  • 「扉の向こう」★★★
  • 「シリーズ監視カメラ ドアホン」★
  • 「リハーサル室」★
  • 「死返(まかるがえし) 後編」★
  • 「繰り返す男」★★★
  • 「頭のおかしい女」★★★★
  • 「祖母の家で…」★
  • 「死返(まかるがえし) 続・後編」★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2012年8月3日発売]

長編「死返(まかるがえし)」(★★)がこのパート49で完結する。心霊映像は古びた画質で雰囲気があるが、あまり怖さはない。サスペンスのほうは腑に落ちる終わりかたではないが、そこが不気味でありホンモノらしいということだろう。岩澤氏のふるまいがコミカルなのも印象に残る。

また、このパートには「頭のおかしい女」(★★★★)のような「最恐映像42選」に入れた佳作や、ラインナップはしていない良作もちらほら見受けられる。

樹海のテープ」(★)は、富士の樹海で発見されたビデオテープの映像。交通事故の瞬間がおさめられている。不気味な顔が現われるが、前にも似たようなネタがあったような……(パート6「再生できないビデオテープ」)。

扉の向こう」(★★★)は、大学生たちが酒を飲んでいる部屋で、隣室の扉を開けると、異様な光景が目の前に広がっている。天井から不気味なモノがぶら下がっているが、その意味がわからないので、不気味さもひとしお。

シリーズ監視カメラ ドアホン」(★)は、投稿者の自宅のドアフォンに奇妙なモノが映りこんでいる。は不気味なのだが、映像はたいしたことがない。〈出現域制御〉の問題もある。

リハーサル室」(★)は、インディーズバンドのリハーサル中に奇怪なモノが出現する。不気味な造形だが、微動しているのがわかる(異形像微動)。

繰り返す男」(★★★)は、車載カメラがふつうではあり得ない現象をとらえる。非常に興味深い映像。運転中には気づかなかったのだろうか?

祖母の家で…」(★)は、子どもが和室で遊んでいると、背後の人形に異変が起こる。ほかにも怪奇現象が映っているが、これは〈出現域制御〉の問題がある。後日談もとってつけたよう。

『ほんとにあった!呪いのビデオ50』

  • 「13年の呪い」★★
  • 「警官人形」★★★
  • 「アフンルパロを視る女1」★
  • 「河原の狂気」★★
  • 「アフンルパロを視る女2」★
  • 「貸切風呂」★
  • 「不気味な置物」★★★★
  • 「アフンルパロを視る女3」★
  • 「呪われたホーム・ムービー」★★★★★

[演出:岩澤宏樹/構成:岩澤宏樹/ナレーション:中村義洋/2012年12月7日発売]

パート50は3編に分かれた「アフンルパロを視る女」(★)がメインといえる。なんとなく過去の長編取材モノに似た滑り出し。物語や設定はそこそこ凝ってはいるが、映像はインパクトに欠けていると思う。

ほかに「不気味な置物」(★★★★)「呪われたホーム・ムービー」(★★★★★)は「最恐映像42選」に選んだ傑作で、ぜひ見ておきたいところ。

13年の呪い」(★★)は、13年前にスタッフのもとに届いた投稿映像。とある理由で採用が見送られていた。よくあるパターンの異形が出現するが、悪意がこもっているようで不気味だ。シリーズ初期の監督でナレーターを務める中村義洋氏が登場するのも見どころ。

警官人形」(★★★)は、ドライブをしているときに撮影された怪異。怖い映像ではないが、異変が起こるまでの段取りがよくできている。

河原の狂気」(★★)は、河原でキャンプをしていると、ひとりの男性に異変が起こる。映像そのものは特筆すべきことはないが、構成がうまい。

貸切風呂」(★)は、温泉宿でとらえられた怪現象。初見ではなにが起こっているかわからなかった。異形がなぜこのような出現のしかたをするのかも解せない。

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『ぎゃふん9』パート4精神的に向上心のないものも 死んだらこうなりたい【ぎゃふん9 パート4】

『ほんとにあった!呪いのビデオ』アイキャッチ【ほんとにあった!呪いのビデオ】おわかりいただける全巻レビュー[51〜75,etc]

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