地球に侵略してくる(正確には侵略しようとしている)エイリアンたちと戦う話。それって『いんでぃぺんでんす・でい』じゃない? 今さらじゃない? 観る価値なくない? いや、ある!
【観る価値アリ1】ひたすらゴージャス
ユニバーサル・ピクチャーズ100周年記念作品。投入された費用や人員の量は尋常でない。それが画面から説得力を持って伝わってくる。
とにかく映画のたたずまいがパワフルかつゴージャス。このあたりはハリウッド映画の面目躍如といったところだ。
バトルシーンの爽快感、カメラーワークの疾走感、ド派手大音響がもたらす生理的快楽は格別なもの。
何も考えず、ただただ画面に没頭する。人生の一部をそんな“映像体験”に費やしてもいい。
【観る価値アリ2】わかりやすすぎるストーリー
本作は奇をてらわない王道ストーリー。今、何が起こっているのか、これから何をしようとしているのか、気持ちのいいくらい明白だ。
これを味気ないという人もいるかもしれない。底が浅いという批判もあるかもしれない。
でも、「“映像体験”に時間を費や」すための映画なら、この脚本はただひとつの正解といえる。
【観る価値アリ3】人物に肉薄する描写
巨大な戦艦同士の大規模な攻防だけでなく、人vsエイリアンのミクロな状況もバランスよく描かれている。
だから、「高見の見物」という感じではなく、観客も騒ぎの渦中に投げ込まれたような錯覚を覚える。
登場人物たちの汗や息遣いを感じられるような、ほどよい臨場感を味わえるのは魅力だ。
【観る価値アリ4】意匠にあふれるメカ
アイディアあふれる兵器たち──っていいたいけど、ぶっちゃけ、敵の戦艦は「メタルギア」にしか見えない。エイリアンの着ているスーツもどっかで見たような感じだ。これをマイナス評価するかどうかは、人それぞれだが、個人的には十分にアリだ。
敵の主力である“ヨーヨー”みたいな兵器はオリジナリティがある。“ヨーヨー”を追いかけるようにカメラが縦横に動き回るシーンは楽しい。戦術的にも、映画の演出としても、すばらしい発明といえる。
序盤が惜しい
強いて欠点を挙げれば、序盤のテンポが悪い。主人公のダメダメを描くシーン(“ピンクパンサー”の場面)ははっきり言っていらんだろう。だって、彼の成長を描く映画ではないのだから(いや、制作者はそのつもりかもしれんが)。
敵戦艦の操縦席を撃つシーンも腑に落ちない。他の部分は「わかりやすすぎる」のに、ここだけ何の説明もないのは不思議だ。
マニアックなところでは、『24 -TWENTY FOUR- シーズン6』を観ていると、ピーター・マクニコルの登場にニヤリとするはずだ(日本語版声優も同じ佐々木省三氏である)。
原作のゲームはつまらなそうだな。
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