『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の謎を本気で解明する[その2]ミサトさん どういう事なんですか?

エヴァ考察

前回から引き続き『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の謎を考察していこう。前回は以下のような結論を出した。

 icon-asterisk 『エヴァ』の謎は、作品のテーマがわかれば解ける。
 icon-asterisk 『新劇場版』のテーマは「〈虚構〉と〈現実〉の禁じられた融合」である。
 icon-asterisk 『新劇場版』では〈メタフィクション〉の世界が想定されている。

では、以上を前提とすると、『新劇場版』で描かれている世界はどう見えるか? 今回はそれをとして述べていこう。

 icon-link 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』記事一覧

本記事は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開前に書かれたもので、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序/破/Q』のネタバレが含まれています。また、コメント欄にて『シン・エヴァ』の内容に触れている場合がありますので、あらかじめご了承ください。本編鑑賞後の感想はこちら→『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の謎を徹底的に解明する[レビュー編]なるべくネタバレなし感想と暫定的答え合わせ

『序』『破』『Q』の外にどんな世界が広がっているのか?

前回は「『新劇場版』は〈メタフィクション〉の世界が想定されている」と想像した。図をもういちど掲げよう。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の虚構の構造

では、虚構B(『シン・エヴァンゲリオン劇場版』*1)はどんな世界なのだろうか? もちろん、『序』『破』『Q』の劇中にはまだ登場していないので想像するしかないわけだが、いくつか可能性を考えてみよう。

*1:新作のタイトルの表記については前回を参照。

『新劇場版』は虚構Bの人が見ている映画なのかもしれない。あるいは、『マトリックス』のように人々は機械につながれていて、『序』『破』『Q』は人々が見せられている夢ということもありえる。

ただ、この設定はやや凡庸な気がする。でも、ありふれていても『ヱヴァ』の物語に落としこむと新鮮に見えることも考えられるし、そこが創作者の腕の見せどころでもある。だから、選択肢のひとつとして頭に入れておきたい。

世界を算盤とメモ用紙で創造する「予め決定されている明日」

さらに想像を膨らませてみよう。ここで参考にしたいのが、小林泰三氏の短編「あらかじめ決定されている明日(『目を擦る女』[早川書房]所収)だ。

主人公の女性が暮らしている世界がシミュレーションであるのは『マトリックス』と同じ。しかし、この短編では主人公は機械につなげられているわけではない。

「はい。あなたがいるのは仮想世界の中です。でも、コンピュータの中ではありません」ケムロは淡々と話し続けた。「あなたのいる世界は算盤とメモ用紙の中にあるのです」

小林泰三「予め決定されている明日」(『目を擦る女』[早川書房]所収)

主人公の女性が暮らす世界は、もうひとりの主人公・ケムロが計算する数字の羅列にすぎなかった。『マトリックス』の機械が行なっていることも、とどのつまりは「計算」だろうから、仮想現実をシミュレーションするのに高度なコンピューターはいらないわけだ(なお、ケムロの世界にはコンピューターがない)。

『ヱヴァ』の世界も算盤とメモ用紙で創られているのかもしれない(そのメモ用紙の束が「死海文書」なのでは? などと妄想してしまう)。『シン・エヴァ』の世界は、じつは文明の発達した未来ではなく原始時代で、『序』『破』『Q』で描かれた世界は石に刻まれた絵だった、などということも考えられるのだ。

[2019年2月2日追記]余談だが、『目を擦る女』に収録されている「未公開実験」という作品に、(ただの偶然だと思うが)碇という人物が登場する。本作はタイムマシンをつくる話だが、「自分たちのいるAという世界において、タイムマシンで過去に戻ったとしても、Aのメタ的世界Bでは時間を遡ったことにならない」というロジックが展開する。これは「槍でやり直す」ことに失敗する『Q』を連想せざるをえない。

『ヱヴァ』の世界は鈴木光司『ループ』と同じ

やや極端な方向に走りすぎたので、もう少ししっくりくる可能性も考えてみよう。

前回、〈ループ説〉は多くの人が採用している理論だと述べた。ダジャレのようだが、そのものズバリのタイトルである鈴木光司氏の小説『ループ(角川書店)を参照してみよう。

以下、『ループ』および『リング』『らせん』の重大なネタバレがあります(青字の部分)。

『リング』『らせん』は、貞子の呪いがかけられたビデオを見ると一週間後に死に至るというホラー。有名な作品なので、ご存じのかたも多いはずだ。『ループ』では、じつは『リング』『らせん』で描かれた世界はシミュレーションだったことが明かされる。

読者がそれまで見ていた世界はまるごと虚構であり、慣れ親しんだ登場人物はコンピューターのなかのデータでしかなかった――これは当ブログが考える『ヱヴァ新劇場版』の構造に近い。そこで、『ループ』のような世界観が『新劇場版』で採用されていると仮定してみる。

すなわち、

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の世界はコンピューターによるシミュレーションである

と考えることにしたい。

すべての鍵を握る〈ゼーレ〉の正体とは?

それでは、『新劇場版』の世界がコンピューターのなかに創られた仮想現実だとすると、さまざまな謎はどのように解釈できるだろうか?

〈ゼーレ〉はあちら側の“人間”

まず、『ヱヴァ』においてもっとも謎めいた存在は〈ゼーレ〉ではなかろうか。彼らはいったい何者なのか?

碇ゲンドウたちと会話をするシーンでは、〈ゼーレ〉はモノリス(板状の岩のようなカタチをしたもの)で表現されている。

『新劇場版』には〈ゼーレ〉の人間の姿は一切登場しない。

 icon-arrow-down ゲンドウとの会話はつねにモノリスと行なわれる。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
©カラー・GAINAX

一方、旧劇場版には、モノリスが人間の姿に変わる描写がある。

『THE END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)』

『THE END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)』

『THE END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)』
©カラー/EVA製作委員会

このちがいはなにを意味するのか?

ずばり、旧劇場版とは異なり、『新劇場版』の〈ゼーレ〉は人間ではないからではないか、という想像が成り立つ。

前回、渚カヲルは「〈メタフィクション〉の世界の人物か、それに近いキャラクター」と述べた

つまり

〈ゼーレ〉は〈メタフィクション〉の世界(上図の虚構B)の人物である

と考えられるのだ。

〈ゼーレ〉も虚構Bの世界ではふつうの人間の姿をしているのかもしれない。しかし、仮想現実の世界(虚構A)にそのままの姿で存在することはできない。虚構Aの世界の住人(ゲンドウたち)が虚構Bの人間を直に認識することは不可能なのだ。

となると、〈ゼーレ〉のモノリスは……?

虚構Bから虚構Aにアクセスするための通信機(インターフェイス)の役割を果たしていると考えられる。虚構Bの人間の話を虚構Aの人が理解できる音声や言語に変換するための装置なのだ。

〈使徒〉はコンピューターの不具合により生まれた

〈ゼーレ〉が碇シンジやゲンドウたちとは異なる世界の住人だとして、彼らは『ヱヴァ』の世界でなにをしているのか? その謎を解くのに参考になりそうな作品がイギリスで作られている。紹介しよう。

コンピューターウィルスを西部劇のガンマンが撃退する『宇宙船レッド・ドワーフ号』

宇宙船レッド・ドワーフ号』はイギリスの国営放送BBCで1988年に放映が開始されたテレビドラマだ。宇宙船レッド・ドワーフ号の乗組員が事故で全員死亡。ただひとりの生き残りが、同僚のホログラフや、猫から進化した猫人間*2、アンドロイドとともに宇宙を旅する。そんなSFコメディだ。

*2:まったくの余談だが、この「猫人間」の日本語吹き替えを担当するのは、加持リョウジ(山ちゃん:山寺宏一)だ。

そのエピソードのひとつ、第33話「にわかガンマン夢中の決闘」に着目したい。

コンピューターがウィルスに冒される。それを駆除するためにアンドロイドがコンピューターに入りこむと、そこには西部劇のような世界が広がっていた。アンドロイドの深層意識のなかで、「ウィルスの駆除」が「西部劇でゴロツキどもを撃退」に置きかえられて表現されていたのだ。

 icon-arrow-down アンドロイドと宇宙船のコンピューターを接続。

『宇宙船レッド・ドワーフ号』

『宇宙船レッド・ドワーフ号』
©BBC Worldwide Ltd. 2003

 icon-arrow-down アンドロイドの深層意識をモニターで見てみると、そこは西部劇の世界だった。

『宇宙船レッド・ドワーフ号』

『宇宙船レッド・ドワーフ号』
©BBC Worldwide Ltd. 2003

 icon-arrow-down コンピューターウィルスは“ゴロツキ”で表現される。

『宇宙船レッド・ドワーフ号』

『宇宙船レッド・ドワーフ号』
©BBC Worldwide Ltd. 2003

 icon-arrow-down アンドロイドを助けるため、仲間たちが「バーチャル・コンソール」を装着。

『宇宙船レッド・ドワーフ号』

『宇宙船レッド・ドワーフ号』
©BBC Worldwide Ltd. 2003

 icon-arrow-down 虚構の世界に入りこむことができた。

『宇宙船レッド・ドワーフ号』

『宇宙船レッド・ドワーフ号』
©BBC Worldwide Ltd. 2003

西部劇の世界はコンピューター(アンドロイド)が創り出したシミュレーション。つまり、虚構のなかに虚構が存在している。当ブログが考える『ヱヴァ』の世界と同じ構造だ。

ようするに、『新劇場版』の世界全体がコンピューターのシステムなのだ。そして、『ヱヴァ』における「ゴロツキ」といえば――。

そう。〈使徒〉だ。つまり、

〈使徒〉はコンピューターウィルスやバグのようなもの

と考えられるのだ。だとするならば、〈ゼーレ〉のやっていることは明らかだ。

〈ネルフ〉に〈使徒〉というウィルスの駆除をさせている

というわけだ。

それを裏づけるように、ゲンドウがこんな言葉を発している。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

いかなる手段を用いても
我々はあと8体の使徒を倒さねばならん

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
©カラー・GAINAX

使徒は正体不明であるはずなのに、襲来する数があらかじめわかっているのは、「バグ」の数がすでに明らかだからだろう。

一方で、「バグ」のくわしい内容まではわからないようだ。冬月コウゾウのセリフを見てみよう。

 icon-arrow-down 〈使徒〉の攻撃方法やその威力までは事前にわからなかったらしい。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

第10の使徒
最強の拒絶タイプか…
予想以上の破壊力だな

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

では、なぜ〈ゼーレ〉が直接ウィルスを駆除しないのか?

当ブログは、コンピューターのシステムにくわしくはないので、ふさわしいたとえではないかも知れないが、『新劇場版』の世界全体が“パソコン”で、〈ネルフ)は“ウィルス駆除ソフト”だと思えばいい。

私たちがパソコンのウィルスを駆除しようとした場合、ウィルス駆除ソフトをパソコンにインストールすることはできる。作業を始めさせたりやめさせたりすることもできる。しかし、直接ウィルスにさわることはできない(たとえば、ブラシと洗剤でウィルスを取りのぞくなんてことは不可能)。

〈ゼーレ〉と〈ネルフ)もそのような関係であると想像できる。〈使徒〉の殲滅は〈ネルフ〉にやってもらうしかないのだ。

世界がシミュレーションであることはだれも知らない

ここで、重要な前提を確認しておこう。それは、

『ヱヴァ』の登場人物はこの世界がシミュレーションであることを知らない

ということだ。

私たちの住むこの世界がシミュレーションだったとしても、それを認識できないのと同じだ。「この世はうつろかもしれない」などと妄想することはできても、それを証明することはできないわけだ。

もちろん、例外も存在する。先に述べたカヲルはそのひとりだ。さらに――。

ゲンドウも自分のいる世界が仮想現実であることを知っているだろう。ただし、カヲルとちがってゲンドウは〈使徒〉ではない(はず)。シンジや葛城ミサトたちと同じように人間(=リリン)である(と思う)。世界がシミュレーションであることを直接的に認識することはできない(だろう)。あくまで知識として「知っている」ということだ。

では、なぜ「知っている」のか?

〈ゼーレ〉が教えた。その可能性もある。しかし、当ブログは別の解釈を採用したい。

〈ゼーレ〉すなわち虚構Bの人間の立場に立って考えてみよう。虚構Aの住人に「自分たちの存在はしょせんは数字の羅列でしかない」という事実に気づかれては都合が悪いのだ。それこそ「しょせん、この世はうつろにすぎない」などと考えはじめ、世界が混乱しかねない。

したがって、〈ゼーレ〉としては、虚構Aの人間に「自分たちの住む世界は現実」と思いこませ、それぞれの役割を果たしてもらわなければならない

だから、〈ゼーレ〉がゲンドウたちに「この世界はシミュレーションである」と教えることはないのだ。

では、なぜゲンドウはこの世界が仮想現実であることに気づいたのか? その謎はあとで考察する

〈死海文書〉は作業マニュアル

虚構Bの人間(ゼーレ)が虚構Aの人間(ゲンドウたち)を巧みに誘導するための道具――それが〈死海文書〉なのではないだろうか?

ここで注意しなければならないのは、虚構A(『ヱヴァ』)の世界において、〈死海文書〉が「契約」だの「掟」などといった大仰な言葉で綴られていたとしても、虚構Bの世界では(つまり〈ゼーレ〉たちにとっては)別の意味を持つということだ。

たとえば、虚構Bでは〈死海文書〉は単なる作業マニュアルのようなものかもしれない。『ヱヴァ』の世界では、その住人にまさに命を賭けて行動してもらうために、〈死海文書〉は大げさな言葉で書かれているわけだ。

ところで、〈死海文書〉には「外典」があるようだ。

 icon-arrow-down 〈ゼーレ〉とカヲルとの会話で「死海文書外典」という用語が登場する。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

そうだ
死海文書外典は
掟の書へと行を移した

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
©カラー・GAINAX

 icon-arrow-down ゲンドウたちには「死海文書外典」の内容を知らされていない。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

おそらく 開示されていない
死海文書の外典がある
ゼーレは それに基づいた
シナリオを進めるつもりだ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

いったい〈死海文書〉にはなにが書かれているのか? また、その「外典」の内容は? それを知るには〈人類補完計画〉の謎を解かねばなるまい。

〈人類補完計画〉とはコンピューターの成果物

〈ゼーレ〉は、自分たちが達成すべき目的を次のように表現している。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

我らの望む真のエヴァンゲリオン
その誕生とリリスの復活をもって
契約の時となる
それまでに 必要な儀式は
執り行わねばならん
人類補完計画のために

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

重要な情報が示されたセリフながら、ますます謎は深まるばかりだが、わかっている要素から地道に確認していこう。

「真のエヴァンゲリオン」で〈リリス〉を復活させる

まず「真のエヴァンゲリオン」とは? 上記の〈ゼーレ〉との会話のあと、ゲンドウと冬月は以下のような言葉を交わす。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

(ゲンドウ)
真のエヴァンゲリオン…
その完成までの露払いが
初号機を含む
現機体の務めというわけだ

(冬月)
それがあのMark.06なのか?

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

このふたりの会話から

真のエヴァンゲリオン=エヴァンゲリオンMark.06

であると断定してよいだろう。

〈Mark.06〉は、『破』のラストでカヲルが乗っていた機体であることはまちがいない。

 icon-arrow-down 『破』のエンドロールのあと、月から降下してくる〈Mark.06〉。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

ただ、〈Mark.06〉だけが「真のエヴァンゲリオン」と呼べる存在なのか、ほかにもそう呼べる機体があるのかは慎重に考える必要がある。

というのも、『Q』では〈エヴァンゲリオンMark.09〉という機体も登場するからだ。「Mark」という名前が付けられていることから、〈Mark.09〉も「真のエヴァンゲリオン」なのかもしれない。

この〈Mark.09〉も謎の多いエヴァだ。〈Mark.09〉のことを劇中の登場人物たちは「アダムスの器」と呼んでいる。

 icon-arrow-down 真希波・マリ・イラストリアスが〈Mark.09〉を攻撃。首が吹っ飛んでも稼働している様子を見て「アダムスの器」と言っている。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

やっぱし アダムスの器か?

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
©カラー

 icon-arrow-down 〈Mark.09〉を上方から狙撃するときも「アダムスの器」と呼んでいる。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

アダムスの器さん
せめて足止めはさせてもらうニャ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
©カラー

したがって、

エヴァンゲリオンMark.09=アダムスの器

であることはまちがいなく、その事実から、

エヴァンゲリオンMark.06=アダムスの器

という推測も成り立つ。先に確認したように、「エヴァンゲリオンMark.06=真のエヴァンゲリオン」であるから、

エヴァンゲリオンMark.06・Mark.09=アダムスの器=真のエヴァンゲリオン

であると考えられる。

〈アダムス〉は「真のエヴァンゲリオン」のなかにいる

では〈アダムス〉とはなにか? この謎を探るヒントとなるのが、『破』で〈Mark.06〉が造られているシーンだ。そこでは、月面に横たわる白い巨人に装甲が取りつけられている。

 icon-arrow-down ゲンドウと冬月は、月面で〈Mark.06〉が造られている様子を確認する。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

装甲を付ける前の巨人の様子は『序』で描写されている。

 icon-arrow-down カヲルの前に横たわる白い巨人。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
©カラー・GAINAX

〈Mark.06〉や〈Mark.09〉が「アダムスの器」だとすると、

白い巨人は〈アダムス〉である

と考えられる。

『序』のラストで流れる『破』の予告に白い巨人が「ADAMS」として登場する。この「ADAMS」は「アダムス」だと考えてよさそうだ。

 icon-arrow-down 白い巨人のような影に「ADAMS」というテロップが付けられる。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
©カラー・GAINAX

以上をまとめると、

〈アダムス〉に装甲を付けた機体=アダムスの器=真のエヴァンゲリオン

ということになる。

〈アダムス〉は〈ゼーレ〉のアバター(分身)

では、この〈アダムス〉は何なのか? ……といっても、詳細はまったくの不明で、「白い巨人」としか表現のしようがない。したがって、これは想像というより妄想だが、当ブログは

〈アダムス〉=〈ゼーレ〉のアバター(分身)

と考えている。

先に「仮想現実の世界(虚構A)にそのままの姿で存在することはできない」と述べた。私たちがパソコンのなかに入れないのと同じように、〈ゼーレ〉自身がそのままの姿でゲンドウたちと行動をともにすることはできないわけだ。

しかし、パソコンのなかの世界に自分たちの分身(アバター)を創り、あたかも自分が入りこんだようにふるまうことはできる(テレビゲームの主人公キャラクターを操作することを想像してもらうとわかりやすい)。

つまり、〈アダムス〉は〈ゼーレ〉が『ヱヴァ』の世界に入って活動するための姿なのではないだろうか。

なんのことはない。〈Mark.06〉や〈Mark.09〉は、〈ゼーレ〉自身が活動するための機体だから「真のエヴァンゲリオン」なのだ。

「リリスの復活」とはシステムの復旧

さて、先の会話から、「リリスの復活」も〈ゼーレ〉の目的であることがわかる。

〈リリス〉とはなにかを確認しよう。

『序』のクライマックスの前、シンジとミサトが〈ネルフ)本部の地下深くにあるセントラルドグマで、白い巨人を前にして会話を交わしている。

 icon-arrow-down 十字架のようなものにはりつけにされた巨人をミサトは〈リリス〉と呼んでいる。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

違うわ
この星の生命の始まりでもあり
終息の要ともなる
第2の使徒——リリスよ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
©カラー・GAINAX

旧劇場版においても、この位置に〈リリス〉は安置されていた。しかし、それが明らかになるのは物語の終盤だ。当初は、地下にいる巨人は〈アダム〉とされていた。

『新劇場版』では、物語の、まさに『序』盤で巨人の正体が明かされているわけだが、旧劇場版とは正反対に、みんなが〈リリス〉と思っていたものがじつは〈アダム〉(正確には〈アダムス〉)なのではないか?

――その可能性をいったんは考えたのだが……。

『Q』では、セントラルドグマにいた巨人をはっきりと〈リリス〉と言っている。

 icon-arrow-down 〈リリス〉は無残な姿になっており、カヲルは「だったモノ」「骸」と表現している。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

(シンジ)
これがリリス?

(カヲル)
だったモノだ
そのむくろだよ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
©カラー

ただ、カヲルは、そもそも旧劇場版において〈リリス〉を〈アダム〉だと誤解していた張本人だ。このセリフをみにしてよいかは疑問もある。しかし、いちおうここにいるのは〈リリス〉として話を進めよう。

さて、〈ゼーレ〉の目的をあらためて確認しよう。

我らの望む真のエヴァンゲリオン
その誕生とリリスの復活をもって
契約の時となる
それまでに 必要な儀式は
執り行わねばならん
人類補完計画のために

ここで「リリスの復活」と言っていることから、〈リリス〉はもともとこの世界に存在し活動していたものであるが、いまはなんらかの理由で活動を停止していることがわかる(過去に活動していないなら「復活」とは言わないだろう)。

『ヱヴァ』の世界全体がコンピューターのシステムであるならば、もともとこの世界に存在すべきものとはなにか?

それは、システム全体を司るもの。パソコンで言えば、基本ソフト(OS)のようなものと考えられる。すなわち、

〈リリス〉は世界(=システム)を制御しているもの

なのだ。

〈リリス〉というシステムの根幹が壊れている(あるいは停止している)から、〈使徒〉というバグが発生している、と考えられないだろうか。

では、どうやって〈リリス〉を復活させるのか? もちろん、その詳細は不明だが、「真のエヴァンゲリオン」である〈Mark.06〉や〈Mark.09〉が関係あることはまちがいない*3

*3:[2019年1月30日追記]〈リリス〉には〈槍〉が刺さっており、この〈槍〉を抜くことで「復活」できるのだと思われる。重要なのは、〈槍〉は〈Mark.06〉もしくは〈Mark.09〉、すなわち「真のエヴァンゲリオン」(=ゼーレのエヴァ)でないと抜けないということ。それ以外のエヴァ(初号機など)で可能なら、ゼーレのエヴァの完成を待たずにさっさと抜いてしまえばいいからだ。

〈人類補完計画〉のためには、「リリスの復活」が不可欠であり、そのためには「真のエヴァンゲリオン」が必要である。また、〈リリス〉が正常に作動するためには、バグの除去(〈使徒〉の殲滅)が前提となる、というわけだ。

ここまでの考察をもとに先の〈ゼーレ〉のセリフを解釈するとこうなる。

  • [ステップ1]〈使徒〉の殲滅(=システムのバグの除去)
  • [ステップ2]真のエヴァンゲリオンの誕生(=システム復旧の道具の整備)
  • [ステップ3]〈リリス〉の復活(=システムの復旧)
  • [ステップ4]〈人類補完計画〉の発動(=システムによるアウトプット)

ただ、ゲンドウたちには〈リリス〉を復活させることの詳細は知らされていないようだ。

 icon-arrow-down 冬月は〈Mark.06〉の存在に驚きを隠せないでいる。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

しかし 5号機以降の計画など
なかったはずだぞ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

以上をふまえると、『死海文書』には〈使徒〉の襲来に関することが書いてあり、『死海文書外典』には〈リリス〉の復活に関することが書いてあるのではないだろうか?

〈人類補完計画〉とは〈インフィニティ〉の創造

〈ゼーレ〉にとって、「真のエヴァンゲリオンの誕生」や「リリスの復活」は、究極の目的を実現するための手段にすぎない。「究極の目的」とは言うまでもなく〈人類補完計画〉だ

その〈人類補完計画〉だが、これも謎に包まれていて、その内容は想像するしかない。しかも、想像するための材料は、『Q』におけるカヲルのセリフしかない。確認してみよう。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

生命とは本来 世界に合わせて
自らを変えていく存在だからね
しかし リリンは自らではなく
世界のほうを変えていく
だから 自らを人工的に
進化させるための儀式を起こした
いにしえの生命体をニエとし
生命の実を与えた新たな生命体を
作り出すためにね
全てが太古より
プログラムされていた絶滅行動だ
ネルフでは
“人類補完計画”と呼んでいたよ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
©カラー

このセリフに矛盾が含まれていることにお気づきだろうか?

生命は世界の変化に合わせて自分を変えるべきだが、人類は世界のほうを変えようとしたと言っている。一方で、人類が行なったことは、みずからを進化させることだとも言っている。

「自らを人工的に進化させる」のは、「自らを変えていく」ことではないだろうか? となると、実際に人類が行なったのは「自分を変えること」と「世界を変えること」のどちらなのか? この点が矛盾しているように思える。

カヲルは論理的思考力に難がある人物なのか? その可能性もゼロではないだろうが、なんとなく私たちの考えるカヲルの人物像に合わない気がする。

ではべんを使ってシンジをだまそうとしている? それもやはり違和感がある。

カヲルは紛れもなく〈人類補完計画〉の真実を語っていることを前提として、先のセリフを論理的に矛盾しないように解釈することは可能だろうか?

「自分を変えること」と「世界を変えること」は同時に起こるか、あるいは一方がもう一方の前提条件になっている。そう考えれば矛盾は生じなくなる。

『破』の終盤、〈サードインパクト〉が始まるのを見て、赤城リツコがこんなことを言っている。

 icon-arrow-down 「世界の滅亡」と「人類の滅亡」が同時に起こることを意味している(ように思える)。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

この世界の理を超えた
新たな生命の誕生
代償として
古の生命は滅びる…
世界が終わるのよ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

では、リツコの言う「新たな生命」とは? これもまったく不明だ。まだ劇中で描かれていないとも考えられる。そうなると、謎解きはお手上げだが、もしも、すでに描かれているとしたら……?

『Q』に登場した「インフィニティ」と呼ばれるものが「新たな生命」であり、「みずからを進化させ」た存在なのではないだろうか?

〈インフィニティ〉とは、シンジとカヲルが〈エヴァンゲリオン第13号機〉でセントラルドグマに降りていく際に目にした“エヴァ”のような巨人だ。

 icon-arrow-down カヲルは「インフィニティのなり損ない」と言っているが……。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

ああ 全て
インフィニティのなり損ないたちだ

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
©カラー

そうすると、次のように結論づけられる。

人類補完計画=インフィニティの創造

先のリツコやカヲルのセリフからは、「〈インフィニティ〉が生まれて人類が消滅する」(リツコのニュアンス)のか、あるいは「いまの人類が人工進化して〈インフィニティ〉に変わる」(カヲルのニュアンス)のかは定かではない。リツコはすべての真相を知っていたわけではないだろうから、カヲルが正しいのかもしれない*4

*4:[2019年2月10日追記]逆にリツコが正しいとすれば、人類の消滅はどのように起こるのか。旧劇場版では人々の肉体はL.C.L.と呼ばれる液体に変化した。だが、新劇場版では〈インフィニティ〉の大群がひたすら人々を殺戮していくだけなのかもしれない。それも「消滅」のひとつのカタチにはちがいない。

ただ、どちらであっても結果は同じだ。いまの人類(ミサトたち)にとっては、自分たちが消滅するのだから、許されざる事態であることにはちがいない。

『ヱヴァ』の世界では、〈インフィニティ〉の創造は(いまの世界が終わるのだから)まさに天変地異だが、〈ゼーレ〉にとってはしょせんはシステムのなかの出来事にすぎない。少なくとも天変地異ではない(〈インフィニティ〉の創造が〈ゼーレ〉にとってどんな意味があるのかは、のちほど考察する)。

とにかく、〈ゼーレ〉にとって、いまの人類は〈インフィニティ〉を創るための道具にすぎない。使わなくなったアプリケーションをアンインストールするようなもの。用が済めば廃棄される運命にあるのだ。

この点が『ヱヴァ』の物語を読みとくうえで重要なポイントになる。

[2019年8月18日追記]〈インフィニティ〉の正体や、カヲルとリツコの発言の矛盾については、「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の謎を徹底的に解明する[準備編 その3]インフィニティとインパクト」で解明している。

ゲンドウの企みを暴く

さて、ゲンドウはなぜ自分のいる世界がシミュレーションであることを知っているのか? その鍵を握るのは、じつは冬月だ。

冬月はもともと大学教授であった――旧劇場版と同じ設定だが、その事実は『Q』で明らかになる。

 icon-arrow-down 碇ユイは冬月の大学の教え子だったらしい。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

旧姓は綾波ユイ
大学では私の教え子だった

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
©カラー

残念ながら、冬月の専攻までは明かされていない。

しかし――。

旧劇場版の設定を『新劇場版』の考察に用いるのは慎重に行なわなければならないが、旧劇場版にこんなシーンがある。

冬月が過去を回想する。自分が大学できょうべんをとっていた過去だ。そこで、冬月の専攻がわかる。

 icon-arrow-down 冬月の研究室に掲げられた文字は……?

『新世紀エヴァンゲリオン』

『新世紀エヴァンゲリオン』第弐拾壱話「ネルフ、誕生」
©カラー/EVA製作委員会

「形而上生物学」だ。「形而上」とはなにか? 辞書を引いてみよう。

時間・空間を超越し、感覚を通してはその存在を知ることができないもの。

『明鏡 国語辞典』第二版(大修館書店)

ここまでお読みのかたは、「形而上」の意味するものがおわかりだろう。

そう。人間の感覚では認識できない存在。すなわち〈メタフィクション〉の世界だ。

旧劇場版と同じように『新劇場版』においても冬月の専門分野が「形而上生物学」であるならば、ゲンドウが〈メタフィクション〉の世界を知っていても不自然ではない。もしかしたら、ゲンドウも冬月の教え子だったのかもしれない。いまはコトの主導権を握っているのはゲンドウで、冬月はサポート役に徹しているが、発端は冬月だった可能性がある。もっと言えば、ユイもこの世界が仮想現実であるのを知っていた。そんな想像もできる。

もちろん、「形而上生物学」を学んだからといって、ゲンドウたちが虚構Bの世界を認識することはできない。しかし、〈ゼーレ〉の存在は、自分たちのいる世界の外側に、別の世界があることの証明となる。ふつうの人にとっては妄想でも、ゲンドウたちには真実であるわけだ。

では、ゲンドウはなにをしようとしているのか?

そもそも〈ゼーレ〉とゲンドウが別々の目的を持っていることはまちがいない。

 icon-arrow-down 〈ゼーレ〉とゲンドウたちの思惑が異なることが示唆されている。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

だが ゼーレとて
気づいているのだろう?
ネルフ究極の目的に

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
©カラー

〈ゼーレ〉の〈人類補完計画〉は「〈インフィニティ〉の創造」だとして、ゲンドウの企みはどんなものなのだろう?

やはりこれもたしかなことはわからず、想像するしかないのだが、ここで作品のテーマを思い出したい。

〈虚構〉と〈現実〉の禁じられた融合

これは、制作者が『ヱヴァ』という作品でやりたいことだと前回のべたが、その想いはゲンドウというキャラクターに投影され、そのままゲンドウの秘めたる計画になっているのではないか。つまり、

虚構世界から〈ゼーレ〉のいる“現実世界”へ行くこと

これがゲンドウたちの究極の目的だと考えられるのだ。

〈ゼーレ〉のいる世界はシステムの外側だ。そこへ行けばシステムを操作できる。〈ゼーレ〉による「人類の滅亡」を防ぐこともできるはずだ。

虚構世界から現実世界へ行く――どうすればそんなことができるのか? 原理的には不可能だ。禁じ手を使わなければなしえない。ゲンドウがそんな不可能を可能にしようという試みが『Q』で描かれた〈フォースインパクト〉なのではないだろうか?

……考察が予定より長引いてしまった。

次回は、この〈フォースインパクト〉でなにが起こったのか? その点からゲンドウの企みを暴いていきたい。

今回の結論をまとめよう。

 icon-asterisk 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序/破/Q』の世界はコンピューターによるシミュレーションである。
 icon-asterisk 〈ゼーレ〉は〈メタフィクション〉の世界の人物である。
 icon-asterisk 〈ゼーレ〉は〈ネルフ〉に〈使徒〉というウィルスの駆除をさせている。
 icon-asterisk ゲンドウの目的は虚構世界から〈ゼーレ〉のいる“現実世界”へ行くことである。

 icon-arrow-circle-down 次の考察はこちら。

ぎゃふん工房(米田政行)

ぎゃふん工房(米田政行)

フリーランスのライター・編集者。インタビューや取材を中心とした記事の執筆や書籍制作を手がけており、映画監督・ミュージシャン・声優・アイドル・アナウンサーなど、さまざまな分野の〈人〉へインタビュー経験を持つ。ゲーム・アニメ・映画・音楽など、いろいろ食い散らかしているレビュアー。中学生のころから、作品のレビューに励む。人生で最初につくったのはゲームの評論本。〈夜見野レイ〉〈赤根夕樹〉のペンネームでも活動。収益を目的とせず、趣味の活動を行なう際に〈ぎゃふん工房〉の名前を付けている。

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コメント

    • tack
    • 2017.12.22 4:37pm

    渚カヲルの人類補完計画に関するセリフは行間に()内のセリフを入れると矛盾は無くなりませんでしょうか?

    生命とは本来 世界に合わせて
    自らを変えていく存在だからね
    しかし リリンは自らではなく
    世界のほうを変えていく
    (通常の方法では自らを変えること/進化することが出来ない)
    だから 自らを人工的に
    進化させるための儀式を起こした
    古いにしえの生命体をニエとし
    生命の実を与えた新たな生命体を
    作り出すためにね
    全てが太古より
    プログラムされていた絶滅行動だ
    ネルフでは
    “人類補完計画”と呼んでいたよ

    いかがでしょうか?映画見てる時に、妙に納得出来たのでなぜだろうと思い、貴ブログの考え方を元に改めて考えてみました。
    リリンは基幹システムであるため、通常の方法では自らを改変することは出来ず、機能アップのためには周辺環境の強化をするだけしか出来ない。
    しかし、周辺環境のアップグレードに限界が生じるため、基幹システムのメジャーアップデートのために、これまでの自らのアウトプットを犠牲にして上位システムに遷移する。

    まるでWindows xp(32bit)→Windows10(64bit)へのアップグレードみたいだなぁと思いました。

    戯言ですが、ご検討下さい。

    • カヲルの頭のなかでは、「自ら(リリン)」と「世界」の関係をどうとらえてるか、という点がポイントになりそうですね。

      なんとなく「世界」の上に「リリン」があるとイメージしがちですが、おっしゃるとおり、リリン=Windowsと考えると、「リリン」の上に「世界」がある、という図式になりますね。

      リリン(=Windows)をアップグレードすれば、その上にある「世界」(=アプリケーション?)もアップグレードするはずですから、結果「世界を変える」ことになります。

      なるほど。参考になりました。いずれにしても、カヲルももっとわかりやすく説明してほしかったところです(笑)。

      このたびはコメントありがとうございました。

    • 匿名
    • 2021.03.09 10:37am

    映画見てきました。この考察を見てて良かったです。本当に。

    • 妄想でもよいから、事前に仮説を立てておくと、初見でもかなりのところまで理解できますね。

      コメント、ありがとうございました!

ぎゃふん工房(米田政行)

ぎゃふん工房(米田政行)

〈ぎゃふん工房〉はフリーランス ライター・米田政行のユニット〈Gyahun工房〉のプライベートブランドです。このサイトでは、さまざまなジャンルの作品をレビューしていきます。

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