ヤヨイは男勝りだけどもっとも女らしい!?【天使の街キャラクター紹介5】

ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街〜プライマリー〜』のおもな登場人物は6人。残すはあと2人です。

今回は5人目のヤヨイさんをご紹介します。

ヤヨイさんは私立麗宝学園高等部の3年生。ハルカやサキの先輩にあたります。

心霊研究クラブSDK(Sinrei Daisuki-ko:心霊大好きっ子)の副部長ですが、実質的には部長のように振る舞っています。

「あらためて喜べ、諸君。ここにおられるマヨ先生の粋なはからいにより、SDKは活動を再開することになった。拍手」
ヤヨイの言葉を聞いて、ふたりの生徒が手を叩く。ひとりはサキ。力強い拍手。もうひとりはハルカ。こっちは、おざなりに手を動かしている。

ヤヨイは男勝りのさばけた性格で、誰に対しても人懐っこく接してきます。

「あれれ? 先生、もしかして怖がりですか?」
ヤヨイはいたずらっコのような顔をして私を見る。
完全にからかわれてるな、私。
「いやいやいや。ホラーとかオカルトは大好きだよ。でも、幽霊の存在は信じてないんだ」
「へ〜。マヨ先生、そういうの好きなんだ。じゃあ、クラブの顧問やってくれないかなあ」
「クラブ?」
「この学園にも、心霊研究クラブがあったんですよ。でも、顧問の先生がある日突然いなくなっちゃって、みんなで呪われたとか、悪霊にとりつかれたとか、いろいろ噂して。で、クラブは活動停止中なんです。でも、先生が顧問になってくれたら、再開できるかも」
「ヤヨイは、そのクラブの部長か何か?」
「いや、部長はマヒルってコで、ウチは副部長。昨日もふたりで『またやりたいね』って話してたんですよ」

かなり負けず嫌いであり、表には出しませんが、努力家でもあります。だから、勉強もスポーツも得意です。

そして。

次回ご登場いただくマヒルに想いを寄せているようです。その意味ではハルカとは恋のライバルといえます。

さらに。

未確認情報ですが、将来、看護師になるという夢も持っているようです。ヤヨイの家は、あまり知られていませんが、母子家庭です。お母さんは看護師だそうで、その影響もあるのでしょう。

これを「女らしい」というのは語弊があるかもしれませんが、男勝りの性格とは裏腹なイメージであることはまちがいありません。

サキ(麗宝学園高等部1年生)のお話

Saki face

──人は自分のことはわかりにくいが、他人のことはよく見える。ヤヨイさんのことを知るには、本人よりもまわりの人に聞くのが一番です。といったわけで、同じSDKに所属するサキちゃんに話を聞きましょう。サキちゃん、こんにちは。

「よろしくお願いしますぅ」

──ヤヨイさんと仲はよいのですか?

「はい。SDKにはマヒルさんとヤヨイさんのふたりの先輩がいるのですが、マヒルさんは雲の上の存在なので、親しみやすいのはヤヨイさんのほうなんです」

──ヤヨイさんは、後輩の面倒見がよいと聞いています。

「はい。ヤヨイさんにはふたりの妹さんがいらっしゃるんですが、ボクも妹のようにかわいがってもらってます!」

「ねえ、サキはさ、なんでこのクラブに入ったの?」
気まずい雰囲気を和ませるためか、ヤヨイがサキに尋ねた。
「ボクは、やっぱりオカルトとか好きだしぃ、幽霊とか見てみたいしぃ」サキは目を輝かせて答える。
「そうか、そうか、かわいいやつだ」ヤヨイはそう言いながら、サキの頭をなでる。

──ヤヨイさんはマヒルさんが好きなんでしょ?

「ええっ!? ヤヨイさんのこと、そんなに広まっちゃってるんですか? ……そうなんです。でも、ヤヨイさんはまわりには知られてないと思ってるんです。だから、ボクたちも知らないフリをしてるんです」

「カヤコ様……ヤヨイさんの好きな人の名前を教えてください……」
サキが“霊”に呼びかける。
グラスがゆっくりと動き出した。
不規則な速度でグラスがテーブルの上を滑り、しかし一直線にひとつの紙をめざす。
“霊”が指し示した最初の文字は「マ」。
いったん停止したグラスが再びゆっくりと動き出す。
その場にいた誰もが、次に“霊”が示す文字は「ヒ」だとわかっていた。
〈ヤヨイの好きな人はマヒル〉
公然の秘密だった。ヤヨイは自分の気持ちがまわりに知られていないと思っている。他人のことはよくわかるけど、自分自身のことは見えにくい。よくある話だ。
グラスが勢いをつけた。ハ行の紙が並んでいるほうへむかっているのは誰の目にも明らかだった。
もはや無意識ではなく、“参加者”のひとりが意識的に動かしているのだろう。
「はい! おわり! 終了!」ヤヨイがそう言って立ち上がった。
グラスは止まった。 “参加者”役の生徒たちが顔を見合わせながら、笑いをこらえていた。

──メンバーのなかでは、じつは一番「女らしい」という話もあります。

「そうですね。言葉づかいは少し乱暴ですが、明るくてぇ、やさしくてぇ、そこがヤヨイさんの魅力ですし、『女らしい』ということかもしれません」

「先生、サキ……あんたたち、なに言ってるの? マヒルを元に戻すって話じゃないの?」
「マヒルさんを元に? ……先生、まさかヤヨイさんも騙したんじゃ……」
う……。サキ、余計なことを……。
「嘘なんだ。マヒルはもうダメなんだ。そうなんだ」ヤヨイの目から大粒の涙がこぼれる。それが床に当たる音が響いた気がした。
ヤヨイがカバンを抱え、走り出した。
あっと言う間に姿が見えなくなる。
以前の私ならあとを追っていたかもしれない。
でも、明らかに今の自分は昔とはちがう。 生徒に対する愛情のようなものが消え失せている。 そのことに初めて気がついた。
「先生……ダメじゃないですか。生徒を泣かすようなことして」

「あれぇ? なんかボクのセリフ、地味にネタバレじゃないですか?」

作者・夜見野レイより

考え方によっては、この物語でいちばんかわいそうなのは、ヤヨイかもしれない。

悲劇のヒロインであるナツミが文句を言うことはないと思いますが、ヤヨイからは作者の私はうらまれてしまうかも。

ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街』オフィシャルサイト

『アウトレイジ ビヨンド』を名作にした前作とのただひとつの違い

藤井太洋『Gene Mapper -full build-』でわかる電子書籍と紙の本の違い

関連記事

  1. サラリーマンはどうやって小説執筆の時間を作る?【…

    ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街』は鋭意制作中(追記:2014年5月…

  2. 『ぎゃふん9』パート1

    精神的に向上心のあるものも 人生はくじ引きだ【ぎ…

    〈人生はくじ引き〉と言うと、「自分の努力不足を運の悪さのせいにするな」「そこ…

  3. 電子書籍の小説『天使の街~マヨ~』の「第1章 郡…

    このブログでお知らせしてきました、ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー『天使の街~…

  4. ブログの記事をまとめた本『ぎゃふん5』の電子書籍…

    あけましておめでとうございます。この「ぎゃふん工房の作品レビュー」も今日で1…

  5. 『ぎゃふん9』パート3

    精神的に向上心のないものが 死んだらどうなる?【…

    死はだれにでも訪れる。やがて迎える死のために準備を整えていきたい。とはいえ、…

  6. サラリーマンが自称・小説家を名乗るための手帳・メ…

    これまでもなんらかの方法で人生をやりくりし、小説の執筆を続けている人は、…

  7. 葉真中顕『ロスト・ケア』で分かるこれからの社会派…

    とある介護事務所が世話をする顧客たちが異様な死亡率を示す。その裏にあるものは…

  8. 『トネガワ』

    『中間管理録トネガワ』の圧倒的レビューっ……!

    『中間管理録トネガワ』は、福本伸行の代表作である『カイジ』シリーズのスピンオ…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


このサイトは……?

映画・音楽・ゲーム・本など、いろいろな作品を評価する〈ネタバレなし〉ブログです。

最近の記事

  1. 心霊玉手匣
  2. ミュージックビデオの映像美
  3. 『バイオハザード7』
  4. 『ほんとにあった!呪いのビデオ』アイキャッチ
  5. ほんとにあった!呪いのビデオ
PAGE TOP