ゲームクリエイター・飯野賢治氏が急逝した。42歳だった。あまりに早すぎる死──。
飯野氏は、『エネミーゼロ』『Dの食卓2』『風のリグレット』と、セガユーザーにはゆかりの人物だ。個人的には最近の作品を目にすることはなかったが、だからこそ驚きを隠せない。
今回は飯野氏に哀悼の意を込めて、過去に書いた『Dの食卓2』のレビューを再掲載する。
飯野氏の独創性がやっと報われた佳作
本作の監督である飯野賢治氏は、独創的というか、奇をてらったゲームを作ることがお好きのようだ。もちろん、これは物を作り出そうとしている人間としては誇るべき姿勢だ。ただ飯野氏の場合『エネミーゼロ』など、独創性が前面に出てしまって、ゲームとしては結構イイ線いっているのに、いまひとつ傑作にならないのが惜しいところだ。でも、この作品は、まあ粗削りのところもあるけれど、強引に力技で引っ張ることで、ギリギリ佳作と言えるものになった。実写が挿入されるなど、メタフィクションの意味をもたせたところもいい。
(『ぎゃふん』創刊号 2001年)
謹んでご冥福をお祈りいたします。

フリーランスのライター・編集者。インタビュー・取材を中心とした記事制作を手がけており、映画監督・ミュージシャン・声優・アイドル・アナウンサーなど、さまざまな分野の〈人〉へインタビュー経験を持つ。ゲーム・アニメ・映画・音楽など、いろいろ食い散らかしているレビュアー。中学生のころから、作品のレビューに励んでいる。
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