サラリーマンが自称・小説家を名乗るための手帳・メモ術─第3回─【天使の街・創作メモ】

小説のアイディアをメモする

自称・小説家として、頭に思い浮かんだアイディアをメモしておくことは大切です。「メモしようとするからアイディアが生まれる」という側面もあります。

メモのノウハウは巷にあふれているので、自分に合ったものを選べばよいと思いますが、ここでは私自身が実践し「こりゃ使える」という方法をご紹介していきます。

私がふだん行っているのは中公竹義先生の『100円「超」メモ術』です。ただし、中公先生の考えかたを100%そのまま用いているわけではなく、自分の使いやすいようにアレンジしています(したがって、中公先生の理念に反する部分もあります)。その点をあらかじめお断りしておきます。

中公式メモ術の3つのルール

中公式メモ術の特長は、ルールの「シンプルさ」にあります。複雑な手順を踏まなければならないものは、汎用性が低くなりますし、やってみようという気も起きないでしょう。

でも、シンプルなルールを持つメモ術なら、誰でも気軽に始められますし、実用性も大きいのではないでしょうか。

中公式のルールは下記の3つです。

[1]書き終えたら、右ページの右下を切り取る(ちぎる)

メモを書き終えたら右ページの右下を切り取ります(図1:中公先生は「ちぎる」としています)。なお、ノートの表紙も同じように右下をカットしておきます。

Memorandum 01

[2]検索マーク・インデックスをつくる

ノートの最終ページにインデックスを作ります(図2)。これはメモの項目名です。

次にメモを書いた見開きの左ページの左端に検索マークを作ります。これは黒く塗りつぶすだけです。インデックスに項目名がない場合は、新たに項目を追加します。

Memorandum 02

[3]どんなことも一冊のノートに書く

たとえばジャンルごとにノートを分けるなどといったことはしません。

中公式メモ術の効果

中公式のメモ術のルールは以上です。誰でも簡単に今から始められます。でも、その効果は絶大です。

[効果1]すぐに書ける

ふだんアイディアをメモしている人なら実感できると思いますが、アイディアというのは、思いついたとき、その瞬間からどんどん忘れていきます。その継続時間は1分もないでしょう。

だから、ノートの白紙のページを探すのに手間取っていると、その着想が吹っ飛んでしまう危険性があります。一度忘れたアイディアは二度と戻ってきません。そもそも忘れたのだから、仮に戻ってきたとしても、「あのとき思いついたもの」だとはわかりません。「なにかを思いついた」という記憶しか残らないのです。

中公式だと、ノートを手に取り「白紙のページ」を開くまでの時間は1秒もかかりません。その秘密は、図1の「右下を切り取る」点にあります。

メモを書き終わったページは右下が切り取られているので、右下の部分に指を置くと、それは白紙ページつまり新たにメモをするページとなります。

これで、つかんだアイディアを逃さなくなります。

Memorandum 03

 

[効果2]すぐに探せる

これは図2の「検索マーク」「インデックス」によるものです。辞書や実用書などについている「ツメ」を自前で作っているわけです。「アレはどこに書いたかな?」と思っても、すぐに当該ページへアクセスできます。

[効果3]メモがなくならない

着想を書き留めるのに、手短な紙片を利用するという手はあります。しかし、これだと紛失する可能性が高い。個人的な経験だと、メモしたこと自体を忘れることすらあります。

また、内容ごとにノートを分ける、というのも一見合理的ですが、実際やってみると機能しません。いざというときメモすべきノートが見つからなかったり、手元になかったりするのです。

ですから、ありとあらゆるメモは、一冊のノートにまとめるのがもっとも効果的です。

中公式は仕事の打ち合わせに使える

最初に述べたように、じつは中公先生のノウハウを100%実践しているわけではありません。それは、スマートフォンやタブレットといったデジタルの手帳と紙の手帳の連携法を模索し始めているからです(タブレットは今年2月、スマートフォンは9月に買ったばかりです)。

中公先生は、デジタルのメモ帳を否定しておられます。それは、今回ご紹介している方法なら、デジタルよりも効果が高いからです。

これは一理あります。私は「中公先生のノウハウを100%実践しているわけではありません」が、今回紹介した方法は実践しています。

なんだかややこしい話になってしまいましたが、つまりはこういうことです。

私が中公式を実践しているのは、「仕事の打ち合わせのメモ」で、「小説のアイディアのメモ」は、中公式を一部採用しつつ、野口悠紀雄先生の提唱するメモのデジタル化を行なっているのです(ただし前述のように模索中)。

「仕事の打ち合わせのメモ」において、中公式の効果は絶大です。

まず、ほかの人がパラパラと(つまりはダラダラと)、手帳なりノートなりの白紙ページを探している間に、すでに白紙ページを広げ、打ち合わせの準備が整えることができます。

さらに、「あのとき何て話したっけ?」というようなときも、インデックスと検索マークで、ほんの数秒で探し出せます。個人的な経験だと(業界の特性かもしれませんが)、「前回の打ち合わせで出た話」を探るのに、メモをめくる人はまれで、たまにいてもものすごく時間がかかるか、結局探し出せないで終わることがほとんどです。

こんなふうに華麗にメモを使いこなすことができれば、「できるビジネスパーソン」を演出できますし、実際、実用性も高いわけです。

小説制作のメモはデジタルがよいのか?

では、小説に関するアイディアはどうメモするか。

「小説のアイディアが逃げないうちに書き留める」ことは、仕事の打ち合わせよりも重要ですから、「白紙ページにすばやくアクセスする」ために、「ルール[1]書き終えたら右ページの右下を切り取る」は必要です。また、「[ルール3]どんなことも一冊に書く」のも、小説のアイディアメモに欠かせません(したがって、「仕事の打ち合わせメモ」と「小説のアイディアメモ」は同じノートを使います)

問題は、「ルール[2]検索マーク・インデックスをつくる」です。「仕事の打ち合わせメモ」と「小説のアイディアメモ」が同じノートなので、小説のほうにも検索マーク・インデックスをつくっていますが、これが本来の機能を果たしているとは言えない。

なぜなら、現在「小説のアイディアメモ」は一時的なもので、書いたメモはどんどんデジタル化(クラウドに入力)してしまうからです。手帳でアイディアを検索する必要性はほとんどないのです(検索はデジタル機器の得意分野です)。

しかし、その一方で、前回のスケジューリングで述べたように「創作活動(クリエイティビティ)は紙の上でしか発揮されない」と考えています。

中公式は、「断片的なアイディアを一時的に蓄える」「断片的なアイディアを組み合わせて新しいアイディアを生み出す」という2つの機能を持たせたメモ術といえます。

ここでまた「しかし」なのですが、「断片的なアイディアを一時的に蓄える」ために、中公式ではA6サイズ(文庫本サイズ)のノートを推奨しており、実際私が使っているのもそのサイズです。これが「小説の断片的なアイディアを組み合わせて新しいアイディアを生み出す」ためのノートとしては小さすぎるのです。

そこで、「思いついた断片的なアイディアを忘れないためにノートにメモ」→「断片的なアイディアの保存・検索・閲覧のためにクラウドに入力」→「新たなアイディアの想像、より生産的・積極的な創造的のために紙に書き出す」という、なんとも複雑な方法をとっています(より具体的には次回ご説明します)。

この方法が正しいのかどうかはまったくわかりません。そもそもその成果である「小説」がまだ完成していないのですから。「なんだかよさそう」という気がしているだけでも、あながち的外れではないでしょうし、「小説」が完成すれば、この方法の効果も実証できるでしょう。

といったわけで、今回は「自称・小説家のためのメモのしかたは模索中です」という結論なのですが、少しでも参考になりそうな部分を拾っていただければ幸いです。

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